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教科書検定の裏に隠された真の問題とは?

教科書検定の裏に隠された真の問題とは?

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(月曜担当ナビゲーター:津田大介)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。4月3日(月)のオンエアでは、コラムニストの小田嶋隆さんをお招きして、お話を伺いました。

2018年度から小学校で正式な教科となる「道徳」ですが、その教科書が議論を呼んでいます。文科省からの指摘を受け、出版社がその一部を修正。例えば、学習指導要領が示す「我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着を持つ」点が足りないとして、「パン屋」を「和菓子屋」に、「アスレチック」を「和楽器店」に変更しました。また、学習指導要領が示す「高齢者を尊敬する気持ちを育む」ためとして、「しょうぼうだんのおじさん」が「しょうぼうだんのおじいさん」に変更されました。

小田嶋さんはこの件について「ひとつの国家が狂っていく過程は、こういう一見些細な部分から顕在化しはじめるものなのかもしれない」と指摘します。

まず小田嶋さんが問題視したのは、国の一存に従って教科書を修正したという事実。「パン屋」が「和菓子屋」に変更されたという今回の事象自体は些細なことかもしれませんが、この延長には、もっと大きな問題で「国の一存に従う」ということが待ち受けているかもしれません。

そしてもう一つの問題が、国が郷土愛を重要視していること。

「『家族、郷土、ひいては国、共同体の一部であることが人間たらしめている』『一人じゃないんだ』っていうのは、儒教道徳以来、日本人に脈々と流れている思想…だとは思うんです。でも、郷土愛のあるなしを道徳に混ぜるのが、変な話なんですよ。それは個人の問題で、それを道徳の問題に混ぜた瞬間に、郷土に尽くせない人間は出て行けっていう話になっちゃうんですよね」(小田嶋さん、以下同)

郷土愛を強制することは、郷土に愛着を持てない人間を輪からはじいてしまうことになります。これは、一歩間違えたら排外意識、差別意識につながる可能性があると小田島さんは指摘します。学校でもクラス一丸を強制するとどうしても溢れてしまう人がいるように、共同体に対する愛着を強制することに小田嶋さんは問題があるといいます。

「戦前はそれで失敗しました。だから“個”として独立し、“個”として自由を得て、“個”の責任において国と対峙していこうじゃないかというのが戦後の民主主義の根本だったんです。今そこが、もしかしたら教育によってひっくり返されようとしているのかもしれません」

道徳は、来年度から正式な教科となります。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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