2010/12/24 マクロミルのHidden Story

今週は、インターネット・リサーチを手がける会社マクロミル。
ネットでリサーチ、というアイディアは どのようにして生まれたのか?
そして、どんな壁にぶつかり、乗り越えてきたのか?
その情熱に迫ります。

株式会社マクロミル。
ネット・リサーチを手がける会社です。
代表取締役会長兼社長は、杉本哲哉さん。
まずは、会社設立に至るきっかけについて伺いました。

はっきり「やろう」と思ったのは、会社ができる、半年くらい前ですかね。

1999年の秋だったと思うんですが、前の会社リクルートにいたとき、後半くらいが新規事業開発をしていまして、そのときに、今までにないサービスとか今までにない商品を考案して世の中に送り出すというきっかけを作ったりとか、最初の段階でスタッフとして動く仕事をしていたんです。
そのときに、「インターネットを使って求職する人ってどのくらいいるんだろう」とか、「ネットで宿を予約する人はどのくらいいるんだろう」とか、そういうことを調べる機会が出てくるんですね。 で、かつてから、例えば郵送で調査するとか、電話で調査するという手法があったんですが、時間もかかるし、時間がかかればお金もかかる。
「手間ひま・お金がかかるんだな、調査っていうのは……」と思っていたんですよね。

従来の調査方法は、時間もお金もかかる。
しかし、インターネットを使ってみれば、どうだろう?

そこから、思い立ったら、いてもたってもいられなくなって、多分、自分のような人間が着想するくらいだから、日本のなかにも同じようなことを思っている人がたくさんいるだろうし、ましてや世界だったら……と考えたら落ち着かなくて、気が急いて、急いて、同じ会社名でドメイン取らなきゃとか、いろいろやっていくうちに、これはひとつのビジネスに育てていくに値するのではないかと、自分のなかでも高まってきて、それで会社に退職届けを出して、2000年の1月に会社を設立して、本格的には4月から5人で会社を始めたというのがきっかけだったんですよね。

そのとき、杉本哲哉さんは32歳。
所属していた会社を飛び出して、5人で新しいビジネスをスタートさせました。
最初に構想していたのは、調査票の作成からデータ収集まですべて機械化しておこなうスタイルでした。

お客さんから新しい商品が出るので調査をしたいと言われた場合、ほとんど私たちのパワーを介さず、お客さんに私たちのシステムに入ってもらって、アプリケーションサービスをネットで提供できるんかないか、と思っていて、ほとんど人手がいらないんじゃないかと思っていたんですね。

ただ実際は、お客さんからこういうアンケートをとりたいというご依頼をいただいたら、それなりにご相談に応じないといけないとか、パネルの抽出もお客さん自身でやっていただくケースよりは私たちで抽出していくとか、簡単にいうと、職人的専門的知見をほとんどシステムに落とし込んでいけると思っていたんですが、人間の能力って秀でていて、機械に落とし込んでいくことができないことも多い、というのが割と早い段階で分かりまして、「これは大変なことを始めてしまった」と思ったこともありましたね。

インターネットを通じて さまざまなリサーチを行う会社マクロミル。
創業当時は、こんな壁もありました。

最初、調査モニターはゼロなんで、会社飛び出したころは。
で、ベタな方法ですけど、ポータルサイトに広告を出して、すごく高かったんですけど。

「調査モニターを募集してます」というバナーを出しても、びっくりするくらい少ない人数しか集まらなくて、そこからはですね、ある有力なサイトに広告を打つという方法ではなくて、いわゆるアフィリエイト広告、結果としては5,000くらいのサイトにアフィリエイト広告を出して、非常に多種多様なサイトからモニターを集めたんですね。

マクロミルは、リサーチ会社としては異例の イメージキャラクターを設定、印象的なコマーシャルを作成しました。
2000年の創業から4年弱で、東証マザーズに上場。 売り上げは右肩上がり。 数多くのリサーチを手がけました。

そんな中で、印象に残る調査とは?

印象に残るというのは、大きく2つに分かれていまして、ひとつは、すごく小さい個人とか小さい会社が自分たちのサービスや商品をよくしようと思って利用していただいたケース。 もうひとつは、大きな会社がものすごく大きな規模で調査をするケースと、私の中では2つに分かれます。

やっぱりその、ものすごく大きい規模で、例えば、「各都道府県からきっちり100人ずつ、47都道府県で5,000人近いですね、サンプルを採取して、毎月定点で調査したい」となると、なかなか郵送調査とかでやると大変なんですけど、ネットだと実現できる。 また一方でそれこそがネットリサーチの真骨頂だと思うのは、一個人とかごくごく小さな会社が利用していただいたときが印象に残ってますね。 地方の老舗の旅館がネットリサーチを使ってくださったとか、故郷に帰って美容院をやるという方が使ってくださったとか。

インターネットだからこそできる調査。 インターネット経由だからこそ 依頼することができた調査。
今やマクロミルが手がける調査は 年間1万5,000件にのぼります。

およそ600人の社員を率いる杉本哲哉さんへ、最後に伺いました。
仕事の哲学。 どんなことでしょう?

私が仕事をする上で大事にしているのは、「まず理想を追うこと」ですね。

理想を追うには、その仕事、その作業の理想がどこにあるのか考えないといけないので、本質をですね、エッセンスだけを見ることが大事になってきますよね。 要は何なのか?その理想を置いて徹底的に追求するというのが忘れずにやっていることです。
もうひとつですね、「それを楽しむ」ってことが大事だと思っていまして、悲壮感を持って辛い辛いとやるのは長続きしないんじゃないかなと思います。
なので、一回方向とゴールが決まったら、あとは楽しむ。

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