FUTURISM

ON AIR DATE
2018.07.01

ゲストは、編集者/ライターの若林恵さん。

元WIRED日本版編集長、若林恵さんをゲストにお迎えし、
『IOT モノがパートナーになる社会』をテーマにお話伺いました。


若林恵『さよなら未来』発売中 (@k_sayonaramirai) | Twitter

FUTURISM813 (@futurism813) インスタグラムは こちら

SONG LIST

  • I Never Asked To Be
    Beth Orton & Chemical Brothers
  • Sedated
    Dorsal Fins
  • Native Dancer
    D.A.N.
  • Four Out Of Five
    Arctic Monkeys
雑誌『WIRED』日本版の元編集長で、テクノロジーが創る社会や文化の未来像を発信している若林恵さんとの話を通じて見つけた、未来を創る鍵。
それは、
<幸福をとるか、自由をとるか>

若林さんの著書『さよなら未来』。
若林さんは、なぜ未来にさよならをするのでしょうか。
「未来というコンセプト自体が20世紀的なものだなと。科学技術の進展が人間をよりよくしていくという、直線的な時間感覚で。時間はぐるぐる回るものだし、まっすぐ歩いていった先に輝かしい何かが待っているという考えを捨てないと、同じところで来ない未来を待っているようなもの。直線的な未来へのある種の否定ですね」というのがその真意。

「未来とテクノロジーが必ずセットというのも変な話なんですよね。未来をテクノロジー抜きで考えてみたっていい。北欧に行ったら、トイレがジェンダーフリーなんですよ。そういうことなんですよ、未来って。20年後の公衆トイレは男女の性差がないでしょうし、その方がよっぽど未来を感じるんです」。
若林さんは決して未来に否定的なわけではなく、未来の本質を見つめています。

IoT(Internet of Things)はモノのインターネット化で、2020年には約300億個のモノがインターネットにつながり、新しい価値を持つと考えられています。
身近なところでは、スマートスピーカーやウオッチ、ロボット掃除機、はたまた工場の機器まで、IoTが具現化しています。

若林さんは、IoTの未来をどのように捉えているのでしょうか。
「そもそもインターネットのリスクが大きくなっています。GDPR(EU一般データ保護規則)を象徴に、個人のデータ保護が厳格になる流れにあります。IoTはモノとして共生するというよりも、背後にネットワークがあり、それを考えることが重要で。買ってしまえば自分のモノだったのが、常時接続しているからそういうモノではなくなってしまうんですね。幸福をとるか、自由をとるか。そんな側面はありますね」。

幸福と自由はトレードオフみたいなところもあるけれど、できれば両立させたい。

「未来はいいから希望を語れ」。
これが若林さんからの強いメッセージ。

希望を感じることを積み上げる。
テクノロジーはあくまでもその手段。
その先にこそ、幸福も自由もある未来が待っている。
そう思います。

小川 和也