2008/10/10 「mixi」のHidden Story

今週は・・・やってらっしゃる方も多いでしょう、、、「mixi」のHidden Story。

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今や1500万人をユーザーに持つ「mixi」。その誕生のカギを握っていたのは、ヴェンチャー企業を率いる ひとりの男性でした。大学在学中に「Find Job」という求人情報を扱うウェブサイトを立ち上げ、会社を起こした笠原健治さん。2003年の夏、彼のもとに、スタッフのひとりから提案が持ち込まれます。

何か新しいウェブサービスを生み出したいと思っていて、社内でも検討する機会を定期的にあったんですが、そんな中、うちのエンジニア、当時留学生だった者なんですが、留学生仲間の中で海外のSNSが流行っていると。それをうちの会社でもやってみてはどうかと提案してくれたのが最初ですね。

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SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス。当時、日本ではほとんど知られていなかったこのサービス、、、、笠原さんは すぐに海外のSNSを利用してみました。そして、直感したのです。「うちの会社でもやるべきだ」。社内のスタッフへの説明が始まりました。

実際、説明したときのみんなの反応はですね、まだないサービスということもあり、諸手をあげて賛成、という意見は少なかったですね。むしろ会社としてリスクが大きいんじゃないかとか、自分が使っているイメージ、まわりが使っているイメージがわかないとか、儲かるのだろうかなど否定的な意見が多かったのですが、自分としては是が非でもやりたいと思っていましたので。

笠原さんは こんな言葉で社内を説得しました。「ネット上のルール自体を変えてしまおう。これは、コミュニケーションの方法をまったく新しくするサービスだ」2003年の晩秋。mixi誕生への大きな一歩が踏み出されたのです。

インターネット上に、全く新しいコミュニケーションのスタイルを作る。そんな志のもと、mixiの開発プロジェクトはスタートしました。社長の笠原健治さんを含めた4人のスタッフが毎週水曜日にミーティングを実施。何が必要で何が必要でないのか、、、意見交換が続きました。

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日記、あしあと、メッセージあたりは最初からありましたね。コミュニケーションのインフラにしていきたいと思っていて、そこから出てきた機能なんですけど、メッセージは1対1のコミュニケーションとして基本になるだろうと。日記は、1対N、その人とともだちとのあいだで定期的に使われるコミュニケーション手段になるだろうと。あしあとは、誰が読んでくれたかが分かる。そして、それによって知らない人ともつながっていけるんじゃないかと。。。最後までどうするかとなったのは招待制ですね。

mixiは、誰かに招待されないと利用できません。これが、社内でも最後まで検討された「招待制」。スタッフ内には ユーザーの広がりを危惧する声もありましたが、、、結局、、、「プライベートな話題の出る空間なので招待制というハードルに守られているほうが安心だろう」そして、「誰か知っている人が中にいる状態で入ってきたほうがスムーズにコミュニケーションを楽しめるのではないだろうか」そんな理由で招待制が導入されることになりました。機能の大枠が固まると、システム作りやデザインが急ピッチで進められます。急ぐのには理由があったのです。

どうしても、先にユーザーさんを集めたサービスがどんどん強くなるだろうと思っていましたので、だから、いち早くクオリティの高いものを出すべき、とは思っていました。あと、mixiを立ち上げる直前に海外のSNSを日本人が使い始めるということもありましたので、そこも気になっていましたね。

プロジェクトが動き始めてからわずか数ヶ月。2004年の2月22日、mixiは その姿をネット上に出現させました。最初は、社員20人が招待状をくばるところからスタート、それが1週間で600人、1ヶ月で4300人、2ヶ月で1万人、、、その年の終わりには25万人とユーザーを拡大。その名は日本中に知られるようになりました。

ひとつの進化系として受け入れてもらえるようになっているのかなとは思いますね。コミュニケーションの手段としては、対面以外でいうと、手紙、そして電話。90年代になってメールが始まって、そして2004年からSNS mixiが始まっているという状況ですよね。今後、その重要性は高めていきたいと思いますが、過去、ひとつのヴェンチャーがそういう重要なコミュニケーションのインフラを築いてきたことはなかったと思うんですね。そこに挑戦できるのは挑戦のしがいがある話だと思ってますけど。5年後とか10年後とかの大げさに言えば日本の未来を作っていける サービスだと思っているので、そこは会社としても頑張っていきたいと思っています。

友達の友達は、友達である。ソーシャル・ネットワーキング・サービス mixiを通じて1500万人もの人がつながっています。