2009/10/9 フランス サンマロ

パリからTGVの直行便でおよそ3時間のブルターニュ地方サンマロ。
英仏海峡に突き出た旧市街の城壁の上で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。カフェオレと軽い朝食を食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。

今週はフランスのブルターニュ地方。サンマロです!!

17世紀には海賊の本拠地だったサンマロ。旧市街は要塞のような城壁にかこまれています。「Les clocher de Saint-Malo」という、シャンソンの名曲は、児童合唱団などの定番として、フランス全土でその名前が知られているという有名な場所。
Grande Bretagneつまり英語で言うとGreat Britainから海を渡ってやってきた、ケルト系ブルトン人の言葉や風俗習慣が色濃く残る地域です。
そしてここでカフェよりも多いのが「クレープリー」。
つまりクレープ屋さんなのです。

パリや日本で一般的なクレープ屋さんとは全く違うそのメニュー。

日本でクレープというと、小麦粉がベースの生地に果実やホイップ・クリームなどをまぶした甘いものを連想しますね。
クレープの発祥であるブルターニュ地方は、土地がやせていて、緯度も高いので、もともとそば粉が用いられていて、塩味でハムやチーズなどと食べる、「ガレット」が主流です。
イメージとしては、手打ちでそばを打つ過程で水まわしをして、薄くのばして包丁で切る前の状態のものを焼いたもの。
夜に食べる時は、リンゴのお酒「シードル」などと食します。

最もシンプルなのは砂糖とバター

いわゆる「もりそば」にあたるのは、バターを切って砂糖をまぶした甘辛いテイスト。
ここサンマロの旧市街で食べるのは、朝早くから行列ができる、乳製品を扱う店「ラ・フロマージェ・ジャン・イヴ・ボルディエ」の手づくりバターを使ったもの。
日本のフレンチ・レストランでポピュラーなフランスのバターといえば、フランス中西部の「エシレ・バター」ですが、木のローラーでしっかりと塩を練り込み、木のヘラで叩いて「バターの涙」といわれる余分な水分を徹底的に絞り出すもの。
まさに地産地消のバターなんですね。有塩と無塩の他に、海藻入りのバターもあって、意外と日本人の舌に合う風味です。
これを使うと、「ざるそば」にあたるのかも知れません。
そうするとカフェオレ・ボウルにたっぷり入った、カフェオレが実は「そば湯」に見えてくる。ちょっと飛躍し過ぎでしょうか。

もちろんデザートとしてジャムなどと合わせる事もあるガレット。
ガレットを焼くための専用の鉄板もあるくらい、この地ではポピュラーな郷土料理ですが、クレープとのもうひとつの、大きな違いは、片面しか焼かないこと。

ここに熱でとろけるチーズや卵を焼いている途中に入れて一緒に調理することで、バリエーションも増えるのです。