藤代:おはようございます。今朝は、最近フランスの選挙など色んなイベントがありましたので「ヨーロッパ経済」についてお話ししたいと思います。

J.K.:マクロン大統領誕生で市場もほっと一息というところでしょうか。

藤代:政治面では、イタリア、フランス、イギリス、そして最近ではドイツでもグローバル化に待ったをかける動きがあって政治が揺れ動いています。一方で経済に目を向けると、絶好調と言ってもいいくらい調子が良い。ユーロ圏のGDP、経済成長率は2013年以降の4年間ずっとプラス成長で、最近は一段と伸びが高まっていて、2000年代半ばと遜色ないレベルです。

J.K.:ほんの数年前までギリシャ、ポルトガルとか苦しんでいましたよね。

藤代:ギリシャは今でも例外的に弱い状況が続いていますが、スペイン、イタリアポルトガルなどでは、企業や個人の景況感が目立って改善しています。相変わらずドイツが最強ですが、5.6年前と違うのはイタリア、スペインなどでも、実際に人々が"景気が良い"と言っている点。政治を見ていると、さも欧州経済は混迷しているように思えますが、実際は違う印象です。

J.K.:経済政策はどうなりそうですか?

藤代: ヨーロッパ中央銀行ECBも、日銀と同じように強力な金融緩和で、マイナス金利を導入しています。ちなみに日本は▲0.1%、それに対してECBは▲0.4%ですから日本より派手にやっています。ただし、最近は景気が強くなってきているので、金融緩和の度合いをそろそろ弱めるべきという議論が活発になっています。特にドイツでは、これ以上の金融緩和はバブルを招く危険があるとして、早く利上げをすべきだと主張。それくらい、最近のヨーロッパ経済が好調ということです。実際、日本からのヨーロッパ向け輸出も順調に伸びていますので、多くの日本人がイメージしているのとは裏腹に欧州経済は悪くないのが実情です。