2013/10/4 Happy Outdoor WeddingのHidden Story

今週は、自然の中での結婚式を提案する「Happy Outdoor Wedding」の Hidden Story。
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キャンプ場や河川敷、森の中などで、新郎新婦やゲストが、自分たちで結婚式をつくることを提案している「Happy Outdoor Wedding」。始まりは、2009年。

立ち上げのメンバーがちょうど結婚を迎える年齢で、結婚式が身近になってきて、女性2人、わたしともう1人だったので、普段の会話からそういう話題も多くなっていて、「結婚式って意外と選択肢が少ないよね」っていうことから、「こんな式があったらいいよね」と考え始めたのがきっかけです。

例えば東京だと、何かをイベントをするとなるとスペースを借りなければいけない。
スペースも限られているし時間も限られているお金も結構かかるし。

「もっと公園とかキャンプ場とか、のんびり、ゆっくり使える、みんなが使えるスペースでやることができたら、のんびり楽しくできるんじゃないかな」というのがアイディアだったんですけど。

取材にお答えいただいたのは、Happy Outdoor Wedding、代表の柿原優紀さん。
柿原さんは、結婚式場やレストラン以外の場所、公園やキャンプ場で式を挙げた人をインターネットで探しました。

実際にブログで、「公園でウェディングがあって行ってきました」という人がいて、そこに、知らない方のブログなんですけど、メールで問い合わせて、「良かったら、私たちを含めて、そのアイディアを未来の新郎新婦にシェアしていただけませんか」と。
で、「そのストーリーと写真を順番に(Webサイトに)上げていく」ということをしてたんです。

結婚式って、ほとんどの人は一生に1回とか2回? 1回だけしかしないので、初めて取り組むことなので、ふたりもいろんなアイディアもつくるんですけど、1回だけなので、そのアイディアがシェアされない。
せっかく作ったアイディアをシェアすれば、みんなが使えるんじゃないかなというのがあっって。

アウトドアでの結婚式について、アイディアをWebサイトで公開。
その後、結婚式を開く方に、直接、協力することも始めました。

奥多摩のキャンプ場、松戸の江戸川河川敷、愛知県などでアウトドア・ウェディングを開催。
なかには、こんな幸せなエピソードも。

アウトドア・ウェディングにご両親を呼ばれる方もいらっしゃって、当日見てると、最初はすごくとまどってたりもするんです。

ずっと見てらっしゃって、帰り際に「どうでしたか?」と聞いたら、「最初アウトドア・ウェディングって何だろう、普通に結婚式をやればイイのにと思ったんだけど、こんな普通じゃないことに、2人がやりたいって言ったら協力してくれる友達が50人も100人もいるんだったら、2人は大丈夫じゃないかな」って言ってくださるご両親がいたりとか、いろんな方がいらっしゃいますね。
お友達とすごい飲んでるお父さんとかいらっしゃいます(笑)。

あと、すごいイイなと思ったのが、料理を担当している方の様子を見に行こうと思って調理室に行ったら、お母さんとお母さんが一緒に料理を作ってらっしゃるんですよ。

2人の門出のために、ウチのなになに君が好きなもの、なになにちゃんが好きなものを作ってらしゃって、それが晴れの日の料理で。
お友達のみんなが、2人が小さい頃から好きだったものを一緒に食べる。 感動しますよね。 お母さん!って。

代表の柿原優紀さんをはじめ、メンバーのみなさんは本業のかたわら、この活動を続けています。

結婚式って、お金がある人だけが買える商品じゃなくて、もともとはもっと地元に根付いていたりとか、暮らしの中にある文化だと思うんですよ。

日本の結婚式っていうのが、婚姻率に対して半分くらいしか挙式率がなくて、半分くらいの方が「結婚はしているけど式はしていない」んですね。 お金の問題とか、サービスのテイストの不一致ということを理由に、結婚式がだんだん……「今は50%だとしても、30%・20%になっていくと寂しいな」というのがあるんですよね。

家族同士が会うきっかけだったり、地元の人に「2人が暮らすので、これからよろしく」って挨拶ができるいい機会だと思うんですけど、そういうこともなくなっていくのかなと思うと、なんか違う方法で出来るんじゃないかなと思って。

人と人、人と街をつなぐ結婚式。
もしも、お金がかかることや、既存の式のスタイルのせいで開催をあきらめている人がいるのなら、それはもったいない。
これが、柿原さんがHappy Outdoor Weddingを続ける理由です。

このウェディングのアイディアって、ウェディング用に考えてはいるんですけど、決してそのウェディングが終わって、過ぎていってなくなるアイディアというか経験ではなくて、例えばお子さんができて、子どもの誕生日パーティは何か喜ばせてあげたいと思うときに、お金がないからとか、出来ないとか、そういうことじゃなく、何か喜ばせてあげたりとか、何か新しいものが欲しいと思った時に「買うんじゃなくて作れるかもしれない」とか、「新婚旅行の形も変えてみる」とか、

「普通にサービスとして買っていたものを、違う形で自給できると、もっと自由に心地良くなれるんじゃないかな」

ということで、チャレンジしている。 というところもあります。

秋の結婚式シーズン。
今月、Happy Outdoor Weddingは、3組のカップルの幸せな瞬間に 立ち会います。