2011/11/4 世界の年金事情

さて、年金の制度が揺れています。
「受給できる年齢が引き上げられる」という案も浮上し、世代による不公平感もでてきています。
そもそも年金のシステムって、あの国ではどうでしょうか? 今日も2カ国をコネクト。

ズバリ、年金だけで暮らしていけるのですか?

ブラジル、サンパウロ。吉川真由美さん
「できません」

スウェーデン、ストックホルム。矢作智恵子さん
「それなりにできます」

公務員ではなく、一般的な民間企業に勤める方の制度について教えた下さい

ブラジル、サンパウロ。吉川真由美さん

民間および公企業の従業員を対象にする一般社会保障制度・企業年金のほかに、個人年金保険も存在します。
企業年金は雇用主が一部負担しながら運営されるに対し、個人年金保険は、特定の企業に所属していなくても、個人的に希望者は加入できる制度になっています。
退職による年金は、男性は、35年間の勤務期間、女性は30年間の勤務期間を終えた場合もらえることになっているが、最近、制度が変わりつつあり、年齢と勤務した年数を合わせて、男性は95、女性は85、になることで受給する制度を政府が考えています。たとえば、女性の場合、55歳で、30年間勤めていることがその条件になります。

年金だけでは、生活できないため、多くの高齢者はまだ働き続けています。
高齢化社会が進むにつれ、年金制度がますます厳しくなる可能性があります。

北欧諸国は制度が充実した印象がありますが……

スウェーデン、ストックホルム。矢作智恵子さん

基本的には働き始めたら自動的に税金としてお給料から徴収されることになります。

スウェーデンの年金制度は、それぞれの労働者が自分の所得の18.5%に固定された年金保険料を毎年納めています。
内訳は、所得年金として16%、プレミアム年金として2.5%。64歳まで、毎年コツコツ年金受給額を積み上げて、65歳に退職する際にもらえる年金はそれまでいくら稼いだかによってよって決まります。年金をたくさんもらいたかったら、スキルを磨いて収入をあげて、できるだけ長く働ければ、それだけ年金額が多くなるというわけです。
保険料を納めることで喜びを感じる(?)という仕組みとなっています。

現在では67歳で定年を迎えることも可能で、長く働いた分年金の受給率も高くなります。

ほかにも、最低保証年金として低所得者、または収入がない人のための年金などもあります。これは生涯の年収に関わらず一定の期間住んでいれば国民全員がもらえる最低額年金です。他にも個人で掛ける個人年金(民間の保険)や雇用者が払う雇用年金などもあります。ここ数年、個人年金に加入している人がかなり増えています。
やはり将来に向けて不安を抱えている人が増えているのだと思います。
「年金に満足しているかどうか」は個人差がかなりあるとは思いますが、最低保証年金などもあるのでそれなりに生活ができているとは思います。