64-ロクヨン-2016年04月27日

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1年前にNHK土曜ドラマで放送された「64ロクヨン」。
「外事警察」「ハゲタカ」「七つの会議」同様に
実に良く出来た社会派ドラマだったが、
本作「64-ロクヨン-」は同じ原作の映画化である。

舞台は関東北部の県警。
長年刑事を務め現職は広報官の中年男が主人公。
TVではピエール瀧、本作では佐藤浩市が演じている。
他にTV版で柴田恭平が演じた捜査一課長を三浦友和、
さらに綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、
窪田正孝、坂口健太郎、椎名桔平、滝藤賢一、
奥田瑛二、仲村トオル、吉岡秀隆、瑛太、 永瀬正敏 と
主役級が大挙出演する大型作品!!流石大作映画である。

『64』とは平成元年の為7日間で終わった昭和64年のこと。
たった7日間の間に起こった少女誘拐事件を発端に
警察組織内でうごめく軋轢・対立・隠蔽、
そして個々人が抱える事情も相まって緊張感は高まっていく。

この作品で描かれる重要なポイントが
警察のマスコミ対応と
それに対する報道機関との緊張関係だ。

「捜査上の理由」を盾に様々な情報を制限しようとする警察と
それに強く反発するマスコミ側。
保身と思惑でメディアを制圧しようとする県警上層部と
暴発寸前の県警記者クラブの板挟みになり
苦悩する広報官達の姿は、まるで中間管理職なのである。

TVドラマ後の映画化、さらに人気小説が原作だけに
大筋を知っている人も多いだろうが、
重厚な作りで前後篇合わせて4時間が
あっという間に過ぎて行った。


ちなみにTV版で永山絢斗が演じた記者クラブ幹事を
本作では瑛太が担当しており、
実の兄弟で同じ役を演じているのもトリビアか。

64-ロクヨン-前編/後編
前編5月7日 後編6月11日
全国ロードショーです。

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(C)2016映画「64」製作委員会

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疑惑のチャンピオン2016年04月18日

マラドーナやベン・ジョンソン、最近ではシャラポワと、一流スポーツ選手とドーピング、これは終わりのない問題だ。
本作はスポーツ界最悪級のドーピング実話。
あのツール・ド・フランス7連覇は
全て禁止薬物による違反行為が生んだフェイクだった、
という驚愕の映画だ。

世界的アスリート、というよりセレブリティ、
ランス・アームストロングが主人公。
このアメリカ人スーパースターが実は薬物まみれの偽善者だったというニュースは日本でも大々的に報じられたので僕もよく覚えている。

「疑惑のチャンピオン」は、そもそもランス・アームストロングがどんな人物で何故ドーピングに手を染めたか、を包み隠さず明らかにして行く。

元々野心家だった(と描かれている)アームストロング。因果関係はともかく彼はドーピングを始めて間もなく、重度の精巣癌を患い脳にまで転移する程、生命の危険にさらされていた。

そこから生還しただけでなく、アスリートとして復活、
ツール7連覇を達成したのだから、
世界中の癌患者達からも希望の星として絶大なリスペクトと巨万の報酬を得ていた訳である。

この作品の原作者は徹底した取材でアームストロングのドーピング疑惑を追い続けたイギリスの新聞記者。
言ってみれば英国版センスプ?記者は「富と名声」の誘惑に負けた主人公といかに対峙していったか・・・。是非映画で真実を見てください。

ちなみに本作の製作はイギリスの有名優良スタジオ、ワーキング・タイトル。これも本作のグレードを充分に保証してくれる。
程良い緊張感を終始漂わす秀作「疑惑のチャンピオン」は、7月2日公開です。

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シークレット・アイズ2016年04月15日

ジュリア・ロバーツとニコール・キッドマンという
ハリウッドを代表してきた大女優の初競演作。
といってもクレジット上での主演はキウェテル・イジョフォー。
アカデミー作品賞「それでも夜は明ける」の主演で
一躍知名度を上げた俳優だ。

本作にはオリジナルがあり、
2010年アカデミー外国語映画賞を受賞した
アルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」。
ハリウッド版「シークレット・アイズ」は
舞台を911翌年と現在のロサンゼルスに置き、
ある殺人事件の真相を追う捜査官達の物語である。

美人女優の代名詞のような二人だが、
共に今年49歳という彼女達は
作品中でも実年齢に近い、人生にくたびれたキャリア組。
まあ二人とも演技派としても充分に評価されているけれど、
ここでも決して美は売り物にしないのだ。
それでもとっても綺麗だけどね。

オリジナルとは設定やラスト等かなり違うが、
サスペンス物として上出来!何度も驚かされるし、
公安案件が絡むと国を違わず「隠蔽」だらけだと痛感する。

シークレット・アイズ
6月10日(金)公開です。

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(C)2015 STX Productions, LLC. All rights reserved.

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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男2016年04月08日

本作の主役ブライアン・クランストンが
今年のアカデミー賞の主演男優部門にノミネートされていた事を
憶えている、いや知っている人は少ないだろう。
それくらい印象が薄い作品、そして俳優かもしれないが、
充分に見応えのある秀作であり、
政治的にも今のアメリカに警鐘を鳴らす実話である。

第二次大戦後のアメリカの映画業界で
『赤狩り』が徹底的に行われたのは
様々な映画を通じて描かれてきたが、
これはその究極版。

余談だが、ジャクソン・ブラウンの曲で
「僕は右でも左でもない。愛国者だ」という歌詞があるのだが、
この作品で描かれた時代では、
こういう発言イコール『赤狩り』の対象にされただろう。

それくらい保守傾向が強かった時代に
自身の主義を曲げずに生き残った主人公、
「ローマの休日」の脚本家ダルトン・トランボの
弾圧との闘いの日々を忠実に再現させた本作。
トランプ旋風の吹く今のアメリカ人にはどう映るのだろう。


トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
7月公開。
見る価値、充分にあります。憶えておいてください。

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