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STORY

2017.12.30

空想地図作家の今和泉隆行さん

++ Introduction ++
中村市(なごむるし)という架空の空想地図を作っている今和泉さん。
一見、普通に売っている地図の大きさと手書きではなく印刷してあるという、
かなりの精密さです。
なので、人に見せて「これは架空だ」と言っても信じてもらえないのだそう。
駅、お寺、コンビニエンスストア、カフェ、ファーストフード、番地など
すべて勝手に作り地図に入れ込んでいます。
中村市(なごむるし)は、人工150万人のイメージ。
地図の中で賑わっている部分が中心市街地で、そこの脇にある公園が
今は都市公園だけど、元々は城跡という城下町です。
中村市(なごむるし)の課題は城下町だったからこそ、
道路をあまり広げられなかったことで、
本当は中心街にある道路が広いと良かったのですが、隣の道路を幹線にして、
南方向と北方向の道が同じ道ではないので、初めての人だと運転しにくい、、、
という架空の街になります。

空想地図を描くときに最初に始めた作業は、
自分がここの駅で降りたら、こんな風景が見えるだろうとか、
あるいは、ここに住んでいたらこうなっているだろうという風景の断片を
風景画ではなくイメージしたものを地図で描いていったそう。
昔は、「アートなのでは?」と言われても、
「そんなことない!」と言い張っていたようですが、
最近は美術館で、現代美術作家として展示をしていることもあるので、
「アート」と言われて否定できなくなっているのだとか。

今和泉さんの住みたい街として描いている地図ではわないのは、、、

『だいたい小学校のうちか、中学校の前半ぐらいで、
自分の好きなものを作るっていうフェーズを終えるんですよ。
なぜかと言うと、だいたい自分が好きなものはわかってくるんです。
例えば、中学生ぐらいの私だと、やたら路面電車を通したがったり、
そういう自分が何を望むかっていう思考がだんだんわかってきて、
パターンが見えてくるんです。
ところが、それから先が面白くて、自分じゃない誰かになりきるということが、
好奇心がずっと終わりを見せず、まだわかんない!まだわかんない!
っていうのが続いて行くんです。』

「空想地図作家」は職業ではないのですが、
一番空想地図に近い仕事だと、一昨年のNHKドラマ「64(ロクヨン)」。
架空の県で展開される刑事ドラマなんですが、
刑事が地図を持って、「今、犯人がどこに行けって指示している」!
というものを地図で追いかけていく話なんですが、
でも、架空の県なので、地図も架空のものを作る必要があり依頼されたとのこと。
そういった地図の依頼が年に1回ぐらいあるのだそう。
ロケ地の写真と住所をもらって、その風景と相互のないように地図を作っていく…。
気が遠くなるような作業に感じますが、
今和泉さんは普段からおこなっている作業なので、さほど大変には感じなかったとか。


++ Until now ++
今和泉さんが架空の地図を書き始めたのは7、8歳の頃。
中村市(なごむるし)を手がけ始めたのは、12際の時からで、
現在32歳なので20年かけて大きくしてきました。

『進化というか、自分自身の描き方というか、
街を見る目、そういうものがだんだんマシになっていって、
リアリティが追求できるようになりましたけど。』

本物の街の地図を描きたいと思ったことはなく、
本物の街はすでに優秀な地図があるので、
ただ描いても劣化コピーになってしまうと思っているそう。

周りの反応は、小学校の頃は「なんか変わっているね」ぐらいだったけど、
だんだん大学の後半ぐらいから反応が良くなっていって、
「なんだこれ、すごいぞ?!」となってから、架空の地図の人として広まったとのこと。
世の中に広まったキッカケは、
たまたま知り合いの知り合いにイベントをするという方がいて、
イベント後に地図を見せたら、twitterで「なんだこれは・・・」
とその方がつぶやかれたことで、知られるようになったのだとか。
元々は、仕事にならないと思っていたので、最初サラリーマンを始めた時は、
全く関係の無いIT企業に就いたのだそう。
そして、ここ数年でずっと温めてきたものが職に繋がったのだそう。
また、地図など同じ趣味、近い思考の人たちよりも、
アートやデザイン、ベンチャーのビジネス、研究者など、遠くの人たちの方が
反応してくれることに気づいたといいます。

『私は、地理好きの中では、極めて現代社会寄りなんですよね。
現代の世俗というか人々を追いかけているので、
人によっては例えば地形を見ちゃう人、歴史的な遺産を見る人がいますけど、
私はどちらかというと現代なので、例えば、地方に行って白いビルを見たときに、
「これは元ダイエーかな?」とか、元ダイエーってことは潰れた要因が
地図を見るとどこかに郊外のショッピングセンターがあるはずで、
それが出来たタイミングでその周辺にどんな変化が起きて…っていうことを予想すると
そっちまで行ってみよう思って行ってみたりとか。
変な話、地図の簡単な見方って、色と文字が多く集まっているところに人が沢山いて、
色と文字があまりないところに人がいないだけの絵なので、
全然地図を読み解くのが苦手な方でもそれだけ押さえて見ていただくと、
人が多いところがなんとなくわかると思うんです。
そうすると、「なんで人が多いのか?人が多いココとココって何が違うのか?」
って見ていったときに
こっちにはこれがあるけど、こっちにはこれがないぞ!なんでだろう?みたいな、
そこから読み解けていくことが多いんじゃないんでしょうか?』

++ Right now ++
今和泉さんが地図を作っている時間はすごく短くて、
1年ぐらい置くこともあるのだそう。
誰かに頼まれていることではないので、急ぐことなく、
先に誰かに頼まれていることをやってしまうのだとか。
ただ、誰かに頼まれ事をしていても、それを無視してでも作りたい!という
エネルギーが湧いているときがあり、そのときにかなりの勢いで進むのだそう。
それが地図だけでなく、空想都市内の落とし物というものを今回作ったそう。
保険証や銀行のキャッシュカード、レシートなどになるのですが、
これを作ることが、しいて言えばオフなのかも…とおっしゃられていました。
なので、人から頼まれていないのに「何か作ってしまおう!」という衝動が
生まれたときが今和泉さんにとってオフなのだとか。
そして、そんな中で一番長く続いているのが空想地図なんだといいます。


++ From now on ++
中村市(なごむるし)は今まで埋まっていなかった部分があったのですが、
今回、一応印刷出来る部分は全部埋めたので、
飽き性の今和泉さんは次に行こうと決めているそうです。
次に作ろうと思っている地図は、首都。
中村市(なごむるし)が千葉市やさいたま市のような首都圏郊外の中心地なので、
今回は東京のような首都を作りたいと思っているとのこと。
その次は、また地方都市を作りたいと思い描いているのだとか。
いかんせん、今和泉さんの気分がどう乗るか次第なので、
こればかりはわからないのだそう。

地図好きとして、デジタルなど地図の進化については今和泉さんは…

『地図そのものでいうと、例えば国土地理院がデータを作って、
そのデータのまま、みんなが使えるようになってきたりだとか、
研究者とか趣味者は地図の使える範囲はものすごく広がっていくと思います。
ただ、多くの人はそれこそ検索で、乗り換え案内のように小さいスマホの中から
最適な結果を見るだけなので、例えば紙の地図を広げて全体を見るっていう機会は
逆に減っていくと思うので、すごい狭い範囲の目的地とその経路っていうのだけを
見る人と、色んなデータと色んな可能性を追求している人の差が広がっていくのだと
思うんですけど。広がるのはしょうがないと思うので、橋渡しというか、
逆に言うと、乗り換え検索のようにしか使えない人に
どうやったら、色んな場所の情報だとか色んな情報重ね合わせて見せてくることを
面白く価値のある情報として届けるかっていうことが将来的にできればいいなと。』


空想都市へ行こう! / 地理人が、空想都市を詳細地図で描く。

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