今日は今回のハワイ島コナのトライアスロンで出会った、
奇跡のアイアンマン、クレイ・トレスカさんのお話をご紹介します。
マウナラニベイのPR担当ブリーさんが、『うちのチームで
スゴい人がいるのよ、紹介するから!』と言われてお会いしたのが
今回のトライアスロンに出場するアスリートのクレイさん。
見かけはマッチョで日焼けしていて、かなりハンサム。一瞬俳優さんか、
モデルか?といった感じなのですが、彼の着ているTシャツには
『I have cancer, so what's your excuse?(僕はガンなんだ、君の言い訳は?)』
と書いてあります。
え・・彼・・・ガンなの?
まったく想像つかないほど健康そうに見えるクレイさんに
コナでお話を伺うことができました。
クレイさんは、2008年の4月にステージ4、末期のガンの宣告を
うけました。話を聞けば、クレイさんは軍人として湾岸戦争の為、
イラクに駐在して多くの友人を亡くし、アメリカに戻ってきて
すぐに、今度は自分が末期のガンだと宣告されたとかで・・
次から次へと自分の人生におこる悪夢。
とにかく全てを失ったような感覚に陥ったとおっしゃっていました。

クレイさんのHPには沢山のビデオジャーナルがアップされていますが、
これを見ていると、ガンと申告されて手術を行ったあとの彼は、
130kgくらいから60kgくらいまで体重も落ち、髪の毛もなくなり、
まるで別人のよう。

『全てを失うと怖いモノが本当になくなるんだよ。全てを失って泣いてる
人達に僕は言いたいんだ。Welcome to my world、やっとこっちの明るい
世界にくることができておめでとう!ってね。失うものがなにも
ない人間ほど、強いものはないんだよ。』と、アツく彼は語ります。
『自分の家族や友人、そしてなによりも自分に対して、
なんでもできる、なんでも人間は乗り越えることができることを
証明したくて、僕は小さい頃からアイアンマンに憧れていたから
アイアンマンになろう!と病院のベッドで決心したんだよ』と
彼は笑います。

末期がんと診断されて半年後には、病院でトレーニングを開始。
トレーニングといってもベッドの上や病室で腹筋をしたり、
待合室を何度も行ったり来たり往復走って、ナースの人達に
応援してもらっていたそうです。

なんと末期のガンと診断されてから10ヶ月で、トライアスロンに
参加。アイアンマンとしてのデビューを果たします。

その後、奇跡的に回復を遂げた彼は2010年の8月に退院しますが、
未だに肺の機能は70%しか正常に動いていない為、レース中に
ぱったり倒れることもあるそう。
そして勿論、ガンが全くなくなったという保証があるわけではありません。
『アイアンマンに出場する人は誰でもものすごい不安と戦って
いるはずだけど、僕の場合は根本的な身体機能の違いからも
不安や恐怖は実はもの凄いんだ。でも必ずフィニッシュできる。
ってどこかで信じてるし、自分の体は自分が一番よくわかって
いるから、ストップしなくちゃいけない時も自分が一番わかってる。
でもレースの最中に、みんなに迷惑かけて引きずりおろされること
だけは避けたいよ。ま、それはないと思うけどね』というクレイさん。
クレイさんが初めてフィニッシュしたのがこのハワイでの
トライアスロン。

HPにはビデオもアップされているのですが、涙なしには見られません。
フィニッシュラインを目前にしたクレイさんは、道路に膝まづき、
キスをしてガッツポーズをして、涙でぐしゃぐしゃになった笑顔は
まぶしくてまぶしくて仕方ありませんでした。
キスをするクレイさん。

歓声の沸き上がる中ゴールイン。

家族の腕の中に落ちるクレイさん。涙と笑顔でぐちゃぐちゃ。

今年もこのハワイでのトライアスロンに参加したクレイさん。
『勇気とinspirationを与えてくれてありがとう!』というと、
『そんなことないよ、だって誰でもできるんだよ、全てを失ったとき、
自分のチャンスが来たって思ってほしい』。

ああ、ビッグアイランドに来て、クレイさんに会えて本当によかった!
まだ30才のクレイさんの生き方がみなさんにも希望を与えることが
できますように。

Photo courtesy by Clay Treska himself.