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いきものがかり「ありがとう」に隠された秘密

いきものがかり「ありがとう」に隠された秘密

J-WAVEでオンエア中の「SONAR MUSIC」(ナビゲーター:藤田琢己)。木曜はいきものがかりの水野良樹とお送りしています。1月18日(木)のオンエアでは、コードの違いで印象がどう変わるか、解説しました。

音楽を作ったり、音楽について話す時にミュージシャンが「コード」を使ってやりとりをしている姿を見ることがあります。この「コード」とは、和音を言い表したもののことです。

和音は「ド・ミ・ソ」や「レ・ファ・ラ」など、いつくかの音が重なって、ある種の響きを感じさせます。たとえば、「ド・ミ・ソ」はメジャーコードで明るい雰囲気ですが、真ん中の音を下げるとマイナーコードになります。音が少し変わるだけでもイメージが変わるため、音を構築するアレンジャーは、たくさんのコードの響きの引き出しを持っていて、曲のイメージをより繊細に作っていきます。

そこで、コードが生み出すイメージについて、いきものがかりの曲を例に、水野がピアノを弾きながら解説しました。

◯「帰りたくなったよ」

水野:サビが終わると間奏がありますが、間奏が終わったところに、歌の肝ともいえるような“オチサビ”がきます。ピアノとヴォーカルの吉岡だけの…気持ちがキュッとなるようなところですが、その前のコードが、A♭m/ B♭(ビーフラット分のエーフラットマイナー)なんです。この音は不安定な音がします。A♭という明るいコードの方が自然なんですが、アレンジャーの島田さんは、なぜかマイナーコードにしたんです。
藤田:おおー。
水野:不安感があると、その不安を解決させることで、途端に明るくなったり、逆に切なくなったりするんです。「帰りたくなったよ」というタイトル通り、行き場を失って、これからの道を迷っているようなアンニュイな気持ちを表してるんです。それで、次のオチサビが始まることで安心して愛おしくなったり、切なく思えるんです。

◯「YELL」

水野:とても分かりやすい、マイナー調の曲です。マイナー調の曲はマイナーコードで終わることが普通ですが、この曲は最後の音がメジャーコードで終わってるんです。
藤田:確かに!
水野:悲しいメロディだけど、歌詞は前向きな歌なんです。それぞれの未来へと前向きに別れていこうという曲なので、歌詞の先にある未来は悲しいイメージではないんです。だから、最後のコードは未来への希望を感じるコードになってるんです。

◯「ありがとう」

水野:サビ頭のコードはCで、その月と太陽のような関係にあるのがAm(エーマイナー)ですが、この曲のイントロはAmから始まってるんです。暗いところから始まって、歌の頭になるとめちゃくちゃ明るくなって、より効果が増すんです。
藤田:なるほど!
水野:さらに頭サビのメロディが「ドレミファソ」なんですけど、イントロは「ラシドレミ」で、この二つの音はほぼ”対”になっています。非常に構築されたアレンジが施してあります。

と、具体的な音を聴きながらの解説は非常に分かりやすいものでした。ちなみに、「ありがとう」が作られてから早8年、水野はレコーディングをした時のことを今でもよく覚えているそうです!

そのほか、番組では東京スカパラダイスオーケストラと銀杏BOYZの峯田和伸さんのコラボによる新曲も初オンエアしました!

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【番組情報】
番組名:「SONAR MUSIC」
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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