2012/6/15 イタリア パルマ

イタリア北部の小さな街パルマ。中心部のガリバルディ広場からロマネスク様式のドゥオモを望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。今朝はヘルシーな軽い朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今週はイタリアのパルマです!

経済の中心地ミラノからクルマで1時間あまりの小さな街パルマ。
グルメの国イタリアでも、パルマ周辺はイタリア料理に欠かせない食材で有名な場所です。

中でも「パルミジャーノ・レッジャーノ」という硬いチーズは世界的な知名度があると言えるでしょう。
その作り方は搾った牛乳をひと晩おいて、分離した乳脂肪分を取り除いた材料に、その日の朝に絞ったばかりの牛乳をまぜるというシンプルなもの。しかしフレッシュ・チーズとしては出荷されず、水分を完全に抜いて、1年から3年、またはそれ以上も熟成させ、30kg以上の塊として硬くなったものが製品として世に出ます。
そして原産地での認定を受けたものだけが「パルミジャーノ・レッジャーノ」と名乗る事ができます。

積み上げられて熟成庫で眠る長い熟成期間の資金繰りのために現物は銀行が管理するという事もよくあるのだとか。
価値が保証された、確実な資産ということでしょうか。

さまざまな食べ方の中でも朝はシンプルに

この「パルミジャーノ・レッジャーノ」は、日本では粉状に削ったものを、パスタに振りかけるというスタイルでポピュラーになりましたが、現地ではそれ以外にもさまざまな食べ方があります。
例えば薄くスライスして、牛肉のカルパッチョの上に乗せる食べ方や、大きな「パルミジャーノ・レッジャーノ」を半月の形に切って、チーズをくり抜いたくぼみの部分で熱いパスタをあえるなど、料理にあわせて工夫を凝らしています。

朝ごはんには、専用のナイフで一口くらいの塊に崩して、それを少しずつパンとともに食します。
もちろんバジルやルッコラといった野菜と一緒に、オリーブ・オイル、そしてバルサミコ酢をかけてどうぞ。

先月2度にわたってイタリア北部を襲った地震で、現地では大きな被害がありました。
「パルミジャーノ・レッジャーノ」もまた熟成中のものが落下して、割れたりするなどしましたが、年間の供給量全体の10%程度の被害で今後の出荷や品質には問題ないそうです。パルミジャーノ・レッジャーノ協会のウェブサイトに、被害にあった工房のリストもあります。