2016年04月25日

プリンスが残してくれたもの

こんにちは!亀田誠治です。
BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA
この番組は、人々に愛される曲、
メロディの裏にはどんなストーリーがあるのか?
そして、その曲が愛されるのには、
どんな秘密があるのか?
毎日、レコーディングやライブで
音楽に接している、僕、亀田誠治が解き明かそう!
そんな番組です。

普段何気なく聞いているアノ曲、
昔から耳にしていたヒット曲の知られざるストーリー。
今の音楽シーンとどんなつながりがあるのか?
僕と一緒に探っていきましょう!


第790回目のテーマは…

プリンスが残してくれたもの

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日本では先週木曜日深夜。
現地時間、4月21日(木曜日の朝)、
偉大なるアーティスト、プリンスがなくなりました。
57歳でした。

僕は、夜中の3時頃、椎名林檎さんからのメールで気がつきました。
初めは驚きで、信じられなくて、何のことだかわかりませんでした。
そして、Twitterのタイムラインを朝まで追いかけ情報を見守りました。

この、プリンスの訃報に際し、
多くの、ジャンルを問わない世界中のアーティストが、
続々とコメントを発表しています。

そして、追悼の意を表したのはアーティストだけではありません。
オバマ大統領も、そしてNASAは紫色の星雲の画像をTwitterに投稿。
グーグルもエンパイア・ステートビル、ナイアガラの滝もパープルに…
先週金曜土曜は、東京タワーもライトアップされていましたね。
世界中が、プリンスが、この世を去ったとこを悲しんでいます。
誰からも愛されたプリンス。 誰からも愛されたプリンスの音楽。
プリンスの音楽に一切の妥協を許さないその姿勢から、
僕はたくさんのことを学びました。
いや、たくさんのミュージシャンやアーティストが
同じように学んだと思います。

とにかくプリンスは「音楽」だけをやりつづけた人だと思います。
音楽を作ることで自分を燃焼し、
燃え尽きた自分を、また音楽を作ることで蘇らせる
プリンスは、まさに「音楽」という細胞でできた、
「音楽人間」なのです。

レコーディングスタジオとライブ会場を、休むことなく行き来する毎日。
アルバムが完成すると、もう、次の日には、次のアルバムを作るために
スタジオに入ったと言われています。
今回の突然の死も、彼のスタジオがある自宅のペイズリー・パークの
エレベーターで亡くなっていたというのが、彼らしいですね。

ちなみに、プリンスの多作ぶりを紹介すると、
同じ年に生まれ、同じ時代を駆け抜けたマイケル・ジャクソンが
大ヒットアルバム「Thriller」から
「Bad」までの2枚のアルバムを出すのに、
約5年かかったのに対して、プリンスは、
「1999」「パープルレイン」
「アラウンド・ワールド・イン・ザ・デイ」「パレード」
「サイン・オブ・ザ・タイムズ」まで出しています!
しかも「1999」と「サイン・オブ・ザ・タイムズ」は
2枚組ですからね!
どれだけのハイペースで、
プリンスが音楽作りに没頭していたのかがわかります。

ちょうどこの時期は、僕がアマチュアからプロを目指して
ひたすら宅録にはげんでいた時代とかさなります。
このプリンスの姿勢にどれだけ勇気をもらったことか!

M. Kiss / Prince

20160425_fm2.jpg

音数が少ない!なのに!
こんなにインパクトがあってキャッチー!
聴く人をロマンチックでエロチックな気持ちにドキドキ、
ワクワクさせてくれる。
やっぱりプリンスは最高です!
ちなみに、日本で、こんな音数の少ない作品作ったら、
「デモテープですか?」って言われちゃいますよ。
でも、そんなちっぽけな枠には、
まったくはまらないプリンスの魂。
みんな見習おうね。

「FM KAMEDA」
今日は、惜しくも先週この世を去ったプリンスについて
僕、亀田誠治がお話ししています。

ところで、追悼コメントとしてアリシア・キーズが

「本物のクリエイティブ・フリーダムを示し、限界に挑んだアーティスト」

というコメントを送っています…
まさに、その通り!
プリンスは、セルフ・プロデュースによる、
「プリンス」というアーティストの
品質管理に徹底的にこだわりました。
ドラムからベース、超一流の腕前のギターを、
全部一人で演奏し多重録音したり、
それ以外でも、The Timeや
Prince&The Revolution The New Power Generati onなどの
バンドを結成して、演奏メンバーを固定して、
「自分の音」「プリンスの音」にこだわったプリンス。
プリンスは、どんなに売れっ子であろうと、
ヒットプロデューサーや
外部のミュージシャンを導入しなかったのです。

時代の音にたよらない。
自分の音だけを信じて作る。
だから、他では聞くことのできない
唯一無二のプリンスサウンドが生まれる。

そもそも、自分の作品は、
その作品のことを一番わかっている自分自身が
コントロールするのが一番いいんです。
このピュアなセルフ・プロデュースの哲学を、
音源、ライブ、ビジュアル、
全てに貫いた。これがプリンスです。
これは、世界中の多くのアーティストの
心の支えになったのではないかな。

これが、同じ時代を、クインシー・ジョーンズや
テディー・ライリーという大物プロデューサーと
タッグを組んで、「作品」を
緻密にコントロールしながら作っていった、
KING OF POPマイケル・ジャクソンと、
プリンスの決定的な違いです。

この違いが、まさに、プリンスとマイケル音楽の
違いになって現れていますよね。
マイケルの音楽は、先生と作るから、
とっても「良い子」、
プリンスの音楽は、自己流で作るから、
とっても「わんぱく」。

こうやって考えると、プリンスが音楽界、
エンターテイメント界に残してくれたものは
簡単に言えば「アーティスト発信至上主義」
ではないでしょうか?

才能あふれるプリンスは、
瞬間瞬間で生まれる曲のアイディアを、
自分のスタジオで瞬間パックしてレコーディングする
という環境をいち早くつくりました。
これが、あの有名な「ペイズリー・パーク」スタジオです。
プリンスのあくなき音楽への好奇心と、執着…
それは、決してセレブやスーパースター特有のエゴではなく、
「アーティストは、常に作品作りに集中できる環境中で、
何のしがらみもなく作品を発表するべきだ」
という、ポジティブモチベーションから生まれた行動だと思います。

それでも、プリンスは、制作に没頭するあまり、
当時レコードメーカーとの
1億ドルの(当時125億円!)契約金を、
あっという間に使いきり、
さらに制作費毎度オーバーしていた!
ということです。
これが、音楽をビジネスとして考える、
レコードメーカーと、大きな軋轢を生みました。
その結果、生まれたのが、
あの「オス」と「メス」のマークを掛け合わせた、
何て読めばいいのかわからない記号です。
the Artist(formerly known as Prince)と呼び、
それが後にArtistとなりました。
さまざまなビジネスの「しくみ」が、
時にアーティストを圧迫する、
そんな現代の「ミュージックビジネスの問題点」を、
プリンスはつねに、
アーティストの目線から訴え続けたのです!

アーティストの自由を求めたプリンス。
つねに、自己実現と自己表現のセルプロデュースにこだわったプリンス。
つねに、Time(時代)という言葉にこだわり続けたプリンス。

僕はプリンスのユーモアあふれる頓知が大好きです

たとえばto you を2 U と記号化するのを最初にやったのはプリンス。
これなんて、来たるべきTwitter時代を予言していたみたい。

さらに、40年間、徹底してパープル推しだったり、
ヌードでロータスフラワーに座ったジャケットを出したり、
こんな過剰な自己陶酔と自己実現さえも、プリンスがやれば、
だんだんキュートに思えてくるから不思議です。
これも、彼が、音楽家としてブレていないからに違いありません。

昨年のグラミー賞(僕も現地で見ました!)でプレゼンテンターとして、
ベックに「年間最優秀アルバム賞」を授与したのはプリンス!
その時に「アルバムって素晴らしいものだろ!?」といった
プリンスの言葉が忘れられません。

プリンスを今までちゃんと聞いてこなかった…
あまり知らない…(いいんです!)
聞くべき作品は山ほどあります!
できればアルバムで聴いてね!
これからも、プリンスに音楽のDEEPな楽しみ、
POPな楽しみ、教わりましょう!

20160425_fm.jpg

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「BEHIND THE MELODY〜FM KAMEDA」。
明日とあさっての二日間は、
僕がプログラム・オーガナイザーを務める
「TOKYO MAPS」の見どころ・聴きどころを
たっぷりお話しします!

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STAFF| 22:02 | カテゴリー:BEHIND THE MELODY 〜FM KAMEDA


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