2009/6/5 世界のドラッグストア

今週のテーマは「世界のドラッグストア」です。

風邪薬などの大衆薬をコンビニやスーパーで24時間販売するなど規制が緩和された改正薬事法が、6月1日からスタートしました。
家電量販店にもクスリが置いてあったり、その変化を実感している方も多いのではないでしょうか。
一方改正薬事法の施行前に国民や事業者等が寄せた「パブリックコメント」は1万件ちかくで、およそ約85%がネット販売規制に反対する意見だったというのですが、こちらはその声が届かず規制が強化されています。
世界の「クスリの販売事情」はどうなんでしょうか。

日本のマツモトキヨシのような形態のドラッグストアはフランスにはない。

パリ、デヴィアンヌ・園子さん

鎮痛剤、風邪薬を含め大衆薬でも、薬局=ファーマシーでしか販売できない。
ただ、それだけでは薬局が商売としてやっていけないので、化粧品、アロマ製品、サプリメントなども扱うようになっている。
安売りはないので、アメリカや日本のドラッグストアとは違う。
地域の人口に比例して薬局の数が決まる許可制なので、チェーン展開もありえない。

日曜日は原則として安息日なので、薬局もお休みだけれど、地域にひとつは日曜日も営業するという体制。それでも24時間オープンというのはない。

まさにマツモトキヨシ的なドラッグストアが食品、化粧品から医薬品まで売っているのが香港では当たり前。

香港、富樫村さん

二大財閥、英国系のSwire集団と香港の伝説的億万長者・李嘉誠の系列のドラッグストアが香港じゅうにあるが、基本的に処方薬は薬剤師のいる拠点店でしか売らないことになっている。
いわゆる町なかの薬局では、日本では処方薬となっている睡眠薬や精神安定剤、ステロイド系の塗り薬、喘息の吸入薬も処方なく手軽に入手できる。

長期的な体質改善のための漢方薬を扱う漢方薬局は根強くある。
薬そのもので治す西洋医学と異なり漢方は「人」が患者の目、舌、脈をみながら処方していく。
だからドラッグストアが漢方薬を扱うことはできない。
カゼ、頭痛といった、すぐに症状を改善したい時は西洋医学、体質改善なら東洋医学と使い分けている。