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石川直樹 登山の魅力は「景色よりも生還したとき」

石川直樹 登山の魅力は「景色よりも生還したとき」

J-WAVE日曜朝6時からの番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「OPINION」。5月29日のオンエアでは、写真家の石川直樹さんをゲストにお迎えしました。

石川さんは22歳のときに北極点から南極点を人力で踏破。翌年2001年には、世界七大陸の最高峰登頂に成功するなど、世界各地の旅を続けられている写真家です。

ここ数年間は毎年ヒマラヤへ。去年の夏には世界で最も危険な山と言われる「K2」に遠征されています。「K2」は世界で2番目に高い山で、少し変わったこの名称は、カラコルム山脈二峰を略して「K2」と呼ばれています。では、一体どんな山なのでしょうか?

「ルートがどこにもない、すごく難しい山なんですよ。落石とか雪崩とか多くて、一番登りやすいルートを選んでも雪崩だったり落石だったりが頻繁に起こります」(石川さん、以下同)

山は登り方によっては優しいルートが見つかるのですが、「K2」には優しいルートがなく技術的、環境的にも人間には非常にリスクの高い山なのだそうです。「なんでそんなところに登ろうと思われたんですか?」という平井理央の率直な疑問には…

「やっぱり登山をしていると、かっこいい山に憧れるわけで。エベレストはたくさんの人が登っていますけど、K2はそれよりもちょっと低いけど、エベレストの何十倍も難しいので登山家の人たちが憧れる山なんです」

今回の遠征では登頂は果たせなかった石川さん。そこには「K2」の厳しい環境がありました。

「7,000メートル以上のところまで行って、高所順応といって体も順応させて慣れたんですけど、1日に3、4回雪崩が起きたことによって、作っていったルートが全部壊されちゃったんです」

その頻発した雪崩は、ベースキャンプまで落ちてくるくらい大きかったそうです。あまりに危険だっため、撤退を余儀なくされたとのこと。ですが、また挑戦したいと石川さんは話します。

「やっぱり頂上に登れないと悔しいですからね。必ず登りたいですし、これ以上の目標は自分の中にはないので、いつか必ず登りたいなと思っています」

昨年まで毎年ヒマラヤ山脈の山々に挑戦されている石川さんですが、いずれも8,000メートル級の山ばかり。そこまでさせるヒマラヤ山脈の魅力はどこにあるのでしょうか?

「やっぱり、“垂直の旅”と“水平の旅”というのはちょっと違って、水平方向に行く旅はどこまででも歩いて行けちゃうんですけど、垂直の旅は、体を使い果たすような感覚があるんです。登って下りてくると自分の中が空っぽになって、全部細胞から生まれ変わるじゃないけど、そういう使い果たし感があるのがヒマラヤの遠征で。そういうところに惹かれているかもしれませんね」

石川さんにとって、山頂の景色よりも生還したときの“自分を全部使った”という感覚が一番の魅力なのだそうです。

「たった2、3ヶ月なのに、何年間もやってきたことが濃縮されている感じもあって。僕は学校みたいな場所だと思っているんですけど」

石川さんが旅の中で撮られた写真集には、私たちが知らない世界の魅力がたくさん収められています。ぜひ一度ご覧になってみてください。もしかすると、あなたも山登りの旅に行きたくなるかも?

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

藤巻亮太、ヒマラヤで「3月9日」歌うも途中でやめる(2016年05月22日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/39.html

エベレストから宇宙の色が見える?(2016年04月24日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/04/post-1450.html

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