ドバイに誕生した世界一の高層ビル、ブルジュ・ハイファ。 話題になっています。
賛否両論あるかと思いますが、新しい建物を建てる場合、最新テクノロジーを使うことでエネルギー効率がよくなり、“長期的には環境への負荷が少ない建物”を作ることができるということも事実です。
そんなこともあって、従来は歴史的建造物の保護にうるさかったイタリアのなかでも、商業の都、ミラノを中心としたエリアでは新たな建造物の建設が進んでいるんです。
こうした動きがあるなか、新しい建築を一切認めないという大胆な方針を打ち出した街があります。
ミラノ郊外にあるカッシネッタ・ディ・ルガンニャーノ。
個人の土地でも新しい家を建てることができないのでしょうか?
人口1800人のこの街の市長、ドメニコ・フィーニグエッラさんに伺いました。
まず、カッシネタ・ディ・ルガンニャーノ市のあるロンバルディア州では、古い建物を保護する動きの強いイタリアのなかにあって、新しい建造物の建設に積極的なようですが、これはなぜでしょう?
今のイタリアの人たちが住む土地が必要だからです。イタリア人は生きることになみなみならぬ情熱をかけていますからね。
ライフスタイルを維持する必要があるんです。
しかし、開発の一方で、今あるイタリアを守っていくことも必要です。
WWF、世界自然保護基金のレポートによれば、今の人類の生活は、地球の生成可能能力を30%近く上回っているというのです。現代人が求めるままの生活を追求していたら、未来の人たちは暮らせなくなるでしょう。
新しい建物ばかりで食べ物を作る土地がなければ、人間は生きていけない。
だから新しい建築は禁止して、今ある土地には手をつけない方針をとったんです。
多くの市民が農業に従事しているカッシネタらしい政策なんですね。
しかし、街では、新しい建物の建設を一切認めないということから、新しい建物に対する補助金が受けられないという事情もあって、困っているのではないでしょうか?
資金は政府から出るのではなく、大手建設会社から出るんですが、この街に住む人には、既存の建物で空き家になっているところに住んで欲しいんです。歴史的建物が空いているのに、新しい建物を建てるのはおかしいじゃないですか。
イタリアにはおよそ800万件もの空き家が今あるんです。
みすみす環境を破壊することはないでしょう?
でも、新たな建築を一切認めないということは、個人が持っている土地でも自由に建物を建てられないということなんでしょうか。
土地のオーナーには困る人もいるでしょうが、やはり建物は食べ物を作りません。 農作物を生む土地は残す必要があるんです。
では、市の収入減を補うために、どんな対策をお考えなんでしょう?
お金の使い道を変えたんです。本当に必要なことだけにお金を使うことにしました。
私の仕事で使う車はフィアットのパンダなんですが、こうしたエネルギー効率のよい自動車を購入したり、太陽光熱パネルを購入したりしているんです。