2014/4/25 ライゾマティクスの Hidden Story

今週はPerfumeのライヴでも演出を手がけるクリエイター集団、ライゾマティクスの Hidden Story。
Rhizomatiks

今回、取材にお答えいただいたのは、ライゾマティクスの真鍋大度さんと、石橋素さんです。
まずは、ライゾマティクスの始まりを、真鍋大度さんが教えてくれました。

ライゾマ自体は、3人で最初つくって、それは僕と千葉、齊藤という大学の同級生で作ったのが2006年ですね。

彼らはウェブデザインをやってて、僕はその時、石橋さんとメディアアート的なアプローチで、店舗の中のインスタレーションをやったり、ライブの演出をしたり、作品も作ってましたけど……「そういうのを全部組み合わせて新しい広告、エンターテイメントをやる」っていうことを考えて始めたっていう感じですかね。

あの3人組との 運命の出会いは、2010年の夏に訪れました。

一番最初は東京ドームですよね。Perfumeが初めてやった2010年の秋くらいですかね。
その前に ――ミキコさん。Perfumeの振り付けの―― ミキコさんとは知り合ってて、そのドームで初めてやるという時に何かやってくれませんかというのがあって。

電話かかってきて。電話最初もらったのは渋谷だったのかなハイファナと飲んでるときに電話もらった気がするけど。トルコにいたんですよね、大度君と一緒に。8月のお盆すぎだったような気がするんですけど、その場で「何できますかね?」という話をしたのはよく覚えてますね。

Perfumeが初めて臨む東京ドーム公演。
その中の一部の演出をやって欲しいというリクエスト。
しかし、ライゾマティクスには経験がありませんでした。

スケール感が全く分かってないのが一番大きかったですかね。

「ステージ両翼50メートルって、そこにケーブルを這わせるのに、どの位時間がかかるの?」とか、全然よく分かってなくてやってたっていうのは……大変でしたね(笑)

初めてエンタメのサポートするのが、いきなりドームっていうところも、まあ、なかなかシビれるところであったかなと思いますけどね。いきなり5万人ですからね。シアタートラムでやってたのに、それまでは(笑)

それまでエンターテイメントの演出は手がけたことがなかったライゾマティクスが、Perfume初の「東京ドーム公演」で一部の演出を担当する!
チームは、上手くいくかどうかギリギリまで分からない状況に陥りました。

一番リスクが高かった演出としては、ライヴの中で、光る風船を……結構、巨大な5メートルくらいのを作ったのを……それを割るっていうところですね。
あーちゃんがレーザー銃みたいなのを持って登場するんですけど「50メートル先の風船をレーザーで打ち割る」という。

よくやらせてもらったなと思いますね。
「何も分からない、どこの馬の骨とも知れない人たちが、風船割る装置作ってきて、ああだこうだやってるけど、あんまり上手くいってない」みたいなのは、見るに耐えないんじゃないかな?と(笑

本番の時くらいですもんね……本当に「スカッ」と上手くいったっていうのは。

ディレクター:スタッフだったらシビレますよね?

意外とそんなに、「また割れなかったじゃないか」みたいなプレッシャーをかけられるというのは、Perfume サイドからは無いんですよね。

僕らサイドは「超ピンチ!」みたいになってたんですけど(笑

ライゾマティクスの真鍋大度さんと石橋素さんいわく
「リハーサルでは全くうまくいかなかったが、本番では奇跡のパーフェクト」

さらに、昨年12月に東京と大阪で開催され、合計16万人を動員したドーム公演では、こんなチャレンジも。

アプリを作ったりとか。 新しい試みとしては。曲を聴くことで参加するみたいな。

もっと「普段やっていることで参加できる」という。

それ専用のミュージックプレイヤーを作って、曲を聴いて、例えば、『だいじょばない』を聴いている人は、今、世界に何人いますとか、
ドームの日は、みんなそれを聴きながらドームに集まってくるので、ドームに集まってくる絵が作られていくというか、それを使ってイントロのシーンを使ってるんですけど。

イントロは、その、今までウェブサイトで見てたものが出てきて、それがドームにバーッと集まって、そこから Perfume が出てくる、という。

ライゾマティクスが作ってきたのは、単なる映像ではなく、人の動きが加わることで変化する映像。
それは、あなたが参加しなければ 完成しないのです。

音楽や映像で、人と人をリアルタイムでつないでいく。
ライゾマティクスと Perfume の挑戦は続きます。