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2017.10.06

第10回ゲスト:松浦弥太郎(エッセイスト)

今週は「くらしのきほん」主宰。
エッセイストの松浦 弥太郎さんを迎えてのトークセッション。

<人生の豊かさ>

Licaxxx:「くらしのきほん」読ませていただいています。見ていてほっこりするし、マネしたくなるようなライフスタイルがのっていて、見てるうちに次のごはんなんだろうって(笑)

松浦:いろいろなコンテンツを作っているんですけど、くらしと食事・・・食べることは1日3回あるし、非常に大切なことだし、いろいろあっても自分なりのおいしくたべる工夫って大事だと思っていて、コンテンツとして中心になっているのは料理なんですが、料理をたのしもうとか、おいしくつくろうとか、見るだけでもいいんですが、それがきっと何かの役に立つんじゃないかなと思っています。

Licaxxx:お写真を見ていても、きれいにきっちり撮られているな、っていう印象があるんですけど、プロフィールに正直、親切、笑顔、今日も丁寧にとあるんですが、こういった心情みたいなのはいつぐらいから持とうと思ったんですか?

松浦:子供の頃から大人になるまで学校や会社などに所属するのがすごく苦手で、ルールなどいちいち考えてしまうので、常に一人で何かをしようってことばかり考えていたんですけど、一人ってすごく自由じゃないですか、かといっていつもラクなことばかり選べばいいっていうのは違う気がしていて、何か自分の中で心情というか、ちょっと頑張るというか、何に一生懸命になるか、きめておかなければいけないな、って思ったときに、できてないけれど、一生懸命にやるっていう意味で、正直、親切、笑顔、今日も丁寧にっていうのを、なんとなくいつも指差し確認しているような感じなんですよね。ほとんどできていないけれど、立ち返るというか、自分の基本はここだなっていうのは、日々考えたり、思い返したりしていますね。自分の生活が乱れても、でもやっぱりどっかで戻る場所が必要なので、僕の中では、正直、親切、笑顔、今日も丁寧にみたいなところに、がんばってもどろうという感じなので、そこから離れたり、戻ったりの毎日です。お守りみたいな感じですね。自分がこうしたい、あーしたいって思っていることってほとんどできなくて、でも悩んだり、ショックになったりすることで、何かを学んだり、人の弱さがわかったり・・・そういうことだと思うので、できてないってことが悪いわけじゃないんだなって思うし、できてないから、楽しみや成長があるんだなって思いますね。
<価値観のアップデート>

Licaxxx:サイトを読んでいて、全体的に人にやさしいのかなっていうのがあって、、、

松浦:やさしいというか・・・自分自身がデリケートというか・・・なので、自分だったらこういうものが発信させていたらどう思うか、とか、自分だったらどう受け取るか、とか、すごくきになるんですよね。何かを更新したりしてもハラハラドキドキしますね。これを読んだ人が嫌な思いしてないかな、とか・・・メディアをもっていると常々ついてまわることなんですけど、そこは神経質になってしまうところでもありますし、できるだけ、その先にいる人が必ずいて、今の世の中は疲れていて、何かに困っていたり、背負ったりしているので、そこはいつもイメージしたいなっていうのがあり、それが親切だと思うんです。親切さは忘れないでいたいな、って思っています。

Licaxxx:丁寧の所以はコミュニケーションが丁寧っていう・・・

松浦:そうですね。人とのコミュニケーションもそうだし、物や世の中の空気感みたいなものとのコミュニケーションかもしれないし、いろんなものとのコミュニケーションを丁寧っていうか、親切とか、思いやりって言葉もなかなか難しいんだけど、自分が想像力を働かせるところはそこかな・・・

Licaxxx:だからより見ている側も身近に感じているし、身近なんだけど、手が届きそうで届かないものもあって、そこが魅力かなって・・・

松浦:僕が発信していることって矛盾だらけだと思うし、不完全だとおもうんですけど、それを整えちゃうと逆におっしゃっていただいたような距離ができたり、読んでいても真実味がないっていうか、正直っていうのもそうなんだけど、できるだけ、自分が人に話すように、そういうスタンスでメディアをつくったり記事を書いたりしていますね。
<インプット>
Licaxxx:インプットはどうされていますか?

松浦:今の時代はインターネットもあるんで、何か情報を得るのもありますが、それと同じくらい自分が好奇心をもってどっかにでかけたり、旅行に行ったり、人にあったりっていうのはすごく大事な気がしていて、気になったことは自分で確かめる、なんらかの方法で・・・もちろんインターネットで下準備をして、そこにでかけたり、手に入れたり、やってみたり、そういうバランス感覚が今の時代必要な気がしていて。僕はそこのフットワークはできるだけ軽くしていたいっていうかライフスタイルの中では、インプットは優先度が高いのかなって。インプットってすごく楽しいことを自分にしているって感じですね。役立たないこともたくさんありますけど。大事なことはインプットで情報じゃなくて、感動だと思うので。感動を収集している感じですね。

Licaxxx:自分の中で、物を買ったりすると思うんですが、いいなって思う基準ってありますか?

松浦:手作りですかね。手で作った感じがどっかに見えていたり、感じるものっていいなって思っていて、なんで手作りさせているものがいいかなって思うと、物って必ず壊れるものだと思うし、こわれないものってへんだなって思うんですよ。壊れたときに手で作ったものであれば手で直せるし、物を手に入れて使っていて、壊れたときに、自分や技術をもっている人が手で直してくれると、壊れたものを直してもらうと、そのものをより一層好きになって関係性が深まるじゃないですか。そういうのが僕にとってはすごくうれしいことで。わざわざ壊したりはしませんが笑。だから手作りされているものが好きだし、絶対完璧っていうものよりもどちらかと不完全なものが好きで、それは人も一緒で、仲悪くなったりケンカしたりするけれどでもそれを修復して初めて繋がるものってあるじゃないですか。そこがうれしかったりするので、物や人も直せたらうれしいなっていうのが先にあるんで、そういう素朴なものがすきなのかなって思いますね。
<松浦弥太郎のstyle>
 自分が目指したくてこうありたいなってことなんですが・・・一言で言うと

 シンプル

 ですかね。だからシンプルとは何かっていうことをもう一度ちゃんと自分で考えて、
 自分なりのシンプルをぼんやりじゃなくて、
 できるだけ具体的に言語化して人とシェアしたり発信できるといいなって思っています。
<松浦弥太郎さんを迎えて>
 正直、いろんなメディアを見ている中で、弥太郎さんの普段のライフスタイルが切り取られている部分が本当に多いので、一体どんな生活を送っているんだろうって思っていて。いつも部屋がきれいでお食事が美味しそうで謎に包まれているなって思っていたんですけど、もちろんそういうわけではなくて、いろんな時がある中で、自分が見て欲しいな、聞いて欲しいなっていう時をきれいに切り出していて、そこに嘘がないから、近い距離感というか、真似したくなるな、とか、いいな、きになっているなっていう部分が多くなるんだなって思いました。