2013/9/6 2020年オリンピック開催候補地事情

いよいよ大詰めの2020年のオリンピック開催地の決定。
他の最終候補の「直前事情」はどうなのでしょう?
今日も2カ国をコネクト。

国民の盛り上がりはどうでしょうか?

スペイン、セビリア。加藤由香里さん。
「盛り上がっています」

その盛り上がりの状況について教えてください

メディアではスペイン人の9割がオリンピック招致に賛成しており、マドリード中心では、広場に大量の花が植えられるなど、五輪招致が決まった際に行う祭りの準備が既に行われています。
ちなみに、あるメディアで、マドリードにオリンピックが決まった際のメリット・デメリットが掲載されていました。

メリット

  • 街の変化(オリンピックに必要なインフラは8割出来ているが、スタジアム、オリンピック村や新しく地下鉄や電車の駅ができることで街が活性化する)
  • スペインブランド、マドリードブランドのアピール
  • 観光客の増加(オリンピックでは80万人の外国人の訪問、それにともない6億ユーロの消費を予想)
  • 予選等が開催される他の都市の活性化
  • 雇用促進(マドリード県庁は320万の新規雇用を行うと約束)
  • 人々が前向きになる(汚職、不景気、政府不信などネガティブな国民感情が解消)
  • 将来的にイベント増加(オリンピックに伴うイベント、祭りなどが増加)

デメリット

  • 他の予算の削除(20%を越える失業率、巨額の負債を抱える今、オリンピックのために大金を使っている場合なのか。福祉、保健等の予算が削除される可能性)
  • 建物のその後(オリンピックのために建てられた建物は放置される可能性あり)
  • 市民への迷惑(交通機関、ホテルなどが足りなくなる)
  • 治安(テロの標的になる可能性あり)
  • 物価上昇(オリンピックを利用して料金を上げる企業も)
  • 本当に国際的に良いイメージを与えられるか?(未返済の巨額負債、ヨーロッパの他国から救済されている銀行などの現実。ローマはこれを理由に招致を断念)
  • 国民の利益にはならない(オリンピックによる経済効果は一部の企業、政治家の利益になるだけで、国民が直接得することはない)
  • 不景気の繰り返し(92年のバルセロナ五輪、セビリア万博の後に不景気に陥ったように、オリンピックの後に多くの失業者が出る可能性)

国民の盛り上がりはどうでしょうか?

トルコ、イスタンブール。加瀬由美子さん。
「さまざまな反応があります」

まず、アピールポイントを教えてください

アピールポイントは……
オリンピック史上、初めてのイスラム圏での開催。
海に囲まれた景観の地、この眺めは世界に二つとない。
アジアとヨーロッパ2大陸にまたがる唯一の都市である。
世界に類を見ない貴重な歴史的遺産に溢れた街。
経済成長が目覚ましいトルコの国力は五輪を招致するにふさわしい。
といったところです。

逆に、ウィークポイントは、
メイン会場とイスタンブール中心部の市街地へのアクセス不備。
イスタンブール市内の慢性的交通渋滞。
6月に大きな反政府運動があって、外国から見ると政情不安を感じさせる。
という点が挙げられています。

そしてイスタンブール招致委員会の、興味深い見解として、
「このところ、多くのトルコのスポーツ選手が、ドーピング違反で検挙。または、取り調べを受けているが、これは誠心誠意、ドーピングをなくそうと努力した結果であり、オリンピックを招致する上でも画期的な出来事である」
と述べているようです。

「さまざま」という街の反応について教えてください

招致賛成派は、かつては万年落選候補だったが、諦めず果敢に名乗りを挙げてきました。
「ぜひとも、街全体が世界遺産のようなイスタンブールを世界中の人に見ていただきたい」
という事のようです。

招致反対派は、
「オリンピックに浮かれている時ではない。
地方との格差を縮めることに予算を使え。」

どうでもいい派は、
「総花的なオリンピックより、サッカーの方が面白い。ワールドカップで優勝できるようなチーム強化が必要だ。」

神の思し召し派は、
「結果はアッラーの神様だけがご存じだ。東京、マドリッド、イスタンブールのどこに決まろうと、これはアッラーの思し召しなので、開催地発表を心静かに待つつもり。」

などなど。