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STORY

2018.03.10

レストラン「PATH」の共同オーナー/レストランパティシエの 後藤裕一さん

++ Introduction ++
「レストランパティシエ」は、パティシエとは少し違い、
日本だとパティシエ=お菓子屋さんというイメージが強いですが、
テイクアウトの商品をメインに扱うお菓子屋さんとは違って、
食事も出るレストランでデザートを主に作る職人がレストランパティシエ。
そこにパティシエがいて、デザート専門に作っている人がいるっていうことを
認識せずに食べていることが多いですが、本当は色々細分化されていることに
もう少し注目してもらいたく、レストランパティシエと名乗っているとのこと。

PATHで出しているクロワッサンの美味しさの秘密は、手動感覚のパイシーター。
手で伸ばして折っているような感覚で生地を重ねていっているので、
いい意味で手作業の不均一さが美味しさに繋がっているのだそう。
PATHの雰囲気はビストロぽいですが、朝もやっているスタイルのきっかけは、、、

『僕は元々フランスで働いていたんですけど、
その時に、メゾン・トロワグロっていうレストランは
ホテルも併設されていたんですね。
そこで朝食ビュッフェというのがパティシエが担当だったんですよ。
で、それもあって、直接お客さんが朝食を食べている姿を見て、
すごく喜んでくれてたんで、なんかこういう感覚を
日本に持って来れないかなぁとか、僕なりのアレンジをしたもので、
お客さんももっと喜んでもらえないかなぁ?っていう思いもあって、
で、PATHを一緒にやろうと言っている原とも話したときに、
原も旅をしているときに必ず朝食を食べるって言って、
そういう時間が大好きだっていう話で意気投合して、
じゃあ、PATHでは必ず朝食をやろうというところからお店作りは始まりました。』

PATHのメニューで、後藤さんが担当しているのは、
朝の焼き菓子とパンと夜のデザート。
今、メインのクロワッサン、焼き菓子のマドレーヌ、フィナンシェという
クラシックなものは通年やっていますが、
朝だと2週間に1回新しいデザートや焼き菓子を変えていて、
夜もなるべく1ヶ月に1回ぐらいは新しいデザートに変えられるように
しているとのこと。
レシピづくりは、フランス時代に作っていた思い入れのあるお菓子や、
仕事していたレストランで思い出深いものを作ったり、
小さい頃の思い出のお菓子を再現してみたり。
この間は、ミスタードーナツのフレンチクルーラーを作ってみたそう。
実際に自分で作ったらどうやって作るんだろうな?というところから作ってみたら、
とても美味しかったそう!
甘いものが苦手な人には、サラダっぽい感覚のデザートがおススメ。
フルーツをあまり甘くしすぎずにシャーベットにし、
野菜と果物を切ったものを合わせたり、
デザート用のドレッシングを作っているのだとか。
クスクスを使ったデザートもあり、クスクスをお湯ではなく、
カシスで採ったシロップで戻すとカシス味のクスクスができるので、
サラダっぽく食べられるデザートができるのだそう。


++ Until now ++
後藤さんは、大学を卒業してパティシエの修行をしますが、
そもそも、小学校の卒業文集に「コックさんになりたい」と書いていたそう。
そんなことは完全に忘れており、普通に大学で法学部に通っていました。
自分で将来何をやるかと考えたときに、
なんとなく、職人系の仕事は「天才」と呼ばれているような人しかなれないような
職業だと思っていて、普通に就職してサラリーマンかな?と思っていたとのこと。
キッカケは、大学の1年生、2年生になったとき、
デザインや芸術系の仕事に興味があったので、そういった方向に進めないかと思い、
メイクやデザインの専門学校も考えましたが、
ちょうどそのときバイトしてたのが、デパ地下のケーキ売り場。
そこでケーキを見ていて、「そういえば、昔コックになりたかったな」と
思い出したそう。食べ物をデザインするって面白いなと思い、
「大学行きながらでも、休みの日に研修に行かせてください!」
とお願いしたのが、「オテル・ドゥ・ミクニ」だったといいます。
シェフにお願いし、週に1回朝から晩まで研修に行って、それを1年間続けて、
そしたら「入ってもいいよ」と言われたので、直接入ったとのこと。

本当にキツかったそうですが、逆にキツかったので、
「これで辞めたらちょっと情けない…」という思いが出てきて、
それが続ける原動力になったそう。
そこから縁があって、新宿の「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」で
働かせてもらうことに。
後藤さんも「いつかフランスで働けたらな」という思いがあったので、
一緒に働いていたフランス人シェフに、
「1年間新宿で頑張ったらフランス紹介してくれるか?」という話をしたら
「いいよー!」って簡単に言ってくれて、
1年ぐらい経った時に「そういえば、まだフランスに行きたいのか?」
と言ってくれて、紹介してもらい、渡仏したそう。

フランスで修行していたお店の場所は、リヨンから電車で1時間半ぐらいのところ。
当初は本当に掃除ぐらいしかすることがなく、
「どうしよっかなぁ・・・」と思いつつの毎日だったそう。
ただ、ちょうど後藤さんがフランスへ行った時に、
パティシエのセクションのシェフの前任者が辞め不在だったため、
3ヶ月間ぐらい掃除と仕込みをしていましたが、
その中でも、我慢できずにデザートの試作をして、
シェフに提案していたら、入って3ヶ月後ぐらいのある日に、
パティシエが全員集められ、
「今日からシェフパティシエは後藤になるから」と突然言われたとのこと。

トロワグロで学んだことでいまだに大事にしていることは、、、

『結局、トロワグロで僕が一番学んだことは、
技術というよりも精神的な考え方とか、
そういうフィロソフィーみたいなところにすごい感銘を受けて、
今、当主のミッシェル・トロワグロさんが3代目なんですけど、
ついこの間、ミシュランで三つ星50年獲ったんですね。
で、それはお父さん世代から受け継いできたもので、
お父さん世代から受け継いで行くっていうことに対して、
ただそれを繋いでいくっていうよりも、
変革していって、新しいものを作っていくって、
それこそが継承だっていうような考え方を持っていたので、僕も何も恐れずに
教わったことだけをやっていくのではなくて、
ちゃんと色々自分のフィルターを通しながら、
変えながら色んなことにチャレンジしていくっていう考え方が身につきましたね。』

++ Right now ++
日本とフランスの両方の働き方を経験した後藤さんからして、
日本の働き方については、しっかりしていると感じているそう。
特にトロワグロは家族経営だったので、
「まず生活と自分たちの人生があって、そこに仕事があるよね」
という考え方だったといいます。
日本は逆転の考え方が多いので、後藤さんもフランスで感じた良いことを
実践したいと思い、帰国したそう。
PATHもなるべく労働時間の調整や休日をしっかりとれるように、
PATHが朝から夜までやっているので、
朝は朝、夜は夜で朝チームと夜チームの2チーム制にし、
まずそこで1日の労働時間を減らして、定休日もしっかり作って休みをとる。
あと、夏と年末年始に長期休みをとって、
少しでも連休をとれるようにしているとのこと。

ちなみに今、後藤さんが一番行きたいところはペルー。
仲の良いシェフが良くアマゾンやペルーに行っており、
話をずっと聞いていたら、好奇心をくすぐられ、
行きたい思いがふつふつと出てきて、実際に今年の夏に行く予定なんだそう。

あと、今まであまり公表していない趣味としては、漫画!
今は、歴史系の漫画や、ファンタジーが入っているものも読むとのことで、
キングダムやMOONLIGHT MILEなど、
少し現実が混ざっているものが好きとのこと。
あとはグルメ漫画も好きで、料理人になる前からグルメ系は読んでおり、
「美味しんぼ」は1巻から読んでいたのだとか。
後藤さんの料理知識の半分ぐらいが「美味しんぼ」なんじゃないか(笑)
とおっしゃっていました。


++ From now on ++
今、PATHではパティシエに後藤さんがいて、
料理人の原さんがいて、ソムリエの方がいて…
各パートに色んなスペシャリストを配置しチームで働いていますが、
今度はPATHの外で、パティシエでチーム編成して何かをやっていきたいと
企てているとのこと。
自分たちでレシピを考案してレシピを提供したり、
店舗運営に限らず、もう少し料理人やパティシエの方も
頭でちゃんとお金が稼げるようになったら良いなと思っているそう。
具体的に言うと、テストキッチンのようなキッチンを作り、
そこで日々作るお菓子は店舗として売りつつ、
そこで新しいレシピやコンサルティングなどの仕事をこなしていくというような
状態にしたいのだとか。

『僕はレシピ本などが出すぎることは否定的で、
それは便利になっていることはすごい良いことだと思うんですけど、
若い子とか色んな人と働いていく上で、
なんとなくみんな想像力みたいなものが少なくなってきているのかな?
という思いがあって、なぜかというと、調べたらパッと
どういう作業しますという写真まで親切に載っているじゃないですか。
今までは写真も載っていない字だけのレシピをレシピ自体も見つからないのに
それで苦労して、仮に見つかったとしても、
「この文ってどういう風に解釈するんだろう?」とか、
「どうやってできるんだろう?」という思いを巡らせながら作るっていうのが、
ちゃんとした想像力を養って良いものを作るっていうことに
繋がっていた気がするんですけど、
なんとなくそこが抜け落ちちゃってるのかなという思いがあるんですよね。
レストランでも、レストランパティシエって言ってだいたいパティシエの人がいる
って話しましたけど、でも実際はレストランパティシエを置けてる
レストラン自体が少ないんですね。
なぜかというと、デザートのためだけに人1人を雇うという負担は
結構大きいんですよ。
だから逆に僕らがお手伝いに入って、人は雇わなくていいけど、
そこのレストランに合うデザートのレシピを考案するとか、
そういう動きができたら面白いかなという考えを持ってます。』

そして、今後の目標は、PATHはPATHでもっとより深みを増せるようにしつつ、
新しいパティシエのチームを作って、日本に拠点を置きつつ、
また海外で仕事ができるような形にしていきたいとのことです。

ON AIR LIST

  • THE WEEKEND(FUNK WAV REMIX) / SZA/CALVIN HARRIS
  • UN HOMME ET UNE FEMME / CLEMENTINE
  • MON AMOUR / BEN L’ONCLE SOUL
  • HAVANA / PENTATONIX

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