藤代:おはようございます。今朝は「日本の輸出」について、今週発表された貿易統計の結果を踏まえて解説したいと思います。

J.K.:日本の輸出の状況はどうでしょう?

藤代:日本の輸出金額は、今年に入ってから2桁の伸びが続いています。海外経済が回復する中で、アメリカ向けが伸びているほか、中国をはじめアジア向けもまずまずです。そして景気回復が鮮明なヨーロッパ向けもまた安定的に伸びています。

J.K.:どういったモノが輸出されていますか?

藤代:日本の輸出1位は何といっても自動車とその部品。2位は半導体などの電子部品。海外メーカーのスマホを分解すると、日本製の部品だらけ、ということもあるくらい、よく使われています。3位は鉄鋼。自動車などに使う綺麗な鉄は日本企業が得意とするところ。そして4位は原動機。飛行機や工場のボイラーなどに使うエンジン部分で普段の生活に馴染みはないですが、日本メーカーが強いのです。そして5位はプラスチック。海外の自動車工場向けに輸出されていて、車のバンパーとかシートとかに使われます。これがベスト5。

J.K.:家電というのはどうなのですか?

藤代:実は過去20年間に一度もランクインしていません。テレビとカメラの輸出は多いのですが、ベスト10にすらほとんど入りません。要するに、自動車を除くと普段、我々が目にするようなものはほとんど輸出していないのです。昔に比べると日本製品を海外で見なくなったと言われていますが、家電の輸出は元からあまり多くありませんでした。 ここ数年は、私たちに馴染み深い一部の家電メーカーが苦しんだこともあって、日本企業の競争力を疑問視する声が目立っていますが、心配する必要はないと思います。普段私達が目にしないものを作って輸出している日本企業の競争力はまだまだ健在で、輸出水準は、過去最高の更新が目前に迫っています。