今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
「動的平衡」の理論のもと「生命とは何か」
という問いを追究し続けていらっしゃいますが、
福岡さんの研究分野は今年いかがだったのでしょうか?
福岡さん「私の生命論の定義は動的平衡ということで、
それを理論的に考える理論生物学者みたいな感じのを
目指しています。昔はネズミを殺したり細胞をすり潰したり
する実験をしていたんですけど、物理みたいに理論物理学者が
重力波を予言して、100年後に物理学者がそれを
立証するっていうのが、本当の学問のあり方だと思っているので
私は理論生物学者を目指して理論を今まで出してきたんですね。
動的平衡っていうは私のコンセプトの中心なので、
どこか地球の38億年の生命史の最初に偶然ながら動的平衡が
成り立ったんです。動的平衡っていうのは壊しながら
回していくサイクルが成り立っているということなので
そういうことが海底火山の中で物質を壊しながら、
作り変えられるっていうのが生命の起源なんです。
先日新著「動的平衡3」が刊行されました。
福岡さん「動的平衡っていうのは生命論だけじゃなくて
会社組織とか、社会とかスポーツとか組織論に
色々使えて、その辺の本屋さんに売っているような
ハウツー本ではなくて、もっと生命に学んだ組織論として
動的平衡を考えようっているのが「動的平衡3」になっています。
それから、私のライフワークともなっていますが、
フェルメールの研究がありまして、実は2017年は
日本であまり話題になりませんでしたけど、
世界的には一大フェルメールフィーバーが巻き起こって
いたんですね。それはパリのルーブル美術館を皮切りに
大フェルメール展が世界を巡回して年末にはアメリカの
ワシントンで開催されたんですね。37枚しかない12枚が
結集しました。多少内容が変わるとも聞きましたが、
日本もやってくる予定でして2018年秋に来るみたいです。」