2013/10/25 Atsuko KudoのHidden Story

今週は、ロンドン在住のファッション・デザイナー、工藤亜津子さん。

彼女の顧客リストにある名前は、レディー・ガガ、マイリー・サイラス、ビヨンセ、リアーナ、ジェニファー・ロペス、クリスティーナ・アギレラ……
世界のポップスターたちが Atsuko Kudo を愛する理由に迫ります。

今年の MTV Video Music Awards で、マイリー・サイラスが着た肌色のビキニスタイルの衣装。
遠くから見ると 裸のようにも見えるそのスタイルでロビン・シックとセクシーにからむパフォーマンスは大きな話題を呼びました。

肌が透けないようにっていうので、特別にラバーの色を作ったというか、色を重ねたんですけど、どんな踊りをしても変なところが見えちゃったりしないように、スペシャル・カスタマイゼーションをしました。

取材にお答えいただいたのは、その衣装を作った工藤亜津子さん。
使われていたのは、ラテックスというゴムの素材です。

Atsukoさんが、その素材に注目したのは90年代初頭のことでした。

日本でその時にそういうラバーの洋服とかって、イギリスとかオランダから輸入されていたもので、日本で作っている人っていなかったんですよね。

それと、専門学校でコルセットとかも、私、作りたかったんですけど、ちゃんとしたウエストが「ギュー」っとなるコルセットを作れる人があんまりいなかったので、ヨーロッパのピリオドコスチュームとか、レイテックスを作るのはイギリスが歴史が深かった。

ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルコム・マクラーレンがセックスというお店を作って、セックスピストルズとかパンクとかそういうムーブメントが起きたりして、それからイギリスではレイテックスとポップスとクラブシーンがつながっていたので、イギリスに来るのが1番かなと思ってイギリスに来ました。

ロンドンに渡ったAtsukoさんは、英語の学校とコスチュームに関する学校に通いました。

そのあと、そこではレイテックスを習えなかったので、フェティッシュショップに働きに行って、そこで、自分のオリジナルのギンドマスクを作っているフェティッシュショップがあったんですよ。

ギンドマスクっていうのは、ラバーの顔に被るような、レスラーみたいなマスクなんですけど、それを作っているところがあったので、そこに習いもかねて働き始めました。

でも、習おうと思ったら私は手が遅いってことでクビになって、そこで今の旦那さんが働いていて、お店もあったので、お店のほうで雇ってくれて、そこで働きながら、夜、自分で研究してました。

最初は、自分の友達にラテックスの素材を使ったファッション・アイテムを作っていた Atsukoさん。
2000年代半ば、ノース・ロンドンにお店を構え、これをきっかけに、Atsuko Kudo が噂となっていったのです。
Atsukoさんのデザインは、この人の目にもとまりました。 レディー・ガガ!

ガガさんは、もうヒットはあったんですけど、今ほど有名じゃない時に、いきなり連絡をいただきまして、その日、ロンドンに来てたんですけど、その日ナイトクラブに行くので着ていく洋服が欲しいっていうので、いきなり作って&その日のうちに持って行った。 というのが最初でした。

ウチのレイテックスのブラとスカートかな? を着て、ロンドン中を、いろいろ回ったのが翌日のニュースペーパーに載っていて「うわっ」と、思いました。

レディー・ガガは、このあとも頻繁に Atsuko Kudo の衣装を着ることになります。

グラストンベリーっていうイベントに彼女が出演するっていうので、そのときの衣装を頼まれて、フィッティングに行ったときに初めてお会いしました。

すごい頑張り屋の人で、「このくらい頑張んないといけないな」と感心しました。

グラストンベリーの時なんか、注文されていた洋服を持っていったんですけど、他の衣装を頼まれまして、12時間で新しいコスチュームを制作して。 「スパイクがいっぱいついて、トゲトゲのサンタクロース」みたいな衣装だったんですけど、朝の2時か3時くらいに練習しているスタジオに持っていって、フィッティングしてもらって渡しました。

ショーの前の日で、彼女はすごいボロボロになって練習して、疲れて立てないくらいだったんですけど、お願いしてフィッティングさせてもらいました。

ロンドン在住のファッション・デザイナー、ラバーを扱うスペシャリスト、工藤亜津子さんに最後に伺いました。
変わった素材であるラテックスを使って洋服を作る理由はどんなところにあるのでしょうか?

私はこのレイテックスの洋服を作っているのは、自分を持っていて、女性らしくて美しくなりたいと思うすべての女性のためにラバーの洋服を作っています。

ラバーを着たりすると、全身じゃなくても、ちょっとでもグラブでもチョーカーでも帽子でも被っているだけで、ちょっと違う自分になれる気がするんですよね。

そういうことも手伝って、ポップスターの人たちも着てたりすると思うんですけど、スーパーな自分になれるような気がするっていうか。 なので、女性に自分のセクシャリティを楽しんでもらいたいと思っています。

男性が好きな女性像っていうよりも、自分が何をしたいか、女性に頑張ってほしいです。

女性に頑張ってほしい。
だから、目指すのは、身にまとえば スーパーウーマンになれるファッション。

レディー・ガガは、イギリスのエリザベス女王に面会するときに Atsuko Kudo の真っ赤なドレスを選びました。


Atsukoさんのショップは、ノース・ロンドンにあるほか、ロンドンのセルフリッジ というデパートでも商品が扱われています。 日本からの場合、インターネットでもオーダーできますよ。
もちろん、日本語でのアクセスが可能です。

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