2012/12/21 濱田 Peco 美和子さんの情熱物語

今月は、音楽のHidden Story月間!そして、J-WAVEのウインターキャンペーン『Wanna Dance?』にちなんで、
あの『マルマルモリモリ』の振り付けを担当された濱田 Peco 美和子さんの情熱物語。
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濱田 Peco 美和子さん。愛称、Pecoさん。
キャリアのスタートは、AMラジオの番組が開催したシンガーのオーディション。
その審査員のひとりがユーミンでした。
ユーミンに見初められて歩み始めた音楽の世界でしたが、道はいったん途絶えます。しかし……

ユーミンが誘ってくれて、ユーミンのステージにコーラスとして出ることになって、それもすごく劇的な感じだったんですけど、ミュージカルに1本だけ出たりとかはしていたんですが、どっちかというとデモテープを作ったり、バイトとかしてたんですけど、そしたら、そのバイト先に電話がかかってきて、ユーミン、ユーミンなんですけど、「いま何やってんの?」って言われて、で、「今日、バイトです」って言うと、「今日、中野サンプラザにライブ見に来て」って言われたんですよ。「でもバイトが7時までで」「いいからとりあえず終わったら、遅れてもいいから、じゃ終わったら楽屋に来てね」って言われて……で楽屋に終わって行ったら「今、見た?」「はい」「じゃ、次のツアーから手伝ってもらうから」って言われて、「あ、はい。」……って感じですね(笑)

Pecoさんは ユーミンのツアーに参加することになりました。
最初の仕事は、ライヴの冒頭を飾るこの曲『ミス・ロンリー』にまつわる大きな役割でした。

背格好が近いというか、ユーミンと身長が同じだったので、次のツアーの頭がユーミンのダミーで始まる、というトリックになっていて、なので、大きな仕事の初仕事はユーミンに扮するというところから始まったんです。

たったひとりのピアノの弾き語りで始まるという。

ま、それは音源は流れるんですけど、ユーミンの声ですし、かつらとお面があってですね、それをかけて、出てって、お辞儀して、弾き語りという。

ディレクター: で、ユーミンはどういう風に出てくるんですか?

客席から出てくるんです。

しかも2曲目のイントロで私がピアノから立ち上がると、客席からユーミンが出て来て、それで鏡ぶりっていって、右と左で同じ振りをして、それで私だけが「スー」っとはけていくという。

濱田 Peco 美和子さん。
その後、さまざまなアーティストのステージングを手がけるようになります。

TUBEはデビューから現在に至るまでずっと。
さらに、1983年にデビュー。まもなく大人気となった大江千里さん。
そして、浜崎あゆみさんも。

あゆちゃんも初めてのツアーから、初めてのアリーナツアーのときに、最初は演出と振り付けでスタッフで参加していたんですけど、3年くらいやったときに、コーラスをツアーでまわしたいということで、それまではコーラスがツアーとしてはいなかったんですけど、そのときに「Pecoさん歌やってるんですよね?できれば一緒にやってください」って言ってくれて、でも中に入ると、今まで外から見てたことがすごく大掛かりなツアーなので「できないんだけどな」って言ったら、あゆちゃんも「私も頑張るから」って言って、中に入った感じですね。それで13年くらい一緒にやってた感じですかね。

ミュージシャン。演出家。ダンサーで、振り付けのプロ、濱田 Peco 美和子さん。
ここ最近、印象的な仕事はやはり、テレビドラマのための曲として作られた『マル・マル・モリ・モリ!』。
Pecoさんに振り付けの依頼があったのは、東日本大震災からおよそ1週間後のことでした。

子どもも含めて「みんなで踊れるっていうのをエンディングテーマにしたい」ということで、それで考えてもらえないかとお話をいただいて。

でも、最初はあの曲を聴いても心が真っ暗で、何も浮かばなかったんですけど。

でも、私、毎朝ジョギングしたりしてるので、そのときに毎朝近くの公園でラジオ体操しているお年寄りとか子どもを見ていたので、震災直後、本当に自分自身も下向きだし、でも「とにかく散歩でもしないと」と思って。で、公園を通りかかったときに「あ、なんか、自分も今、歩き出したらちょっと元気になってきた」とか。「あ、お年寄りやお子さんが、みなさんが、ああやってやってる」って、体を動かすと元気になるんだなと思って。

だからダンスを考えるとか、何かを考えるというより、体操みたいな、「楽しいことを考えられたらいいな」と思い始められて。
そしたら自然と公園にいると、小さい頃、私やんちゃだったので公園遊びが大好きだったんですけど、泥ダンゴを丸めたり、そんなことが好きだったなと思って。
「あ、マルマルモリモリ、あ、泥ダンゴを丸めるマルマルで、で、砂場にいったら山を作るんだ」と思って。

私もマルモリをやらしていただいて、私は心に痛いこととか、そういうことをダンスにする人間じゃなくて、ほんとにみんなが「あー」って。「あー」って笑顔になれるという。

で、お子さんからお年寄りまでっていうのは、たとえば、親が覚えて子どもに教えるとか、子どもがおじいちゃんおばあちゃんに教えるとか、そういう共通項というか、おばあちゃんが「ねえ、あそこどうなってるの?」って言って、そしたらみんなで「なんでできないの? アハハ」とか言って……「そんな、つながりを作れるようなダンスを、私は作りたいんだな」って思えたきっかけですね。

みなさんが踊って笑顔になってるっていうのを見るのが、私にとって1番の宝物だなと思って。

濱田 Peco 美和子さんいわく、「思えば、TUBEも、大江千里さんも、浜崎あゆみさんも、会場全体が一緒になって踊れる振り付けをしてきた」

Pecoさんがつくるのは、ダンサーが観客に「見せる」ダンスではなく、人と人を「つなぐ」ダンス。
今日も、きっとどこかで、笑顔がはじけます。

Pecoさんのライヴが、クリスマスにあります。
元ユーミンのコーラスだった女性3人で「みみみ」というグループを組んでらっしゃるんですが、そのみみみのライヴが、2012年12月25日(火)の夜、渋谷のライヴハウス、DESEOで行われます。

Pecoさんによると、「歌って踊って笑って、みんなで楽しいクリスマス・パーティ!になりますよ」とのこと。
情報。チェックしてみてください。
» みみみクリスマスらいぶのお知らせ♪