藤代:おはようございます。今日は5日に総務省から発表された「人口動態調査」の結果についてお話します。

J.K.:どんな結果でしたか?

藤代:日本の人口は1億2558万人と、前の年からおよそ30万人減少、減少は8年連続でした。都道府県別では、東京都、神奈川、千葉、埼玉、それから愛知、沖縄で増加した反面、その他の都道府県は減少しました。景気拡大が続いていることから、仕事が豊富にある関東圏、自動車をはじめ製造業を多く抱える愛知県に人口が集中しているのだと思います。

J.K.:人口減少の対策はどうでしょうか?

藤代:ここ数年は合計特殊出生率が幾分上向いて1.44。意外なことに90年代前半と同じくらいまで回復しています。人口維持するのに必要とされている。2.1には遥かにおよびませんが、好転の兆しが見えているのは事実です。

J.K.:それでも人口減少は避けられないですよね?

藤代:現時点の予測では2050年には1億人を割り込むとされています。ただ、ここで冷静に考えたいのは、人口減少はゆっくり進んでいくということです。これだけ「人口減少」という言葉を頻繁に見聞きすると、あたかも緊急事態に直面しているように思ってしまいがちですが、実は「率」にするとさほど急激ではありません。例えば、先ほど紹介した2016年のデータですと、減少率は僅か0.1%です。要するに、人口はまだほとんど減っていません。あくまで私個人の意見ですが、人口問題の本質は、人々が人口減少を過度に意識してしまう結果、将来の見通しが暗くなってしまうことだと思います。人々が委縮してしまうと、経済活動は当然のことながら、様々な面で悪影響があるので注意が必要です。人口が1億人を割り込むまでに33年もあり、また1億人まで減ったとしても、現在のドイツの8300万人より多いので、そこまで人口減少に怯える必要はないと思います。