2014/7/11 アフリカの花屋の Hidden Story

今週は、アフリカ、ケニアのバラを輸入販売するショップ、その名も「アフリカの花屋」を主宰する萩生田愛さんの Hidden Story。
アフリカの花屋

現在、「アフリカの花屋」として、ケニアのバラを販売する萩生田愛さんですが、「自分がお花屋さんになるとは 思っていなかった」と言います。萩生田さんはアメリカの大学を卒業後、帰国して製薬会社に入りました。

順風満帆というか、上司もイケメンでしたし、同僚や先輩、後輩も素敵な方ばかりで、美味しいものを毎日食べたり、生け花を習ったり、ワインを飲んだり、海外出張もよく行ったり、本当に楽しい生活でした。

しかし、ある時「アフリカへ 何億錠もの薬を無償提供する」というプロジェクトに参加。
ある記憶が蘇りました。

もともと大学で国際関係学を専攻した時に、授業の一環で参加した「模擬国連」というプロジェクトがありまして、それに参加した時に「1日1ドル以下で暮らしている人が日本の人口と同じ位いる」という事に強い衝撃を受けまして、「いつかはアフリカに行って、どんな支援が出来るのかを自分なりに考えてみたい」と思ったことがありました。

順調だった仕事でしたが、萩生田さんは、退職。
アフリカ、ケニア行きを決断します。

覚悟を決めて行かないと「結局、何も学ばずに帰ってきてしまう」というのが怖かったので、帰ってくるドアをクローズして、覚悟を決めて行くことを選びました。

色々なオプションがあった中で、私はNGOという道を選びまして、現地で15年くらい活動しているNGOに応募して、ご縁をいただいて入りました。

ディレクター:携わってみてどうでしたか?

もともと、先進国……我々が開発途上国に対して援助をしていると思うんですけど、「それが本当に必要なのか」「その支援が必要な方法で届いているのか」というのを自分の目で確かめたかったので。

で、実際行ってみて、支援の方法というのが、援助という上から下に物資やお金を与えるというやり方もあるんですけど、私はそうではない関わり方で、ビジネスでサステナブルに一緒に成長できる方法が私にはあってるんじゃないかな?という発見がありました。

そして、ここで、バラとの出会いが訪れます。

ケニアの6カ月のプロジェクトが終わって、いよいよ帰国というときに、もともと花が好きで生け花の師範の免許は持っているんですね。

で、思い出してみれば初めてケニアに行ってナイロビのお花屋さんに行ったときに、ナイロビのお花屋さんって本当に簡易的で、パラソルに穴はあいているし、バケツも道路が舗装されていないので、スス汚れているし、キレイとは言えない簡易型の小さなお花屋さんなんですね。

でも、そこに生けてあるお花が、すごく鮮やかでキレイで息をのんだんです。

その飾ってあるバラのグラデーション。
それを見たときに、日本のバラとはまったく違うという印象があって。

私が抱いているアフリカの印象、パワフルで生命力があって元気。
そのキーワードとバラの持っている特徴がマッチして、それでどんどん魅了されていきました。

ケニアのバラは、主な輸出先がヨーロッパであるため、日本ではそれほど知られていませんでした。
萩生田愛さんは、「アフリカの花屋」としてバラを日本に紹介することを決めました。
バラを提供してくれる農家さんも何とか見つかりました。

ナイバシャ湖という湖がケニアがありまして、そこに広大な敷地で何百というバラ農家があって、その中の1つですね。

過酷な環境で従業員が働いていないかとか、チャイルド・レイバーといわれる子どもが働いていないか、地域への環境汚染がないかっていう基本的なところを確認して、その上で小ロットでも輸出してくれるということだったので。

今は、月に1回、ケニアからバラが届きます。
深夜の羽田空港で、萩生田さん自らがピックアップしてすぐに配送作業に入ります。
6月の金曜日、目白でバラの仕分け作業が行われていました。

夜中の3時にこちらに到着したんですけど、それからこの何千本というバラの水あげ、ブーケを作って箱に詰めて伝票を貼って配送業者さんが取りにきて、という流れでやってます。

これが、マリクレールという品種で、オレンジと黄色のグラデーションがとても印象的な珍しい模様ですね。これは私にとって思い出の花で、ナイロビのお花屋さんに初めて行ったときに、このグラデーションが目にとまって、こんなバラ見たことがない、美しいバラだなと思って、これがケニアのバラを輸入することになったきっかけのバラですね。

「アフリカの花屋」、萩生田愛さんに、最後に伺いました。
ケニアのバラを通して、伝えたいこととは?

ただ単にバラを売るという感覚よりは、愛情や思いやりにあふれた世界を作り方として、その中の1つとして「こういう事もあるんだ」という事をアピールしていきたいと思います。

「自分だけじゃなくて、誰かのために何かをする事」
そういう事を、思い出してもらう「きっかけになれば」と思います。

日本のみなさんへは、生命力あふれるバラの感動を。
ケニアの人々には、適正な雇用の機会を少しでも多く。

雄大な自然が育むバラが、アフリカと日本をつなぎます。


アフリカ、ケニアのバラを輸入販売する「アフリカの花屋」。

販売は、予約制で、(2014年7月)現在受け付け中なのは、8月に販売される分のバラです。
こちら、7月30日までの受け付けとなっています。
また、直接購入できるチャンスもあって、表参道ヒルズのレストラン「レーゼンヴァルト」で7月17日から数日間、販売予定となっています。

また、この夏は、福岡、名古屋、神戸、広島、札幌をめぐる「全国キャラバン」も開催されるそうで、各会場でバラについてのメッセージも受け付けてそれをケニアに届ける、ということです。

より詳しくは、「アフリカの花屋」のオフィシャルサイトでご確認ください。
アフリカの花屋