2013/8/23 中村憲剛(前編)

今週と来週は、中村憲剛選手をお迎えしてお届けします。


__僕は憲剛選手と何度かサッカーをしたことがありまして、中村憲剛選手からもらった一番ありがたい教えが、「サッカーは予備動作!」

言いましたね(笑)

__ボールをもらうときの準備が全てだということを教わりまして、あれから日々それを糧にやってます、よろしくお願いします。
川崎フロンターレ、監督は風間監督ですね!どういう話を監督としているんですか?

結構独特な人なので……考え方とかもとても斬新ですし、最初は面白かったですね。それに今はだいぶ慣れてきましたけど……

「サッカー選手の基本は自分の技術と個人戦術眼だ」

ということをズバっと最初に言った方なんで……それ以前っていうのは、チームの戦術だったりチームのシステムだったり、自分の技術をぼかしてでもやれるというか、言い訳できる要素はいっぱいあったんですけど、最初にそれをズバッと言われた時に、これはまだまだ俺も伸びそうだなって感じて、すごく刺激的でした。

__良い出会いだったんですね。

そうですね、30歳過ぎましたけど全然衰えている気がしないし、「むしろ、歳を重ねるごとに良くなっている」という感覚はすごくあります。

__なるほど、テレビの解説やられていた頃から説明は本当にわかりやすかったですよね。

そうですね!話がやっぱり上手いな〜というのはすごく感じますね。

__「攻撃が魅力的なチームになってきてるな」と感じますが、プレーしていて、いかがですか?

そうですね、アイディアでやるというか、あまりパターンはないんですよね。

その時の選手の状況と敵の状況とボールの位置とで、アイディアというか、そこでの、その「ひらめき」というのを即興で連動して合わせていくというのをやっているんで……だから相手は取れない時は本当に取れないと思うし、やっていても、すごく面白い崩しができるなというのが増えてきましたよね。

今、2年目ですけど、それはすごく感じます。

__フロンターレのオフィシャルサイトを見ると、一番悔しかった試合として、「ワールドカップ南アフリカ大会、ベスト16のパラグアイ戦(PK戦で負けた試合)」を挙げてらっしゃいますが、あの試合、憲剛さんは81分から出場でしたね。

もう引き分けで推移したんで、自分がやることは1つだと思ってたので、それをやるという感じでしたね。

__きっと子どもの頃からの夢なわけじゃないですか、ワールドカップ出場、そして活躍。

そうですね……出れると思ってなかったですからね、正直、小さい頃を考えたら……

__実際そこに自分が到達してみて、「夢かなったぜ!」という満足感はあるんですか?

いや、満足感は全くないですね。正直この試合しか出てないですし、時間的にも30分も出てないので……悔しさしか残ってないですね。

__きっとその悔しさがまだ引きずっていて、今のモチベーションになっているということもありますか?

それは間違いないと思います。

むしろあの時に全部出て、やり切ったと思ったら、代表へのモチベーションはもう無かったかもしれないし……
あの時悔しかったから次も出たいと思いましたし。

__このコーナーでは、「サッカー人生を支えた言葉」をみなさんにうかがっているんですが、中村憲剛を支えた言葉とはなんですか?

自分の柱になっているのは「頭を使ってやる」ということ。
「自分で考えてサッカーをしろ」というのを高校の監督に言われたんですけど、そのベースがあるから、今の自分があると言っても過言ではないですね。

__……予備動作!

そうです(笑)大事ですよ!

__大事ですよね、これ!中村選手に予備動作ということを教わりまして、実はこれはサッカーだけではないんじゃないかな?って思うようになりまして……

なるほど!

__音楽でも、1曲目、2曲目、3曲目を生かすためのこのトーク!…みたいなね。
ちょっと逆算するようになりまして、だからサッカーで人生だな!って……

あぁ、それはあると思いますね!

__なんかこう、いろんなことに例えられる……夫婦生活とかね!

あぁ!(笑)

__ここで機嫌そこねるとヤバいぞ!みたいな!

そこら辺のリスク管理というか危険察知能力は養うことができましたね、サッカーで(笑)。

__ちなみに試合前とかに聴く曲は何でしょう?
やっぱりスキマさんですか?

そうですね!

__この間MV出てましたよね!

出てました!同じ曲で出してもらったんですよね。
……全然短くて(笑)


来週は、日本代表について、中村憲剛選手に伺った模様をお送りします。お楽しみに。