藤代: おはようございます。今日は「最近のインバウンドの動向」について最新のデータを整理していきたいと思います。

J.K.:やはり、もっと増えそうなのですか?

藤代:まず、4月の訪日外国人は260万人。前の年に比べて15%~20%くらい増えるという驚異的な状態が続いています。ちなみに4月の実績を、私が年間の数値に換算したところ2600万人という数値になりました。10年前の約3倍です。今の勢いを踏まえると、減るとは考えにくいです。

J.K.:爆買いは減ったようですが、日本経済に与える影響はどうですか?

藤代:日本が受け取る旅行代金の総額はひと月あたり3000億円。年間では3兆6000億円です。日本の個人消費が300兆円なので、その1%強に相当する額です。ちなみに3兆6000億円という数値は近い規模ですと、東京オリンピックの開催予算が3兆円。大きな数字です。

J.K.:業種でいえばどんなところでしょうか。

藤代:特に都心の家電量販店、百貨店などでは外国人消費の割合が高まっていますし、一部のドラッグストアでは、外国人消費の割合が1割に迫っているというデータもあります。

J.K.:ということは為替に左右されるのではないでしょうか。

藤代:一般的に海外客は、お土産を含めた旅行の予算を、自分の国の通貨で決めているので、為替の影響は避けられません。例えばアメリカ人の場合、あらかじめ5000ドルという予算を決めて、それで日本にくるので、円高になると、アメリカ人旅行客の日本円に換算した予算が減ることになり、日本での消費額はほぼ自動的に減ってしまいます。2016年は年間を通じて円高でしたので一人当たりの消費額は10%以上減りました。それは日本の魅力がなくなったのではなく為替の影響です。為替変動は、どうしようもないことなので、あまり心配しなくても良いと個人的に思います。