2014/1/17 「阪神・淡路大震災 + クリエイティブ マッピング プロジェクト」のHidden Story

今週は、「阪神・淡路大震災 + クリエイティブ マッピング プロジェクト」のHidden Story。
阪神・淡路大震災 + クリエイティブ マッピング プロジェクト

今回、取材にお答えいただいたのは、プロジェクトのアドバイザーをつとめる、NPO法人プラスアーツの永田宏和さん。
まずは、「阪神淡路大震災+クリエイティブ」タイムライン・マッピングプロジェクトとは、どんなものなのか、教えていただきました。

このプロジェクト自体はですね、阪神淡路大震災が、1995年の1月17日に発災したんですけれども、それから現在に至るまでに、クリエイティブ分野と呼んでるんですけど、具体的には、アートやデザイン、建築といった分野でどんな支援のプロジェクトがあったのかをできる限り調べて、タイムライン上、年表上に落としたプロジェクトです。

阪神淡路大震災の発生直後から現在までに行われたクリエイティブ分野での支援プロジェクトをタイムラインにまとめる。
この活動を始めるきっかけは、東日本大震災にありました。

東日本大震災が起こった直後に、東京のSPREADという2人でやっているデザインユニットがあって、小林さんと山田さんがやられているんですが、その小林さんからお電話をいただいて。

震災後、東北の状況に対して支援をしたいんだけども、すぐに行けないという中で、「いてもたってもいられないというか、関われないことに焦っておられた」という状況もあって。

むしろ、今後、東北が起こって、どういう時期にどういうことが求められるのか、私が防災のことをやってきていたので、教えて欲しいという連絡がきたんですね。

ところが、「東北がどうなっていくのか、それは未来のことだから、私にも予測はつきません」とお話したんですが、そのときに私からお話したのは、阪神淡路大震災というのは都市型の災害だったわけですが、その災害後に「どんな支援活動がクリエイティブ分野であったのかは、調べたら、それは分かるかもしれないですね」とお話したのがきっかけで、それをきっかけに生まれたのがこのプロジェクトです。

震災後、東北で必要とされるのはどんなことなのか?
このヒントを探すために、阪神淡路大震災のあと、神戸で行われたことを調査する。
2011年の4月、プロジェクトがスタートしました。

SPREADの小林さんと山田さんというおふたりが「私たち、神戸に行きます」という申し出があったので、今わたしたち運営しているんですけど、KIITOというデザインクリエイティブセンター神戸というのがありましたので、そこで「こういう調査がしたいんだけど」とボランティアを呼びかけたところ、40から50人だったと思いますけど、そのくらいが集まってプロジェクトがスタートしたんですね。

阪神・淡路大震災 + クリエイティブ マッピング プロジェクト。
クリエイティブ分野での支援活動について調べる中で わかってきたこととは?

それぞれの分野に特徴があるんですよ、アートっていうのは東日本のときもそうだったと思うんですけど、アーティスト、芸術家というのは、自分の想いですぐに飛んでいって表現をしたり支援をするというのが中心なんですね。

ですから、阪神淡路大震災の直後も、直後から絶え間ないというか、形はチャリティとか復興支援から、防災啓発とか語り継ぐというところに移っていくんですけど、途切れなく活動があるというのがアートなんですね。

むしろ、デザインというのは、阪神淡路大震災のあとも、それほど目ぼしい活動がないんですね。

ただ、ガッと生まれている時期があって、これは5周年だとか10周年だとか、神戸市だったり国だったりが記念事業をうっている時期なんですね。最後の建築に関しては、地震災害だったので建物がやられていますから、直後ガッといろんな活動が生まれていって復興にともなって消えていくという、それぞれの分野で違いがあるのが分かったんですね。

そして、プロジェクトを手がける 永田宏和さんは、この調査の持つ意味を、こう考えています。

絶対に言えることというのは、終わらないというか、今も東北はそう言われていますよね。 どんどん人が減っているとか、関わりが少なくなっているとか、最近、支援の手が少なくなっている。 とか、そういうことの裏返しだと思うんですけど、本来、被災地というのは、その時期その時期で、そのタイミングで必要とされる支援があるはずなんですね。

なので、阪神淡路大震災以後の年表を見て分かっていただきたいのは、未だにあるってことですね。

最初のチャリティから「だんだん語り継ぐということに移っていく」という事もそうなんですけど、テーマは変わっていきますが、支援はずっと何らかの形で必要としている。

だから、その時その時に何が必要かという事にちゃんと目を向けて、その時の寄り添い方を考えて欲しいというか。
「そういう意味では、あなた自身も、いつでも支援者になれる。っていうことを忘れないで欲しい」というのがメッセージだと思いますね。

あなた自身も、いつでも支援者になれる。
それは、東日本大震災についても同じことです。

むしろ今ですよね。
2年3年と経って、だんだん落ち着いていくなかで、全然落ち着いてないんでよ被災地は。

でも、そんな中で、今もう一度、このタイムライン・マッピングを見てもらって、今どういうことが求められているのか、今後「どういうことが求められるのか」を考えるきっかけになって貰えたらと思いますね。

神戸は、今日で、震災から19年。
東北は、3月で 震災から3年となります。

過去を知ることで 未来の光を考える。
数々の支援プロジェクトを記したタイムラインが、神戸から東北を照らします。


阪神・淡路大震災 + クリエイティブ マッピング プロジェクト。

取材にお答えいただいた永田宏和さん、ご自身の活動もそのタイムラインに掲載されています。

阪神淡路大震災で得られた防災の知恵や技を風化させないために被災された方167人にヒアリングを行い、地震が起きたときのこと、そして、その後、どんなことが必要だったのか、何を準備しておけばいいのかなどをまとめられました。

そして、それが、「地震イツモノート」として出版されています。
こちらもぜひ 手に取ってその内容をご確認ください。
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