2013/10/4 世界のハグ事情

ネット上でのコミュニケーションが増えた今、日常生活で対面する事の重要性が再評価されています。
「ハグ」というスキンシップは、昨今日本ではずいぶん一般的になってきたような気がします。
さて世界での「ハグ事情」はどうなのでしょう?
今日も2カ国をコネクト。

ハグは一般的ですか?

イタリア、ローマ。村本幸枝さん 「ハグよりは両頬にキスの方が日常的です。」

ハグは、あまり一般的ではないのですか?

顔を近づけるので、ハグと言えばハグですが、抱きしめる感じではなく、握手や相手の肩に手をおきながら、両頬に Ciao のキスをする感じで、友達同士なら当たり前の挨拶です。

ビジネスシーンでは握手のみに留まりますが、友人なら男性同士でも時には両頬キスをすることも。

夕食会ではじめて紹介され、最初は握手で自己紹介した相手でも、おしゃべりがはずんで仲良くなれば、帰り際にハグ&キスで別れることも。 このケースでは女性同士が主で、男性同士、女性&男性は稀です。

日本人にとってはちょっと違和感があるでしょうか?

長い間こちらに暮らしているにも関わらず、日本人ゆえに違和感を感じてしまうのは、奥さんが日本人でご主人がイタリア人のお宅へ遊びに行くとき。
ご主人には両頬キスで挨拶を、日本人の奥さんにはスキンシップなしという、さらっとした挨拶というパターンに。

もともとは奥さんの方が自分の友人なので、これには今でも違和感を感じます。
とはいえ、日本人同士で Ciao のキスをするのは、もっと違和感があります。

家族や友人が久しぶりに会う時はキスだけでなく、熱いハグになります。
以前、私の帰国に合わせてバカンスで日本を訪れたイタリア人の友人は、成田に迎えに来た両親と私が1年ぶりの再会にも関わらずハグもしないことに、かなり大きな衝撃を受けていました。
文化の違いと受け取れないイタリア人もいて、日本人は心が冷たい、と勘違いする人も。

ハグは一般的ですか?

中国、上海。松田奈月さん 「日本と同じで『まだまだ』という感じです」

やはり欧米の文化と捉えられているのでしょうか?

中国のハグ事情は、かなり日本に近いのではないかと思います。
もともと中国では、挨拶がわりのハグという習慣はなく、欧米人のハグ文化はかなり「開放的」と見えているようです。

中国の人たちの初対面の挨拶は「作揖(zuòyī)」と呼ばれる、
「片手のこぶしをもう一方の手で包むようにして高く挙げ、上半身を少し曲げて礼をする方法」
で、互いの体が接触しない挨拶が礼儀とされていました。

そうなるとスキンシップ自体があまりないのでしょうか?

中国でも近代化が進み、欧米文化が浸透してくる中で、従来、中国文化にはなかった、握手やハグもだいぶ受け入れられてきていると思います。
特に若い人達の間では、同性同士で挨拶がわりのハグをすることも増えているようです。

初対面の挨拶でのハグはまずありませんが、久しぶりに会った仲の良い友人、しばらくの別れになる時などのハグは、若者の間では一般的になっています。
中国では同性同士(特に女の子同士)の友人は距離が近く、普段道を歩いている時に腕を組んだり、手をつないだりして歩くのは一般的な光景です。