エイミーとジャニス2016年07月12日

時代も国もバックグラウンドも全く違うけれど、
強烈にシンクロしてしまう2本のドキュメンタリー。

共に27歳でドラッグが原因で亡くなってしまった
ジャニス・ジョプリンとエイミー・ワインハウス。
それぞれのドキュメンタリー映画を見た。

まずは7月16日公開の「AMY エイミー」。
最近のアーティストな分だけ映像記録が多く残っているので、かなり生々しく赤裸々な作品。彼女について詳しくなかった僕には知らない事ばかりで、ショックを受けてしまった。

殆どの日本人は洋楽の詞を気にする事もないのだろうが、彼女の曲はほぼ私小説的に実体験が元になっていて、それは恋愛に止まらず、
例えば大ヒット『リハブ』は「ヤク中のリハビリなんかNO!NO!NO!」と歌っている強烈な内容。
だからこそヨーロッパ・北米で一躍有名になってしまい、私生活を隅々まで暴かれて病んでしまったという皮肉。
自己中な父親なのにファザコンで男運も最悪、
それでも愛情に飢えて人生を走り抜けてしまったエイミー・ワインハウス。見終わって絶句してしまった。


そして9月公開、ジャニス・ジョプリンの
ジャニス:リトル・ガール・ブルー」。
ジミヘンと並んで60年代のアメリカのロックを象徴した彼女。文字通り自由奔放に生き、挙句にドラッグでアーティスト人生のみならず自らの命も失ってしまった訳だが、その終わり方は余りにあっけなく侘しい。
所詮常人には理解できない事だけど、ドラッグ無しであの音楽は創れなかったんだろうか・・・。
そう思わざるを得ない短い27年間の軌跡である。

2本とも結末が解っている音楽ドキュメンタリー。
それでも才能と歌声は永遠に語り繋がれるのだ。

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お父さんと伊藤さん2016年07月05日

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淡々としていて決して大作ではないけれど、
上野樹里、リリー・フランキー、藤竜也、三人それぞれの役が醸し出す世代感が、多くの年代の感情移入をし易くしてくれて、自然と心に入り込んでくる秀作だ。

上野樹里演じる主人公・彩は34歳。何気に欠点も多いし、漠然と過ごしている風。バイト先で見下していたはずの20歳年上の伊藤さん(リリー・フランキー)と何となく同居をしている次第。
そんな彼女の元に兄夫婦の家を追い出されたお父さん(藤竜也)がやって来て「この家に住む!生活費は自分で払う!」と宣言、奇妙な共同生活が始まった。

スクリーンは文字通り三人の日常生活を映し出していくのだが、頑固な父と自由な娘が噛み合う筈もなくギクシャクした日々が続いて行く・・・。

さて本作の特徴は描く日常の中で「さあ物語はどうなる?」と急かされる雰囲気にならない処。振る舞いがとっても自然で淡々と 淡々と時間は進んで行き、特別ではない ごく普通の家族・世代の抱える諸問題が少しずつ滲み出てくるのだ。
これは演出と同時に三人の役者さん達の「全て地で行くか?の如く」の演技ゆえ。勿論、素の三人を知るわけではないけれどね。

達者な俳優さん達による物語、見終わって時間が経ってからも反芻してしまう魅力に溢れていた。

お父さんと伊藤さん
10月8日(土)公開です。憶えておいてください。

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©中澤日菜子・講談社/2016映画「お父さんと伊藤さん」製作委員会

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