2008/12/26 パーキングエリア「パサール幕張」のHidden Story

今週は、年末年始に利用される方も多いでしょう高速道路のパーキングエリア。 今年オープンしたパサール幕張のHidden Story。

なめらかプリンの「パステル」、独自の食事法に基づいた「ZONE GELATO」、ドーナツやベーグルを扱う「ドーナッツ・プラント」。
さらには、和菓子屋さんに、お惣菜のお店も並んでいます。
一貫しているのは、落ち着いた雰囲気のディスプレイ。

ここは、デパートの地下食品売り場、ではありません。
京葉道路のパサール幕張。高速道路の商業施設型パーキングエリアなのです。

やっぱりエキナカとかショッピングセンターなど、とっても洗練された素敵なお店が多いじゃないですか。そういったお店を高速道路に作ってもいいじゃないか、というところから始まるんですよ。エキナカ、って最近素敵ですよね、デパ地下、元気じゃないですか。そういうところを参考にするところから始まるんですよね。

「2005年の日本道路公団民営化によって、“大きく変わったな”と利用者に感じてもらえる施設を作ること。 これが最初の目標でした」
こう語るのは、パサール幕張の館長。 ネクセリア東日本株式会社の中村吉秀さんです。

女性に来ていただけるようなお店を作ろうじゃないかというのが大きな柱だったんですよ。女性が、例えば旦那さんを連れて行くとか、彼氏を連れて行くとか。 世間ではそういうことが起きているので、それを高速道路でも実現したかった。

それまではトラックをはじめとする商用車のドライバーさんが利用することの多かったパーキングエリアを、女性が積極的に「ここに行きたい」と思うパーキングエリアに。
コンセプトは当初から揺らぎませんでした。しかし・・・

京葉道路って、商用の車が結構多いんですよ。そうすると、状況を見ている我々の会社の人からは、そういう女性向きのお店を作ったって、お客さん来るのかと。そういう懐疑的な声は確かにあったんですよね。

しかし、チームは 信じて 走ります。
出店してくれるお店との交渉が始まりました。
今年オープンした 京葉道路の商業施設型パーキングエリア「パサール幕張」。
実は、上り線と下り線で 雰囲気がかなり違います。

東京から千葉に行く方は下りですが、こちらは東京気分ということでお店作りをしています。千葉の方が東京へ遊びに行ってその東京の思い出を持って千葉へお帰りいただく。そういうときに、東京らしいお店で東京らしい商品をお出ししてお帰りいただく。 逆に上りは、東京から千葉へ遊びに行かれて東京に帰られる、ということで千葉気分。千葉らしい商品をたくさん並べました。

下り線は、デパ地下をイメージしたお店づくり。
上り線は、千葉の「醤油倉」を象徴したデザイン。
いずれも共通しているのは、高い天井に 光が差し込む大きな窓。
これも高速道路のパーキングエリアでは画期的な試みです。

ああいうものを作ろうとするとコストがかかるんですよ。 天井高いと高所作業になりますし、ガラス面が多いとお金がかかるんですよね。 これまではどちらかと言うと、管理する側から建物作りをしていたんですよね。でも、デザイン会社の方と話し合うなかで、使うのはお客さんでしょと。お客さんが楽しくないお店っていうのは流行らないよと。やっぱりお客さんに使ってもらってなんぼですから、だからこういうお店になったんです。


今年の3月に下り線が。 7月には上り線の「パサール幕張」がオープンしました。
当初あった不安の声を打ち消すには十分すぎるほど 女性のお客さんが来店。一部のお店は 行列ができるほどの人気となりました。
そして、東日本エリアでは今後10年間で20カ所程度、こうした施設を作って行く予定だとか。

パサールというのが、幕張のようなお店でなくて、その場所にあったパサールになるはずなんですよ。例えば、東北らしいとか新潟らしいとか、その地域にマッチしたパサールになると思いますので、今、幕張しかありませんが、それぞれの地域にできたときには、また違うパサールをお楽しみいただけると、期待していただいていいと思います。

画一的なパーキングエリアではなく、その地方ならではのパーキングエリア。その時代を反映したパーキングエリア。
ドライヴの途中、立ち寄りたくなる場所がひとつ、またひとつと増えていきそうです。