2011/3/25 ピース・ウィンズ・ジャパン

東北関東大震災の被災地で 支援活動をしている団体の中から、特定非営利活動法人 ピース・ウィンズ・ジャパン(Peace Winds Japan)の斎藤雅治さんにお話を伺いました。

地震発生の翌日、2011年3月12日の朝。
ピース・ウィンズ・ジャパンはすでにアクションを起こしていました。

2011年3月12日 土曜日の時点では、現地に調査に行くミッション。
これは民間のヘリコプター会社の協力もいただいて、土曜日はそのヘリコプターが日帰りで現地の状況を調査する。 その報告を受けまして、実際どこで支援をしたらいいかを考えましたので、そのヘリからの情報と、もうひとつは、実際に私どもがこうした場合に活用することを検討している避難所用の緊急用テントがありまして、それを積んだチームはすでに陸路で東京をスタートしていました。

ヘリが目指したのは、協力企業がある宮城県名取市。
しかし、上空から見たところ、そこでの支援活動は難しいと判断。
また、分かったことは、宮城県の北部の被害が甚大である。
ならば、そこで活動をすべきである。
ピース・ウィンズ・ジャパンは、気仙沼市を中心に支援を行うことを決めます。

気仙沼が、私たちが訪問したところのなかでは被害が最も甚大であるという感じだったんですね。
実際、市の災害対策本部の避難所担当の方とお会いして、状況を伺いまして、明らかに食べ物から足りていないということ。 それから、避難所のなかのスペースも限られていて、避難所にいる方の生活の支援というのが、まだまだ全然、食事も充分提供できてないとか、届いた分をとりあえず配っているという状況でしたので。

2011年3月14日 月曜日。
陸路で向かっていたチームは、新潟経由で気仙沼へ。
さらに、東京から 空路、別のチームが気仙沼へ飛びます。

避難所運営を助けるということで、先ほど言いましたエマージェンシー用のテントが100人くらい収容できるものがあるんですが、それを積んで再び月曜日に気仙沼に向かっています。

車で新潟経由のチームもそのテントを持って行ったんですが、実際行ってみると、避難所は現地すごく寒くてですね、私どものテントは屋外に設営するものなので、実際テントは避難所としては使っていないんですね。 我々が想定していたテントを使って避難所運営という活動が出来たわけではないんですけども……

で、避難所を2つほど視察に行きました。 気仙沼市内の避難所ですね。

一番大きな避難所で総合体育館というところがありまして、もうひとつは気仙沼中学校と、この2カ所の避難所を見に行きまして……食べ物がないとか、寒いとかいうことも、もちろんあるんですけども、まずその情報がないと。 現地、携帯電話がまったく通じない状態でしたので、自分が助かっていても親戚とかそういうところに連絡する方法がないと。 私たちは現地に入るときに、衛星を使った電話を持っていましたので、その衛星電話を連絡のために使ってもらうサービスを提供してはどうかということで、現地で一番最初に始めた活動はその衛星電話を開放するサービスを行っています。

「衛星電話を開放して、被災したみなさんに使ってもらう」という活動に加え、さまざまな救援物資を届けるアクションがスタートしました。

まだまだ食糧も、あたたかい食べ物が提供されているところはごくわずかで、そもそも食べ物が量的にも足りていないということですね。 それから、燃料の話ですけど、ストーブだったり、ストーブのための灯油も足りていない。 寒さをしのぐものが、暖房もないし、我々も提供していますが、お布団もないし毛布もマットレスもない。 もちろんお風呂もはいっていませんが、着替えがないので、避難したときの洋服で過ごされている方が大部分なので、すべての避難所で、避難所で生きて行くために必要なものが足りていない状況が続いています。

ピース・ウィンズ・ジャパンがこれまで現地に届けたものは、掛け布団、マットレス、おむつ、粉ミルク、雨をよけるビニールシート、お菓子、果物、そして、ストーブと灯油など。
ストーブについては、ここ数日で500台を準備。
灯油とともに、順次、避難所へ持って行く予定です。

もうちょっと局地的な災害であれば、被災地から離れればモノが買えると思うんですが、今回は被災地のエリアが広くてですね、また一部では買い占めという話もありますので、私たちがマーケットで買えない。 なので、今は、企業さんからお申し出いただいた物資をその想いとともに現地に届けて、実際に災害対策本部に渡すだけだと、被災者のところまで行き渡らないこともあると思うんですね。 なので、災害対策本部と調整して、必要なところまで運ぶ、交通整理をしている感じですね。

最後に、ピース・ウィンズ・ジャパンの斎藤雅治さんからのメッセージです。

現地、本当に、避難されている方々もそうですし、実際その方々に支援を展開している市町村の方々、自衛隊の方々、いろんな方々が関わって、とにかくこれだけの被害を受けてしまった方々の支援ということで、それぞれが全力を尽くしてやっていますが、なかなかほんとうに上手い形でこの支援を支援が必要な方々の手元に届けるのをどうやって継続していくかですね。 食べ物も燃料も一回届けて終わる話ではないので、これからどんどんどんどん途切れなく、いろんな支援物資をこれからずっと続けることになりますので。

これは、みなさんの力を合わせていかないと乗り切れる災害ではないので、今後もみなさんの協力が必要になってくると思います。

支援物資は、途切れなく、ずっと、送り続ける。
力をあわせて、必ず届ける。
それには、あなたの力も 必要です。

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