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2016.03.26

特別展 
生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠

今週は、上野の東京国立博物館 平成館で開催中、特別展 生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠に注目しました!

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重要文化財 湖畔 黒田清輝 
1897年(明治30)  カンヴァス、油彩 69.0×84.7cm
東京国立博物館蔵 
黒田清輝は日本美術の近代化のために力を尽くした画家。1866年、鹿児島に生まれ、父親は島津藩の武士という恵まれた環境で育ちます。
その後、18歳になる時に法律を勉強するためにフランスに留学。しかし、現地で「絵」の世界に魅了され、自分は検事や弁護士に向かないと悟り方向転換。師匠となるラファエル・コランや、同時代のフランス絵画に刺激を受けながら、フランスの官設展覧会、サロンに入選を果たします。
27歳の時に帰国。日本に戻ってからは、東京美術学校、現在の東京芸術大学で、西洋画の先生をつとめたり、日本で初めての官立美術展・文展の設立と審査に携わったりと精力的に活動。世界に評価される油彩画を日本で生み出そう、「絵」を通して日本の社会を変えていこうと努力を続けた画家でもあります。

今回は、そんな黒田清輝の生誕150年を記念した展覧会です。

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読書 黒田清輝 1891年(明治24)  
カンヴァス、油彩 98.2×78.8cm
東京国立博物館蔵
会場は3つの章にわかれています。第一章はフランスでの絵画修行時代、第二章は日本洋画を模索した時代、第三章は日本洋画のアカデミズム形成の時代。順をおって見て行くと、黒田清輝が、いかにして日本洋画を国際的に認められるものにしようと、苦闘しながら制作を続けてきたのかということがわかります。

「『絵』でもって社会を変えますという芸術家はおそらく今いません。そういうことが不可能だと思っている人もいるかもしれないし、自分の表現、やりたいことをやるのが芸術家だ、そういう考えの人が圧倒的に多いと思うんですね。それを言う人達とはまったく違う考えで黒田は『絵』を描いている人なんです。その為に本当にフランスでサロンに入選し、世界的にデビューしているわけです。そういう人が日本に戻ってきた時に、日本の社会っていうのは、簡単にいうとそういう時代の西洋から比べると、数十年、40年、50年っていわれるくらい落差がある。社会的な価値観とか世界観が全然日本と違う。ぶっちゃけて言いますと、黒田清輝より上手い人はいっぱいいます。そういう人達がどういった行動をしたかと言うと、自分たちの作品を残してきた、で、黒田も、みなさん知っているように『湖畔』とか、そういった代表作は残しているのですが、日本の文化を高いレベルまで導こうというのを、絵でなんとかしたい、そういった苦心とか苦闘とかいうのも実は絵から感じとって頂けると思います。」

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梅林 黒田清輝 1924年(大正13)
板、油彩 25.9×34.8cm 東京国立博物館蔵
会場には、重要文化財にもなっている「湖畔」をはじめ、「読書」「婦人像」「舞妓」裸婦を描いた作品。また、黒田の師匠、ラファエル・コランの作品から、モネ、ミレーなど、同時期の印象派の作品、そして、浅井忠や青木繁などの作品など、およそ240件によって構成されています。

なかでも、今回しか見ることができない、とっておきの演出が施された作品がこちら!

「会場の最後に『智・感・情』っていう3枚セットの裸体像、裸婦像があって。この作品は背景が無背景。背景がなくて裸体像を描いているっていうのは、これは私の不勉強かもしれませんがほぼない形式なんですね。で、3人の姿を描いているのですが、それぞれ不思議なポーズをとっている。このポーズの意味は当時も見る人を戸惑わせていましたし、現代も何を意味するのかわかっていないんですね。実は西洋絵画での一番の根幹、目標は、人体を用いて何らかの観念、概念、意味合いを表そうというのが目標になっていたのですが、それを目指した本当に、簡単にいうとオリジナリティの塊のような作品、不思議な魅力的な作品なんですね。」

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重要文化財 智・感・情 黒田清輝 
1899年(明治32) カンヴァス、油彩 各180.6×99.8cm
東京国立博物館蔵
特別展 生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠
会場:東京国立博物館 平成館
会期:3月23日(水) → 5月15日(日)
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