今朝は、イタリアの北西部の街、トリノとコネクト。
70歳以上のお年寄りに人生談についてインタビューをして、それらをインターネット上に保管する、「記憶の銀行」Bank of Memoriesというプロジェクトが広がりをみせています。
イタリアのトリノで2008年に始まったこの活動。
お年寄りの方たちの人生経験を後世に残そう、という目的で、いまや10か国で展開するまでになっています。
インターネット上に保管すれば、次の、またその次の世代の人たちにも伝えることができます。
「記憶の銀行」を運営する、NPO「MEMORO」の発起人のひとり、Luca Novarinoさんにお話を伺いました。
Bank of Memoriesは友人4人でスタートしました。 昔から、祖父や祖母の昔ばなしを聞くのが好きだったんですが、それだけでは自分たちの家族の話でとどまってしまう。 他のお年寄りの物語も知りたくなったんです。 そこでインタビューをはじめたんですが、ただビデオで記録するだけでなく、お話の内容ごとに分類できる機能をもたせたかった。 それにはウェブというメディアは最も適していたんです。
反響はいいです。 予想しなかったことですが、若者が40年前、50年前の生活はどんなものだったのか、知りたがっているんです。 若者たちが自分の祖父や祖母の話をインタビューしたがっているんです。
企業と手を組んで会社の歴史を語れる人にインタビューをして、社史としてアーカイブにしようとしています。 たとえば、昔のビールの醸造方法について話してくれる人をインタビューしたり、昔の銀行業務について語れる人にインタビューしてコンピュータがなかった時代、どのように口座管理や送金をしていたか教えてもらったり。
これはですね。実は戦争なんです。 ひとつの世代が体験した非常に重いテーマです。 ただ、話してもらう方のこと自体、みんな知らないでしょうから、まずその方がどんな人生を歩んできたかに関心があると思います。
何を話してくれるかは、その人にお任せしています。 気の進まないことを無理に話してもらう必要はなく、話したいことだけ話してくれればいい。 ただ、お年寄りの方のなかには、「自分の話に今の若者は耳を貸さない」と思っている方もいらっしゃるので、孫の世代にむけて自分のことを話せるこうしたことを喜んでいるんです。
そもそもお話いただいた内容が真実なのか、どこまで嘘なのか、私たちには判断できません。 だから、一旦アーカイブとして保管された内容をどうとらえるかは、受け手側の判断でもあるんです。
「記憶の銀行」の日本バージョンが立ち上がったばかりです。 ウェブ上に日本語のインタビューがあがっているのはなんだか信じられない気分。 記憶というのは世界の人が共有できるもの。 そして異なる世代の人たちの、異なる物語を分かち合えるというのは素敵なことです。 まだまだほかの国にも広がりつつあるんです。
記憶の銀行に残す内容は1940年以前に生まれた方、つまり年齢にして70歳という条件があるんです。 私は35歳なので、まだ先のことでどんな話をしたいか考えられない。。。