DAIWA HOUSE Secret Notes

2018/01/17

名曲ANNIVERSARY-3-

一昨日は300年前、昨日は200年前に作られた曲を取りあげましたが、
今日は150年前の作品です。
ドイツ・ロマン派を代表するオペラ作曲家、
リヒャルト・ワーグナーによって1868年に初演された
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」。

ワーグナー: 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」

この楽劇は、神話のようなストーリーの多い
ワーグナー作品の中にあって、史実を基にしていること、
そして喜劇であることなど、ちょっと違った雰囲気を持っています。

マイスタージンガーとは、靴屋、毛皮屋、金細工師といった、
職人の親方のこと。
ニュルンベルクでは、親方たちが酒場で歌合戦をする伝統があり、
ワーグナー自身、その場に居合わせて、作品を思いついたそうです。

でも、最初は軽い喜劇くらいにと思っていたら、
どんどんアイデアが膨らみ、最後は「人間と芸術」礼賛、
4時間半を超える大作になってしまいました。

この作品に関わっていた1861年から67年頃、
公私共に大変な時期にあったワーグナー。
パリに進出したものの、オペラが不評で大借金。
これはバイエルン王に救われますが
その王から、今度は街を追い出されます。

さらに、妻ミンナが病死したり、弟子のビューローの妻で、
リストの娘コジマとの間に2人目の子供が生まれたりと、
まさに山あり谷あり。
そんな経緯を経て、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、
1868年6月21日にビューローの指揮で初演され、大成功を収めました。

「市民劇」の流れをくむこの作品は、ドイツの市民階級が支持。
スペインではクーデターで女王がフランスに亡命。
ちなみに、1868年の日本は、明治維新の年。
ヨーロッパも日本も、市民の時代に入った頃でした。

西村由紀江 (ピアニスト/作曲家)

幼少より音楽の才能を認められ、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジ ア諸国への演奏旅行に参加し、絶賛を博す。
桐朋学園大学ピアノ科に入学と同時にデビュー。
年間60本を超えるコンサートで、全国各地を訪れる傍ら、ライフワークとして「学校コンサート」や「病院コンサート」も行っている。

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