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10年ぶりに改定『広辞苑』第7版と日本語の未来

10年ぶりに改定『広辞苑』第7版と日本語の未来

J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。1月16日(火)のオンエアでは、10年ぶりに大改訂された『広辞苑』に注目しました。

1955年に初版が刊行されてから約60年。『広辞苑』の第7版が今年1月に出版されました。10年ぶりの大改訂で新たに追加になった言葉は1万項目。今回の『広辞苑』がどのように作れらたのか、出版する岩波書店辞典編集部担当者は、ここ10年の言葉の変化、新しい言葉や意味の定着度を吟味しつつ、新項目や新語義を収載したと説明してくれました。

特にIT関連の「スマホ」「クラウド」「フリック」といった新しい言葉や、さらに昔からある項目、日本語の基礎的な語彙である「焼く」「煮る」「炒める」などの細かい意味の使い分けについても書き直したそうです。

新たに140ページ増えたものの、全体の厚さは前と同じ8センチ。製紙会社の技術による紙の薄さで実現された点も注目です。

そんな新しい『広辞苑』の変化について、著書『日本語通』『日本語の奇跡』などでも知られる大東文化大学文学部准教授・山口謠司さんは「追加された言葉で面白いと思ったのが『直箸』。直箸をするような人がドンドン増えてきて言葉として追加されたり、『自撮り』も載っていますが、言葉というのはやはり社会の変化と一緒に歩んでいくもので、社会や人間の生活が辞書に反映されると改めて感じました。」

街で取材したところ「知らない言葉はネットで調べる」という意見が大多数でしたが、改めて『広辞苑』で言葉を引いてみると、その周辺の言葉の美しさや関連語句にも目が行きます。

紙の辞書が存在する異議について山口さんは、「第7版を出した岩波書店の決意、『紙に残す意義があるんだ』ということを見せたかったのかなと、辞書を開きながら思いました。今までのスタイルは変えずに、紙に残すことできちんとした形で残っていく。時間をかけて日本語がどのように変化していったのか研究する楽しみもありますし、岩波書店は夏目漱石の本を出したところから始まりましたが、漱石から始まる現代語の歴史を我々が担っているということを見せる大きな意味もあると思います」と解説してくれました。

また日本語の未来について最後にお聞きすると、「日本語の発音もだんだん変わっています。今後第8版では、意味の変化だけでなく発音の変化なども出てくるのではないかと思います」(山口さん)と予想していました。

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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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