FUTURISM

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2018.12.16

ゲストは、株式会社コルク代表、編集者の佐渡島庸平さん。

「どうすれば、not aloneになれるのか?」

"佐渡島庸平" 流 コミュニティ論について伺いました。


クリエイター・エージェンシーの株式会社コルク公式サイト

コルクラボ


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SONG LIST

  • ただのともだち
    salyu x salyu
  • Don't Think Twice
    宇多田ヒカル
  • 薔薇と野獣(new ver.)
    Haruomi Hosono
  • Photograph
    エド・シーラン
編集者の佐渡島庸平さんにうかがった話を通じて見つけた、未来を創る鍵。
それは、
<自分の力を発揮するためにいつでも戻れる場所>

佐渡島さんは講談社に在籍時代、
『宇宙兄弟』『バガボンド』『ドラゴン桜』『働きマン』などの編集を担当。
2012年に退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。
著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、
ファンコミュニティ形成・運営などを行っています。

佐渡島さんは、著書『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.』で、
現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティについて論じています。

「We are lonely,but not alone(我々は孤独だが、一人ではない)」という宇宙兄弟のセリフがタイトルになっていますが、たくさんの人に囲まれていても、孤独にはなるのはなぜか。
どうすれば、not aloneになれるのか?

佐渡島流コミュニティ論をコルクオフィスで伺いました。

「この一週間、仕事以外で誰ともしゃべっていない、
 下手すると、メールでしかしゃべっていない、
 みたいな人が存在しだしちゃっている時代だなと思うんです。
 現代の問題点というのは、本当に一人になってしまう。
 一人でいることとどう向き合うかということが社会的課題になってきているなと。
 いままでは、教育とか、仕事をするとか、機能ごとにコミュニティが存在して、
 機能を果たすためにコミュニティに所属していました。
 そういうコミュニティとの関与が緩くてもよくなってきちゃっているので、
 一人にならないようにするために、趣味であったりだとか、
 論理的必然性がないコミュニティに所属していくことが重要になってきました」。

現代特有の孤独とコミュニティとの関わり方について、佐渡島さんは語ります。

「テクノロジーが生み出している変化は、様々なものをなめらかにしていると思うんです。
 たとえば、昔は出会い方も限られ、出会いや結婚がなめらかじゃなかったと思うんです。
 お見合いのように。男女がそれぞれ35億人もいるのに、
 職場や学校などでの出会いに限られていた中で、アプリのようなものを通じて、
 お互いのことを知ってから出会えるようになりました。先にオンラインでつながっておいて、
 どんな人かということがある程度分かっておいて、
 安心できる人とだけリアルで会うというように若い人は変わってきています。
 オンラインの方の友達は数千人、数万人いるんだけど、
 リアルで会う人は数百人というような人間関係ですね」。

リアルとオンラインの関係が逆になったことでなめらかな出会いが可能になり、
なめらかな関係をつくることができる。

人に限らず、商品やお店と出会う時にもインターネットの情報を介すことで、
モノとの出会いもなめらかになっています。

テクノロジーは、出会いや関係構築をなめらかにする円滑油。

「社会が不安定であればあるほど失敗が許容されにくくなります。
 何か失敗をしても、すべてを受け入れてくれる人が複数人いる居場所が、
 本当に挑戦できるきっかけになります」。

佐渡島さんが考えるこれからのコミュニティの鍵は、自分の力を発揮するためにいつでも戻れる場所。

孤独は良い意味での自律。
そして、孤立をせずに新しいコミュニティを持つ。
自律しあって頼りあう時代に。

小川 和也