今朝はインド洋の島国、モルディブ共和国とコネクトします。
1,200もの島々の多くが、海抜わずか1.5メートルというモルディブ諸島。
「世界的な気候変動の影響で、このまま地球の温暖化が進み、水位が上昇すれば、2100年までに、ほとんどの島が浸水してしまう恐れがある」というんです。
これは何とかしなくてはいけない、と国を挙げての温暖化対策に着手したモルディブ。
かなり野心的なプロジェクトが計画されているようなんです。
その温暖化対策プロジェクトの責任者であるモルディブ共和国のMohamed Waheed副大統領にお話を伺いました。
まず、モルディブ共和国における地球温暖化の影響について。
ワヒード副大統領は、今週前半、アメリカを訪問し、ヒラリー・クリントン国務長官、アーノルド・シュワルツェネッガーカリフォルニア州知事と環境問題についてお話をされたということですが、どのくらい深刻なことになっているのでしょうか?
訪米の目的は2つ。 1つは、モルディブが今後10年の間に、カーボンフリー化するための支援を得るため。2つ目は、モルディブにおける麻薬撲滅への取り組みに対する理解をえること。
しかしここでは、地球温暖化問題の話の方が適切。
モルディブは地球温暖化の影響が最も深刻な国のひとつ。
IPCC=気候変動に関する政府間パネルによれば、今世紀末には、地球の水面は50センチから1、5メートル近く上昇すると言われている。
その兆しはモルディブですでに顕著。
人が住む200の島のうち、3分の1の海岸が浸水。
そのため短期、長期的な温暖化対策に取り組んでいく必要がある。
では、温暖化対策として、具体的にどんな計画を進めているのでしょう?
まず私たちの生活スタイルを変える必要がある。 そして、できるだけグリーンなエネルギー、つまり二酸化炭素を出さないエネルギーを利用すること。
先ほどのお話にありました、モルディブをカーボンフリー国家にするという計画。
これは国としては世界初となりますが、化石燃料に代わって、太陽光熱、風力のみで、国内でのエネルギーをまかない、海外からやってくる飛行機による二酸化炭素は、排出権を購入することで、オフセットする、というプラン。
実現するには、11億ドル必要とも言われています。
GDPが8億ドルのモルディブで、資金調達は大変でしょう。
日本はどのような形で援助することができるのでしょうか?伺いました。
日本はモルディブの環境保護、温暖化対策に真っ先に力を貸してくれた国のひとつ。 日本の援助のおかげで、首都のマレがある島の周りに防波壁を建設することが出来、津波の被害を最小限に抑えることができた。 また、日本政府の支援で太陽光熱発電システムの導入も実験的に始まっている。 その様子をみながら、このシステムをさらに広いエリアで導入することを検討したい。
しかし、仮にカーボンフリー化が実現したとしても、それが気温の上昇を、モルディブ諸島が海に沈まないくらいレベルにまで抑えることができるという保証にはならないと思います。
副大統領はどのようにお考えなのでしょうか?
その通り。 しかし、世界に地球温暖化のインパクトを訴え、二酸化炭素の排出の削減を呼びかける以上、まず自分たちが実行しなくてはなにも始まらない。 またモルディブのような国でもカーボンフリー化ができるということで、世界の国々でもできるんだ、ということの証明になる。 すでに、モルディブのリゾート島のいくつかでは完全なカーボンフリー化が進んでいる。 島から、国へ、どんどん広がっていく。 モルディブのため、ひいては世界のためということになる。
そこまでしなくても、38万人の住民すべてが近隣諸国に移住すれば早いんじゃないの?
という辛辣な意見もあると思います。
あと最低でも100年はモルディブに住む、というつもりだった。 われわれの祖先はこの地で何千年も住んできたのだから。 なので、この地球温暖化で国がなくなるかもしれない、というのは悲しい。ならば、できるだけきれいなままのモルディブで暮らしたい。
アメリカを訪問した際に、いろんな考えを持った人と会い、そのなかには、二酸化炭素を集め、地中に埋めてそれを新たな燃料にするという計画を進めている人もいた。
何か変えることができそう。確かに国をカーボンフリー化するより、国民すべてが移住した方がお金はかからないという声もある。
しかしモルディブには私たちのライフスタイルがあり、文化がある。
これはお金の問題ではない。
私たちのアイデンティティーを捨てさせ、環境難民にすることはできない。