2014/5/2 オンラインマーケット「ココナラ」のHidden Story

今週は、知識やスキルを誰でも簡単に売り買いできるオンラインマーケット「ココナラ」のHidden Story。
ココナラ - あなたの得意でハッピーが広がるワンコインマーケット

自分の得意技を出品。それを活用したいと思った人はワンコイン、500円でそのサービスを受けられる。
これが、「ココナラ」の基本的な仕組みです。

ウェブサイトを見ると、実にさまざまな種類の「得意技」が並んでいます。例えば、、、「Twitter や Facebook で使えるアイコンを描きます」「片思いに苦しんでいる方、悩み解決のお手伝いをさせてください」「就職活動の自己PR文を一緒に考えます」……

そんな「ココナラ」。
株式会社ウェルセルフが運営しているのですが、会社の立ち上げを考えていたころそもそも計画していたのは、ヘルスケアのビジネスでした。
しかし、チームのメンバーから、そのアイディアが飛び出したのです。

創業メンバーのひとりが言いだしたアイディアだったんですね。
300円とか500円でちょっとしたサービスを流通させてみたら面白いなと。
最初に聞いたときは、マーケットが小さすぎるので、「それはないな」と話したんですよね。普通の人がそんな小遣い稼ぎたいかなと思ったんですよね。

お話を伺ったのは、株式会社ウェルセルフの代表取締役、南章行さん。
南さんが最初は「ないな」と思ったサービスですが、いくつかの出会いがその印象を変えていきました。

ヘルスケアの ビジネスを準備中に、お医者さんとか管理栄養士さんとか、色々な方にインタビューしてたんですよね。

とある栄養士さんと話していたときに、「いつもは病院で患者さんの栄養相談に乗っているんだけど、別に病院以外でも色々な人の栄養相談に乗ってあげられるんだよな」と、「私の知識があれば、例えばお子さんが野菜が食べられなくて困ってるとか、結婚式直前の女性がダイエットのし過ぎで肌が荒れちゃってとか、そういうときに相談に乗ってあげられるんだけど、場がないんですよね」という話をされていて。

やっぱり、本質的に自分が出来ることで役に立ちたいと。
お金をもらえるからではなくて、本当に誰かの役に立てる場があれば、もっとやるのに、という方がすごく多くて。

自分が得意なことで、誰かの役に立ちたい。
実は、誰もが心の中でそう思っている。

では、どんなサービスがあればいいのか?
友人たちとの意見交換が始まりました。

私はそれまで金融業界にいたので忙しくしていて、自分の代わりに飲み会の2次会のお店を探して予約してくれるサービスがあったら500円払うなと。 食べログなんかで見ても、あっという間に1時間とかかかっちゃうじゃないですか。 一方で、とある女性が、「私の愚痴を聞いてほしい」と書いてあって。

ものすごいバラけたんですね。

「あ、これは人の数だけアイディアが出てくるかもしれない。ひとつのビジネスとしてはすごく小さいかもしれないけど、これが何百何千とあればマーケットプレイスとして成り立つかもしれないな」というのが最初の1週間の印象ですね。

ココナラの正式オープンは、2012年の7月。

大きく2つ、「ここで口コミが起きるだろうな〜」という山を作っていて、2つが、似顔絵イラストと占いだったんですね。

イラストについては、よく街中で似顔絵をかいてくれるサービスがあると思うんですが、1,500円、2,000円しますよね。 それが500円だと安いだろうなというのと、Facebook や Twitter のアイコンにする人がいるだろうと。 そうすると「あれ、その似顔絵どうしたの?」と口コミが広がりやすいだとうなと。

もうひとつ占いも状況は似ていて、街中でやるよりココナラの500円は安い。
プロになると高いんですが、自分でも占いをやりたいと勉強している人が多くて、こちらも500円で出す人はたくさんいるだろうなと。

新聞などで取り上げられたことをきっかけに、利用者が急増。
さらに、「500円で何かのサービスを利用した人が、今度は、自分の得意なことを出品する」という循環も生まれました。

僕はココナラを、知識・スキルを売る場所じゃなくて……知識・スキルも、もちろん売ってもらっていいんですが……知識・スキル「経験」を売る場所だと言っているんですね。

例えば、デザイナーの方が「ロゴを作ります」はスキルを売ってるんですよね。
でも、デザイナーの方が「デザイナーになりたい人の相談に乗ります」は「経験」を売っている話であって、そういう「経験」を結びつける事をたくさんやりたくて。

例えば、私いま起業しているわけじゃないですか。
「起業家が起業したい人の相談に乗ります」。 十分ニッチなんですが「起業の経験のない私が36歳で初めて起業しました。そんな私が相談に乗ります」。 さらに言えば、「その時点で36歳で専業主婦と子どもが2人いて、それでも起業した僕が相談に乗ります」と言うと、奥さんお子さんがいて、お金の面でも起業するかどうか迷ってるんだよ、という人が僕と出会えたら相当心強いと思うんですよね。

どんな人でも、その人ならではの経験があって、それがインターネットの力でマッチングしていくと、ものすごくサービスを提供する人も、受ける人も、ハッピーになれるんじゃないかなと思っていて、それをココナラで実現したいと思っています。

知識やスキルだけでなく、「経験」をやりとりするウェブサイト「ココナラ」。

最初は、200種類のサービスでのスタートでしたが、いまや、出品されている知識、スキル、経験の数は、1万5千を越えました。