2013/6/21 800deli(ハチマルデリ)のHidden Story

今週は、800deli(ハチマルデリ)と名乗る女性3人組。
彼女たちが挑む、農業をデザインする活動とは??
» 800deli

800deli。
まずは、その名前の由来からうかがいました。
取材にお答えいただいたのは、800deliのメンバーで、プランナー、デザイナーのスヾメ(すずめ)さん。
活動を始めたのは、2009年のことでした。

まずは、農家さんが「かっこいい」ところがいっぱいあるのに、意外とみんなに知られていないということか、あと、やっぱり担い手不足というのもあるので、「日本の若い人たちに、農業の良さをもっと発信していきたい」というのがひとつと、あとは私がもともとデザインをやっていたので、デザインで農業のサポートとか、発信するときに面白い見せ方とか、外側から農業の良さをこういうのがあるよって、つなげていけないかなと思って始めました。

以前から、環境問題に関心のあった スヾメ(すずめ)さんは、こう考えました。
「すべての問題は突き詰めれば、農業にたどりつく。」

そこで、農業にまつわる活動をしたい、と思ったのです。
その想いに共感した女性ふたりが仲間となりました。

「やさいのキモチ」っていう4コマ漫画、野菜のことを品種だとか特徴だとか、この野菜とこの野菜は仲間ですよとか、野菜の原産地とか、そういう野菜のことを楽しく知ろうという『やさいのキモチ』という4コマ漫画がありまして、それを書いてくれている菜の花ちゃんと、ウェブの制作をしてくれている遠藤さんという女の子がいます。

そして、結成以来、800deliが力をそそいでいるのが、農作業のための服の制作です。

農家さんに話とか聞くと、「作業服はあるけれども、そんなに機能的なものがない」「着ていて心地いい作業服はないんだけど、まあ、しょうがないからというか、いろいろ不便もある中、我慢して着ている」というのが、割と現状としてあって、それだったら、そういう農家さんを服で支えるっていうのができないかというのと、あとイメージアップをしたい。見た目から、「作業している農家さんがかっこいい」というのが、ファッションで出来ることじゃないかと思って。

それで今までにないプロの農家さんが心地よく作業できる、なおかつ、かっこよく見える作業服を作りたいっていうのが始まりですね。

800deliは、実際に作業着を使う農家のみなさんの声に耳を傾けました。
およそ500人にアンケートを実施したのです。

試行錯誤の末、完成した作業着は、現在、先行予約受け付け中。
しかし、すでに、発売後のプランも描かれています。
800deliのスヾメ(すずめ)さん、そして、プロジェクトを陰で支える農業コンシェルジュ、脇坂真吏さんは、こう語ります。

脇坂真吏さん(以下、脇坂):例えば、みなさんが使い終わった農作業着をどうするかとか。 もう1回、回収して古着で販売したら面白いのではとか。

スヾメ(すずめ)さん(以下、スヾメ):リメイクって、農家さんの作目によって、消耗の度合いが違うので、それだけでも物語ができるかなと思っていて。

みかん農家さんと、多品目の野菜農家さんだと服のくたびれ具合、ダメージを受ける部分とか違っていて……それこそ、その農家さんが使うことによって、世界にひとつしかないものにはなるので。

脇坂:どうせ捨てるんであれば、回収して、タグとかで、なになに県のみかん農家3年使用とか。
だからこの辺、オレンジがかってますとか(笑)

スヾメ:そういうのが古着は好きだけど、農業は知らないという人との架け橋になったらいいなとか。

脇坂:いろんなジャンルの方々が入ってくると面白いなと思っていて、そういうのが起きてくると、僕らがやりたい、農業を外から刺激するという部分では「ひとつの形になるな」と思っていて。

楽しみながら練られたアイディアは、人をワクワクさせます。
ワクワクした気持ちは、世の中を動かします。
農業にもっとワクワクを!

その最初の一歩として、軽やかに、かっこよく、でも優れて実用的な作業着ができました。

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