2010/2/26 Personal News

日本経済新聞がまるごとインターネットで読める、ネット新聞の発行を、日本経済新聞社は、おととい水曜日に発表しましたね。
そして、ネット広告費が新聞広告費を上回ったという発表も今週ありました。
紙の新聞、今大変な状況です。

そんななか、複数の新聞から、ビジネス欄、社会欄、スポーツ欄、地方欄とそれぞれ読者ごとに違う新聞のページをザッピングして一つにまとめた新聞が発行されました。

その名も「Personal News」。
ひとりひとりのために、カスタマイズされた新聞です。
なので、それぞれの発行部数は1部のみ。

発行したのは、スイス・ポスト。
郵便局?

どうやって一部だけの新聞を発行するのでしょうか?それもなぜ郵便局が?
スイス・ポストのスポークスマン。 Mariano Masseriniさんに伺いました。

スイスでも新聞離れは顕著ですか?

はい。新聞を読む人は少なくなってきています。
さらに今、新聞は不況による広告収入の減少という危機にも直面しています。
そんななか、新聞社による人員削減で職を失った人も多いという状況。

新聞業界が厳しいのに、なぜ発行部数がきわめて少ない新聞、Personal Newsをスイス・ポストが手掛けることにしたのですか?

まず、Personal Newsのシステムについて説明しましょう。
これは読者自身が、複数の新聞から自分で読みたい記事をクリッピングして、パッチワークのようにしてひとつの新聞を作る、というもの。

購読者は、スイス・ポストと提携している複数の新聞から、たとえば、経済面はA新聞、スポーツ欄はB新聞、地方面はC新聞を選んで、インターネット上でオーダーすることで一人一人テイラーメイドの新聞ができます。
このチョイスは毎日変えることが可能。
その後、各新聞社から、ジュネーブにあるスイス・ポストの印刷所にデータが寄せられ、購読者それぞれに合わせた紙面のレイアウトをします。
電子版でも、新聞の形でも、カスタマイズされたPersonal Newsが朝7時には購読者のもとに届くという仕組み。

なぜ、Personal Newsを始めたか、というとこれは、2008年12月から2009年7月までの間、ビジネスとして成り立つかどうかリサーチするためのパイロット版でした。
募集によって選ばれた100人の市民に新聞が、1,200人以上の市民に電子版が無料で届けられました。
現在は、読者からのフィードバックを分析し、ビジネスモデルを作成中。
ただ、スイス・ポストはあくまで読者と新聞社の仲介者であって、新聞社と競合するものでは決してありません。

なるほど・・・
それぞれの人のニーズに合わせた新聞を集約することができるのも、その背景には、そもそも新聞の配達をスイスの郵便局が集約して行っている、ということがあるんでしょう。
日本のように新聞ごとに別の専売所が配達を行っている国では考えつかないアイデア。


Personal Newsの購読者にはどんな方たちが多かったんでしょう?

思いのほか、購読者の大部分は40代の高学歴の男性。

そういった読者からの反響はどうでしたか?

読者からの反応はよかった。
そしてPersonal Newsは新聞のあり方に革新をもたらすような試みなので、新聞社からの関心が高い。


え、新聞社からはビジネスにとって脅威だ、とライバル視されませんでしたか?

実は、Personal Newsを購読したからといって、それまで読んでいた新聞の購読を止めてPersonal Newsに流れてしまうという現象はみられなかったんです。
そのことからもPersonal Newsが新聞社のビジネスを奪うものではなく、あくまで補完、補うものであることがわかります。


マッセリーニさんご自身はPersonal Newsを購読されたんでしょうか?


はい購読しました。電子版を毎朝7時半前には届けてもらいました。

スイスの新聞、ドイツの新聞、アメリカの新聞を混ぜてもらったんですが、アメリカの「デンバーポスト」のマンガを毎朝楽しみにしていました。


デジタル郵便受け事業、Swiss Post Boxについて教えてください。

スイス・ポスト・ボックスはいわば、バーチャルの郵便受け。
あなた宛てに投函された郵便物を、郵便局がスキャンしてデジタル化し、それをe-mail boxに送ります。
これによって世界中どこにいても電子デバイスがあれば郵便物の内容を知ることができる。
このサービスはスイス国内だけでなく、ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアでも利用できる。