2014/11/7 自由大学の Hidden Story

今週は、自由に生きる大人のための学びの場、今年、開校から5周年を迎えた「自由大学」のHidden Story。


今から5年前の春に開校した「自由大学」。
それは、どんな場所なのか?
自由大学の和泉里佳さんに教えていただきました。



そもそも、自由大学の母体になっているスクーリングパッドという学校がありまして、その学校は、デザイン・コミュニケーションですとか、レストラン・ビジネス、農業、映画ビジネスの分野で起業をしたい人向けのスクールとして2005年に始まったんですが、そのスクーリングパッドをやっていくなかで、デザイン・コミュニケーションの卒業生が中心となって、もっといろんなテーマで、いろんな人が先生になって教えあったり学びあったりするような、そういう学校ができたら面白いんじゃないかということで始まったのが自由大学。

平日の夜お仕事が終わったあとですとか、週末の時間を使って、学ぶということなんですが、いわゆる学校法人や大学といったものではなく、もともと学びたいテーマに詳しい先生を呼んできて学びあうような、そういう市民大学とか大学の起源に近いようなスタイルでこの学校を運営しています。

これまでは、世田谷ものづくり学校をメインキャンパスに講義をおこなってきた「自由大学」。

講義のラインナップは、実に多彩です。
例えば、「アプリクリエイター道場」、「未来を歩く姿勢学」、「おうちパーティ学」、「自分の本をつくる方法」、「神社学」、そして、「東北復興学」。

こうした内容、どうやって決めているのかというと……

いわゆる教育というのは、「誰かこういう人材を育てたい」ということで、「こういうカリキュラムで1歩ずつ登って」というイメージだと思うんですけど、私たちがやっているのは教育ではないので、こんなことが学びたいというテーマがあって、教授がそれを教える人、そしてキュレーターと呼んでいる人がいるんですけど、その人が学びを組み立てて、学びの状況を作っている、というキュレーターという役割を置いていて、そのキュレーターが、どんな人にどんな話をしてもらうのか、それは、どんな意味があるのか、というストーリーをつくるキュレーターがいるんですが、キュレーターが増えてきたことでいろんな学びの切り口が増えてきた、ということがありますね。

この「キュレーター」の存在が、重要でした。

当日、講義のなかでちょっと流れを作ったリだとか、受講生同士、横のつながりって結構面白いことになったりするので、コミュニケーションを促進するような仕掛けを考えて実行したりだとか、それでまたキュレーターがいることで、教える人と学ぶ人と企てる人という三角関係ができるので上下関係にならないというか、そこでまたフラットな関係性ができるというのもまたいいところだったりするんです。

2009年に開校した自由大学。 それから2年後、東日本大震災の発生により、講義の内容について、立ち止まって、もう一度考えることになりました。

やっぱりウェブサイトのアクセスもガーッとなくなったし、みんな来る人も暮らしに精一杯というときに、何を大切にするのかというのが自然と浮き出てきた。

そうすると、もっと自由に生きていくためには、自分の頭で考えるとか、自分で切り開く力を養っていくとか、そういうために上から押し付けるのではなく、自発的に自分が行動したくなるような、そういう衝動があるような、そういうエネルギーが沸いてくるような学びの場を作っていこう。というふうに固まってきて。

自由大学。もうひとつの特徴は、受講生がみんな、「学びたい」という想いを共有しているので「つながり」が生まれやすいこと。

参加者同士は、本当に何かひとつのテーマで「学びたい」という衝動で来ているので、そのキーワードでどんどん話が盛り上がっていくという感じもあります。

例えば、靴磨きの講義とかあるんですが、まず靴が好きとかという話でパッと盛りあがったり、磨きながらどうしたら光るかとか、具体的に話しているとどんどん楽しくなっている状況があります。

それでこの時期、一期生で学んだ人、二期三期と同じテーマでやっていくと仲間も増えていって、そこでまた同窓会したり、学んだことをきっかけに一緒に行動する仲間が増えている、という状況が巻き起こっています。

開校から5年。
和泉里佳さんは、自由大学の これまでとこれからについて、こう語ります。

すごく自由で、いい学びの場だと思います。

ここに来て何かしらちょっと自由になって、みんなここをジャンプ台に飛び立っているという状況が起きているのが嬉しいですし、これからも、もっとそうなっていけるといいなと思っています。

何かを学ぶことは、ちょっと 自由になること。
そして、何かを学ぶことで、仲間も増える。
表参道に学びの場を移し、自由大学の 自由な講義が続きます。


世田谷ものづくり学校から、表参道に、キャンパスが移転します。
来週末、表参道駅からすぐの場所に、その新キャンパスがオープン予定、ということ。
また、今月29日には、学園祭もおこなわれるそうで、こちらは、どなたでも参加可能となっています。

自由大学