藤代:おはようございます。本日は「因果関係」と「相関関係」について経済的な視点からお話ししたいと思います。

J.K.:「原因」と「結果」で「因果関係」。たとえばどんなものがありますか?

藤代: 因果関係とは、雨が降ると傘が売れる、といったように二つの物事に繋がりがあることです。この場合、雨がやめば、傘が売れなくなります。そして「因果関係」と混同されがちなのが「相関関係」です。

J.K.:「相関関係」はどんなものでしょうか。

藤代:相関関係は、原因と結果に直接的な結びつきはないけど、連動性があるようなもの。例えば、スイカとアイスクリームの売り上げ、これら二つは共に夏に売れるという連動性がありますが、因果関係はなく、単に同時進行しているだけ。雨が降ると傘が売れるという関係のように、どちらかが原因でどちらかが結果ではないので、このようなものを相関関係といいます。

J.K.:この違いはビジネスでは重要になりそうですよね。

藤代:

この因果関係と相関関係の違いは、マーケティングなどで重要な意味を持つほか、経済政策でも非常に重要です。ここで考えたいのが円安・株高の関係。一般的な説明では、円安になると日本企業の業績が回復するから、その結果として株価が上昇すると言われています。

しかしこれは少し疑わしい。例えば、日本以上に輸出企業の存在感の大きい韓国はウォン高になると、株高になっている。日本企業が円高で打撃を受けるのと同じく、ウォン高で韓国企業は打撃を受けますが、それでも韓国株は上がります。また15年くらい前の日本は円高と株高が同時進行していました。こうして考えると、円安になると株価が上がるという因果関係は疑っておいた方が良いでしょう。単に相関関係であるとみておいた方が無難だと思います。