2010/1/22 The Last Train from Hiroshima

今朝はアメリカ、NYとコネクト。
アメリカの作家が、広島と長崎の原爆の両方を直接被爆した「二重被爆者」の体験をもとにしたノンフィクションを記しました。

本のタイトルは「The Last Train from Hiroshima」。
日本語に訳すと「広島発最終列車」。
筆者は、Charles Pellegrinoさん。

このニュース、1月8日のこの番組の冒頭にご紹介しました。
著者のペレグリーノさん。
1月4日にお亡くなりになった二重被爆者の山口彊さんを、2年前に取材のために訪問。
そして、山口さんがお亡くなりになる直前にもお会いになっていた。

まるで「核のない世界を」という山口さんの遺志を受け継いだかのように、ペレグリーノさんの著書「The Last Train from Hiroshima」はアメリカで今週火曜日、19日に出版されました。
NY Timesのブックレヴュー欄でも評価されています。
» The Last Train from Hiroshima(NY Times)

アメリカでどんな反響があったのか、また、なぜ被爆者をテーマにした本を出そうと思われたのか、お話を伺いました。


二重被爆者の存在をどこでお知りになったのでしょう?

山口さんを含め、10人ほど二重被爆者がいることを知ったのは高校生のとき。

友人の父親でFBIに勤めている人から聞きました。
彼は戦後、原爆が残した負の遺産について調査していて、彼を通して原爆については詳しく知ったんです。

高校生のころから原爆の話を聞いていたので、アメリカで火星探査機のための原子力エネルギーの開発に関わったり、考古学の研究もしているけれど、いつも原爆の恐ろしさについては身にしみて感じていました。
だから、広島と長崎の二つの都市について被爆者の目を通して語る、という考えは常々私の心のなかにありました。

その後、2006年、山口さんが二重被ばくの体験を語るため、NYの国連を訪れになっていたとき、たまたま、私の友人のスリランカ人が国連に連れて行ってくれたり、偶然ともいえるこうした出来事があったなか、最終的に二重被爆者に直接会いに行って、彼らの体験を本にしようという意思を固めたのは、世界貿易センタービルの跡地に届けられた千羽鶴を見たから。

実は私も家族の一人をあの事件で失っていて、そこで日本人の方で弟を広島原爆で失い、息子を9.11で失った方にお会いしたんです。
そのときには私の心はもう広島、長崎に向かっていました。


本が出版されて、アメリカでの反響について聞いてみましょう。

アメリカ国民は原爆について受け止めることができるようになっている気がします。

出版されるまでは「原爆投下を戦争だったんだから仕方ない」「真珠湾攻撃があったじゃないか」と正当化する人たちからの声を心配しました。
でも、みんな原爆投下を過去の罪を蒸し返すのではなく、今後は絶対このようなことが起きないためにどうしたらいいのか考える、そう捉えてくれているようです。


今後は、二重被爆者をテーマにしたジェームズ・キャメロン監督による映画の製作も控えていますが、どのような映画になりそうでしょう?

私としては日本とアメリカの共同制作の形にしたいです。 キャメロン監督は3Dにしたいと考えているみたいですが、いずれにしてもこの映画は人類にとって大きな問いを提示するものになるでしょう。 それは人類はこのままで生き続けることができるのか、ということです。