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装丁家 村上春樹の装丁で「変なお腹の痛さ」

J-WAVE金曜の番組「-JK RADIO-TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「MACROMILL THE HIDDEN STORY」。10/18のオンエアでは、本の装丁を手がける装丁家、大久保明子さんが登場しました。

株式会社文藝春秋のデザイン部に所属している大久保さん。これまでに装丁を担当した本の数は、およそ1,000冊にものぼるそうです。

私たちが普段目にする本の装丁ですが、どのような流れで作られていくのでしょうか。大久保さんによれば代表的なのは、編集者が1カ月半~2カ月くらい前に原稿を持ってきて、読む前にデザインはイラストレーターに頼むのか、絵にするのか、文字にするのかなど編集者に希望を聞くそう。たとえば編集者が絵でいきたいとしたら、その絵を「誰に頼むか」と考えながら原稿を読むそうです。

ここ最近の本の装丁で印象深かったのは、やはり、村上春樹さんの小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』だったという大久保さん。

超大物作家の新刊ということで、世間一般にはもちろん、社内ですら秘密で本を作っており、ラフ(おおまかな下書き)を作る段階でも、会社に早朝に行ったり、休みの日に行ったり、プリントアウトもすぐに回収したりと、かなり気をつかったとか。さらに、書名が公表されてからもビジュアルは発売日まで絶対に秘密だったそうで「そういう意味で緊張して変なお腹の痛さが……(笑)」と大久保さんは話しました。

「色彩を持たない……」というタイトルでしたが、作品には色の名前がついている登場人物が出てくるので、カバーは「カラフルなものにしよう」というコンセプトで考えていたという大久保さん。結果、アメリカの画家、モーリス・ルイスさんの『Pillar of Fire(火の柱)』という作品が採用されました。村上春樹さんは即決だったそうで、大久保さん自身も一番いいなと思っていた絵だったのでとても嬉しかったとか。

年間60冊の本の装丁を手がけている大久保さんは、最後に「紙の本を『いいな』と思ってもらいたい。
そのためにはどうすればいいか、いつもベストを尽くしています」と話しました。作品の数だけ、本のカバーにもストーリーがあるようです。

【関連サイト】
「-JK RADIO-TOKYO UNITED」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

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