2013/2/1 世界の長距離列車事情

新幹線のネットワークが発達した日本では、長距離列車の旅は、豪華なものとして、新たなステイタスとなりつつあります。
それでは世界のあの国における、長距離列車事情どうでしょうか?
今日も2カ国をコネクト。

長距離列車はポピュラーですか?

アメリカ、ニューヨーク。中村英雄さん
「昔ほどではないですが健在です」

長距離列車と言えば「アムトラック」ですよね?

東海岸の中心はペンシルバニアです。
もともとNYには長距離鉄道用のターミナルがなく、隣州ニュージャージーのニューアークが終着駅。そこから船でマンハッタンへ渡るのが習慣でした。その頃のニューアークの駅名が「ペンシルバニア・ステーション」。ペンシルバニア方面への広域長距離鉄道網の出発点だったからです。

後年、ハドソン川にトンネルが開通、ニューヨークにも長距離鉄道終着駅が開業したときも、やはり名称は、ペンシルバニア・ステーション(通称ペン・ステーション)でした。いまでもNY発の長距離列車は、すべてペンステーション発着です(グランドセントラル駅は郊外通勤電車専用)。

戦前は、移動はすべて列車でしたから、鉄道の流行歌も多かった。「チャタヌガチューチュー」「センチメンタルジャーニー」なんてその典型。ブギウギや速いジャズはみんな汽車が走るイメージですよね。「マンハッタントランスファー」なんてバンド名はそんな古き良き時代を想起させようとの狙いでしょう。
とはいえ、往年の映画「バンドワゴン」では芸人たちが鉄道で移動巡業するさまが描かれてました。

プロスポーツチームもみんな鉄道移動。近年の映画ですがマドンナが出ていた「プリティ・リーグ」では女性野球チームが鉄道で移動してました。

飛行機のネットワークの発達で最近の長距離鉄道旅行はどうですか?

どちらかというと二流の旅行というイメージです。

「ジョージア行きの夜行列車」というヒット曲が1973年にありましたが、節約する人たちはいまでも一昼夜かけて鉄道で南部に里帰りしてます。
この世知辛い時代、他にわざわざ長距離列車に乗る人と言えば、引退した老夫婦くらいかな?

NYから西海岸へ行くにはシカゴ経由だと思います。貨物も旅客も家畜も穀物もみんなシカゴに集積されます。距離が長いものはスリーパーといって寝台車が着いてます、二階建てで食堂車もあります。食事やカフェはあまり期待しない方がよいでしょう。カリフォルニアやコロラドの風光明媚な場所を走る特急は展望車やスカイライトの入るガラス天井が売り物です。民主主義と自由平等のアメリカですから、「オリエント急行」みたいな超高級列車はありません。最近では車内でネットが使えるので、中距離出張にはアムトラックが見直されています。

長距離列車はポピュラーですか?

インド、ムンバイ。ハリー・チェンさん
「いろいろとあってポピュラーです」

どのような長距離列車があるのでしょう?

国内線の飛行機需要が急成長していますが、デリーからムンバイは16:30に出て、翌朝08:35に到着する便があります。
里帰りする人(特に都市部で働いている人は)長距離電車を活用して、1年1回故郷に帰ります。

北から南ではデリー発22:30、マドラス到着が翌々日の07:10という「Tamil Nadu Express」。これは、2,184kmで、一番安い切符では、なんと片道287ルピー(=400円)、最高で3985ルピー(=5,600円)!

また、有名な「Palace On Wheels」と言う豪華列車で、8日間の旅でオリエンタルエキスプレスみたいな旅をする事が可能です。

長距離列車の車内はどのような雰囲気でしょうか?

列車で走る外の景色はインドの素晴らしい「カオス」そのもの、カラフルであり、神秘的、農村地、都市部、広大な自然、インド人の生活がすべて見えます。
よくお客さん同士でおしゃべりをするので、一人寂しくと言う心配はない!
また家族みんなで旅行するので、インドのかわいい子供にもあって、おいしいローカルフード(駅に到着した時に販売)も食べられます。

そして、かなりの騒音なので、特にエアコンなしだったり、となりの人のイビキなど!はすごいので、耳栓は必需品です。