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ON AIR 2008/02/10「本物の思考力って何ですか?」
▲Guest
渡辺健介(わたなべけんすけ)
『世界一やさしい問題解決の授業』著者

中学2年からアメリカの学校に学び、イェール大学を卒業後、世界有数のビジネスコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー東京オフィスに入社。ハーバード・ビジネススクールを経て、「マッキンゼー・アンド・カンパニー」ニューヨークオフィスに勤務。
マッキンゼーを退社後、デルタスタジオを設立。2007年6月にマッキンゼーで学んだ問題解決の考え方を中高生にもわかるように解説した『世界一やさしい問題解決の授業』を出版。「本物の考え方が1時間で身につく」と中高生だけでなくビジネスマンまで大ヒット。

デルタスタジオ
http://www.delta-movement.com/
▲Summary
本物の思考力って何ですか?
【日本とアメリカの違い】

岡田「最初から大きな質問をしますけど、アメリカってどうゆう国ですか?」
渡辺「難しい質問だね(笑)」
岡田「大きなところから(笑)あの、やっぱり中2まで日本に居て、それからアメリカに渡ったわけじゃないですか。何もかも違いました?教育とか。教えている内容や教え方が全部変わって行くわけじゃないですか。どうゆう風に変化していったのか」
渡辺「教育の前にどうゆう国かって言われると、まず最初に頭にパッて浮かぶのは、日本人より基本的には押しが強いので、自分が思っていることを言わないと、存在さえも認めてもらえないと。よく言われる事ですけど、そうゆうような所がやっぱりありますよね。自分の考えとかを相手にしっかり解るように言わなきゃだめだし。例えばここにピザが5つあるとするじゃないですか。そうすると日本だと必ず1つ残るでしょ?これがアメリカの場合は気付いたら全部無くなっていると(笑)解りやすく言うとこうゆう感じなんですよ。でもそれは向こうのルールなんでそれに従って主張していかないとダメだと。それは別に道徳観がどうって問題ではなくて、考え方の違いというかね。」
岡田「でも日本が特別っていうか、そうゆう国ですよね。世界的に見てもあんまり日本みたいな、ピザが1つ余るような国は無い」
渡辺「本当に少ないと思いますよ。日本ぐらいですよ。」
岡田「どう感じたのかなと思ったんですよ。アメリカに行って、日本が特殊だと思ったのか、アメリカが特殊だと思ったのか。」
渡辺「最初あまりにも両極で、要は日本的な美徳というのと、アメリカ的な美徳というのがあまりにも違った。しかも思春期の頃に行ったわけですね。僕が15歳の時に行ったから。そうすると色々考えるわけですよ。よく帰国子女というのは中途半端だと言われる。 じゃぁどうやったら日本の要素を保ちつつ、アメリカのいいところを組み込めるのか。その二つをくっつけたら、中途半端な人になっちゃうのか、それを超えた普遍的なものがあるのかみたいな事を考えながら、高校生活を送っていくわけですね。で、その頃は日本が特殊なのかアメリカが特殊なのか解らないけどとりあえず、本当に違う。この2つをどうやってうまくブレンドしていくか。みたいな事を考えていましたね。」


【問題解決との最初の出会い】

岡田「15歳くらいでアメリカに行って、どうすればいいかっていう事をもの凄く考えているじゃないですか。『世界一やさしい問題解決の授業』という本を出されましたよね。その当時、この基礎をやれているわけじゃないですか。」
渡辺「考え方が必ずしも出来てなかったと思いますけど、もがいたり自然と考えていたりするところもあったけど。問題解決との最初の出会いは何だったかというと、高校1年くらいの時の歴史の授業だったんですね。日本の教え方と違って、何年に何が起きたとか、その時の大統領は誰だったとか。まぁ要は暗記重視じゃないんです。例えば公民権活動でいうと、まずはいきなりドキュメンタリーから見せるわけです。そのドキュメンタリーというのは、白人が黒人に対してこん棒を振りつけている姿だとか、火をつけている姿とか、バスで後ろの席にしか座れないとか。そういった姿を見せるわけです。」
岡田「差別があることをドキュメンタリーとして見せると。」
渡辺「そうゆうことです。で、まず人の喜怒哀楽をぶらすわけです。そうすると、暗記だけじゃないから、みんな興味を持つんです。白人のKKKの世の中の見方だったり、黒人の世の中の見方とか色々紹介した上で、じゃぁそもそも人種差別はどうして起きるのだとか、これは人間の本能の問題なのか、環境の問題なのかとか、どうやったら変えられるのか何をすればいいのか。そうゆう議論をするわけです。議論をして論文を書いたりするんですけど、そうゆう様な授業をするんですね。で、やっぱりそこで初めて学問の重要性とか、考える力の重要性というのに気付いたわけなのですが、それがまぁ問題解決に興味を持ち始めたきっかけですよね。」
岡田「高校1年生の時に。でも今、それは日本でも問題になっていますよね。それを高1で気付かれたと。まぁ気付いたというか教え方がそうだったんですよね」
渡辺「まぁそうですね。そうとうな衝撃を受けましたけどね。例えば国語の授業で言うと、批判的思考、CRITICAL THINKINGと言われるやつですけど、例えば中学3年の時だったかな。巨匠が書いたような論文等で、文明の衝突が起きるか起きないとか、それに対してどう思っているのかとかテーマを使って巨匠が書いた論文に関して、そもそもこの人はどうゆう情報と論権に基づいてこう言っているのかと、まず理解させるわけです。理解させた上で、あなたは賛成するか反対するかって聞くわけです。それは僕にとって衝撃的で「なんで俺の意見なんて聞くんだ?80歳のおっちゃんが正しいに決まってるじゃないか。俺になんでそんな権利があるんだ?」って当時、日本教育を受けて育ってきた僕はそう思うわけです。でもそれに対しても常に自分が、そんな巨匠でも毎回正しいわけじゃないし、自分なりの価値観と、判断基準で何が正しいか何が間違っているかっていうことを考える能力が必要だと。で、批判するのであれば具体的に代案を出すのか、建設的な批判。単なる屁理屈ではなくて。」


【プレゼンテーションをする】

岡田「プレゼンをするっていう事って、子供の頃習ったのかな?と思ったんですけど」
渡辺「基本的に習います。僕は小学校の頃アメリカには居なかったんですけど、よく言われるのはアメリカでは幼稚園や小学校で、Show & Tellというのがあって、要は見せて伝えるっていう意味なんだけど、例えば幼稚園児に「あなたが1番好きなものは何ですか?」と先生が聞くんですね。で、生徒の前で自分が1番好きなものを持って来て、その説明をするっていう様な事を例えばするわけです。そうすると、ある子がクマのぬいぐるみを持って来て、「私はこのクマのぬいぐるみが1番好きです。何故好きかというと、お婆ちゃんが去年の誕生日にくれたんです。寝る時に抱えて一緒に寝ると、お化けが出ても恐くないから好きなんです。それ以外に最近寒いじゃないですか、これを抱いて寝ると暖かくて気持ちいいんです。」要は自分が好きな物に、何で?どうして好きなのかっていうのをやると、相手にうまく伝えられるような力っていうのを幼稚園や小学校からちょっとずつやっていくわけですね。で、どんどん高度なものをやっていけるようになるんですけど、まぁだから若い頃から自分の考えをまとめる力とか、それを相手に伝える力っていうのを練習しているということだと思います。」


【変化を起こすきっかけを与えたい】

岡田「渡辺さんが目指すところは「教育をしたい」のか「人格を作りたい」のか。どっちなのかな?って思ったんですけど。子供に物事を教えたいのか、考え方を教えたいのか、それとも人格を作りたいのか」
渡辺「やろうとしていることは、自分で描いているある人間像があって、そうゆう人達を育成する為にはどうゆう様な情報を与えて、どうゆう事を考えさせて、どうゆう事を実際やらせるべきなのかっていうようなプロデュースみたいな感じ。理想的な人間像ていうのは、人によって描くものが違うから押し付けずにそうゆう事をやるという事が重要だと思いますけど。やろうとしていることは、そうゆう人間を生み出し、育てる為にはどうすればいいのか。彼らの持っているものを引き出す為にはどうすればいいのかっていう観点だと思います。アショカ財団てご存知ですか?これは25年ぐらい前にアメリカ人が始めたんですけど、クリントンが最もノーベル平和賞を受賞すべきだと言っているおじさんがいるんですね。今63歳ぐらいなんですけど。その方に僕はお会いして議論したんですけど、彼が何をやっているかと言うと、世の中にはチェンジメーカーという人達が必要だと。チェンジメーカーというのは変化を起こす人たちの事ですよね。彼は25年前から、70カ国ぐらいの国々にいるチェンジメーカーを見つけて、その人たちのサポートをしていると。そのチェンジメーカーっていうのは色んなチェンジメーカーがいるんですけど、例えば環境問題を直すでもいいし、虐待されている子供達を救うでもいいし、何でもいいんです。そうゆう人達に対してお金を与えたりとか、実際彼は色んなネットワークを持っているので、政界や財界にいる人たちとくっ付けて世界を変化させようとしているわけです。彼も最近言っているのは世の中って皆が思っているよりも凄く危険な状況にあると。そういったチェンジメーカー達が沢山育ってこないと、世の中って結構危ない事になるんだよと。そうゆうような事を言っているわけですね。彼が言うには子供が12歳くらいの時に数学ができない国語ができないと同じレベルぐらいに、彼はチェンジメーカーの姿勢があるか無いかとか、チェンジメイクをする為の思考能力があるか無いかというような事を見ておかなくてはいけない。その段階でなかったら、35歳とかで急にそんなものが付くわけが無いと。それは、現状をそのまま受け入れるんじゃなくて、常に現状はいい方向に変えていけるんだというような自信や経験を持っている人を沢山育成しなければいけないと言っているわけですね。僕もそういったような事をやろうとしているんですけどね。トピックはなんでもいいけど、世の中でどうゆう問題が起きているだとか、要するにそういった社会議論にならなくてもいいんだけど、若いうちに自己実現が出来る為の情報を与えてあげたい。同時にその中で、何かの自分のテーマが見つかった時に、そこで影響を与えられるような、思考力であったり、人間力であったり、行動力であったりっていうのを、もっと言うならば、そうゆう人たちをどうやって育成するのかっていうのに興味があるんですね。あと、そうゆうような価値観として、カッコイイという風に見られるような社会にどうやってしていくかとかね」
岡田「言い方を変えると、世界を救う人を作りたいというわけですよね?」
渡辺「それはっちょっとね・・・あのー違う違うっ」
岡田「凄いですねぇ(笑)いや、勝手に思っただけですけど」
渡辺「さっきのおじさんはそうですよ(笑)さっきのおじさんは」
岡田「でも一緒の思いはあるわけですよね(笑)」
渡辺「そう、僕はもっと小粒なんでね。もっとかわいく小さいものなんですけど。そのおじさんは凄いの。もう25年間もやっているわけですからね。例えば今はそうゆう社会起業っていうのは流行ってきているけど、僕はそれが全てだとは思わないし、そうゆう所に、はしる人って少ないと思うし。要するにビジネスはビジネスでいいことやっているし、建築家は建築家でいいことやっていると思うし。僕の会社の名前はデルタスタジオっていうんですけど、このデルタって意味はチェンジ。変化って意味なんですけど。色んなデルタの起こし方があると。そうゆう価値観を広めようとしているんです。色んなデルタを起こす為のきっかけを与えますよと。」


【生きる中で重要な事】

岡田「渡辺さんにとって、生きるってなんですか?」
渡辺「(笑)また深い」
岡田「いやいや教育によって変わるのかなとか色々思うんですよね。生きるって人によって言い方があるだろうし、生き方を教えたいわけじゃないですか。人生問題山積みですよ。問題はそんな無くならないですよ。っていうことも言いたいわけじゃないですか。山ほどずっとあり続けるものだし、戦い続けるものだし。その問題の解決方法を教えるということは、生きるという事をどう捉えているのか・・・」
渡辺「深い(笑)今そうゆう風に聞かれてパッと思ったのは、重要なのは結局、例えば若い頃って将来的に「こうなるんじゃないかな。ああなったら嬉しいな。」って色々想像するじゃないですか。でも31歳くらいになってくると、変な意味じゃなくて、所詮ね、人生はこんなもんだと。すごい良い時も悪い時もこんなもんなんだと。それをそのまま捉えて楽しめるようになるというのが、生きる中で最も重要だと思うんですけど。それが1つ。もう1つは、人によって能力は違うし、色んな特技があるし、良い所悪い所あったりしますけど、自分をあるがままに受け止めてあげて、そのラインが100だろうが、10だろうが何でもいいですけど、そこから、ちょっとでもいいから自分が納得いく感じで進化していこうと。その進化するとか、成長するプロセスをそのまま受け入れて楽しむ。というような事が生きる。生きるってことじゃないけど、生きる中で重要だなと思いますけどね。」

▲Column
雰囲気の良い方でしたね。なんかこう、中に溜めている部分もあって、日本語で言うと『虎視眈々』ていう感じもするし、でもやりたいことも徐々にやっていこうっていう、プロセスというか、道しるべができているその思考力が、行動力人間力ということなんだろうと思うんですけど。面白かったですね。地球を救う人材を育てたいっていうのも、俺アニメの世界でしかそうゆうの見たことなかった(笑)そう思うってカッコイイと思ったし。僕も学校の先生になりたかったから、育てる側の人になりたいっていうのが凄くあって・・・。一緒に何かやってくれねぇかなって感じる、少し上だけど同世代のちょっと面白いなと思う人でした。是非、入り口ですけど、『世界一優しい問題解決の授業』の本、読んでみて下さい。



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