黄金のメロディ マッスル・ショールズ2014年05月30日

このところ試写で見ても
紹介しない作品が結構多い。
理由は色々だけれど・・・。

そんな中で、
試写に行って以降、会うミュージシャン達に薦めまくっている
本作「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」。
実に優れた音楽ドキュメンタリーで、
60年代から70年代のアメリカ音楽に少しでも影響を受けているならば、必見ものの作品である。

マッスル・ショールズとは
アメリカ南部アラバマ州の片田舎の地名。
森林と川しかないような土地に建てられた
レコーディング・スタジオにまつわる話だ。

今もマッスル・ショールズには有名な
レコーディング・スタジオがふたつあるのだが、
そこを使ったミュージシャン、そして名作は枚挙に暇が無い。
アレサ・フランクリン
ローリング・ストーンズ
U2
アリシア・キーズ
ウィルソン・ピケット
ジミー・クリフ
etc ジャンルも世代も国籍も様々なアーティスト達が
何故ここでレコーディングをしてきたのか、
彼らの証言を元に
その秘密が2時間で解き明かされる。

一般的にはレコーディング・スタジオは
日本だけでなくアメリカでも馴染みは薄いだろうし、
世界的にも有名なのは観光地化している
ロンドンのアビーロード・スタジオくらいだろう。

それでも神憑りさえ感じるマッスル・ショールズ秘話は
音楽ファンなら知っておいて損はないです。
近々J-WAVEで試写会やるので
こうご期待!

黄金のメロディ マッスル・ショールズ
7月12日公開です。


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マレフィセント2014年05月26日

いきなり余談で、今更だけれど、
「桐島、部活やめるってよ」は面白いねえ。
またDVDで見たのだが
賞を総なめした事が当然と思える。

傑作な理由は色々あるけれど、
ひとつは登場人物がバラバラで
つまり感情移入出来るキャラクターがきっと居る、
物語に入り易いというところ。
僕は清水くるみが演じたバトミントン部員に
一番共感したんだけれど、
おっさんが女子高生に共感・・・変でしょうか?


さて話題の本作「マレフィセント」である。
ディズニー映画なのにダークで性悪なヒロインを
アンジェリーナ・ジョリーが演じる本作。
「眠れる森の美女」のスピンオフというか改作は
きっと多くの女性達を味方に付けてヒットするんだろうなあ。

つまり、である。
眠れる美女=オーロラ姫=美・善・憧れの存在は希少で嫉妬の対象。
マレフィセント=美女に魔法をかける悪女、
悪だけど訳あり、本当は善人で幸せになりたい、
という人は大勢いて共感し易い・・・。
こんな世の「当たり前」を徹底的に本気で描く
ディズニー映画には誰も敵わないのである。
そして僕もまんまと罠にハマり、
存分に楽しんで試写室を出た。

以前も書いたが
ディズニーの尊敬すべき点の一つは
決して綺麗事で作品を作らないという事。
人間はみんな違うし、
そこには階級や人種や能力での格差は必ず存在する、
という視点を持つ作品群だからこそ
人々の強い信頼を得られるのだろう。

マレフィセント
7月5日(土)公開。面白いです。

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©2014 Disney Enterprises, Inc.


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サード・パーソン2014年05月23日

映画通の心を掴んで離さないクリエイターの一人、
ポール・ハギスの新作である。

代表作「クラッシュ」のような群像劇の名手は、
過去作と全く違うシチュエーションの3都市物語を作り上げた。

パリに滞在、執筆に苦しむ初老作家と若き愛人。
ローマのバーで出会った、ビジネスマンとロマ族の女性。
ニューヨーク在住、離婚後の親権争い中の男女。

この3都市のアメリカ人5人と
ロマ族一人が中心となって繋いでいくストーリーは
現実とファンタジーを織り交ぜつつ進んで行く。

それぞれが抱える問題は決して簡単ではなく、
見る側も注視しないと何処に居るのか混乱してしまう伏線も多い。
これこそがポール・ハギス印であり、
重苦しいのに画面から逃げられなくなるのだ。

述べたように過去作
「ミリオンダラー・ベイビー」
「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」
「007/カジノ・ロワイヤル」
等と物語上での共通項はないが、
作品に漂う空気感は紛れもなく彼のものであり、
辛くてもまた見てしまうのである。

サード・パーソン
6月20日金曜日公開です。

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(C) Corsan 2013 all rights reserved

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グランド・ブダペスト・ホテル2014年05月14日

最近行ったマスコミ試写で最も混雑していた本作。
僕も2度目のトライだったが、開始30分前に満席、
大半の人が試写室に入れず帰るほどの注目度の高さは
紛れもなく監督/脚本のウェス・アンダーソン!
決して一般受けはしなくても、
サブカルの王者のようなウェス・アンダーソンの
映画関係者内での人気は凄い!!!

内容は
ヨーロッパ随一のホテルを仕切る“伝説のコンシェルジュ”と、
彼が信頼を寄せるベルボーイが巻き込まれた冒険ミステリー。
現代と60年代、第二次大戦前と3つの時代を行き来する、
独特のブラック・ジョークな、シニカルな笑いを与える100分。
そう、彼の映画は大体が100分くらいなのだ。

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』
『ムーンライズ・キングダム』等
独創的で映画人の踏み絵のような作品連発の
ウェス・アンダーソン監督最新作。
キャストもレイフ・ファインズ、エドワート・ノートン、
エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウ、
ティルダ・スウィントン、ハーヴェイ・カイテル、ビル・マーレイetcと
多彩な面々が多数参加した「グランド・ブダペスト・ホテル」。

見る価値は充分あると思います。
6月6日公開。

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(C)2013 Twentieth Century Fox

staff| 10:07 | カテゴリー:

青天の霹靂2014年05月12日

この映画を見ようと思ったきっかけは
ミスチルが主題曲を担当しているからなんだけど、
とっても良く出来た「笑えて泣ける日本映画」だった。
劇団ひとりって映画人として今後も要チェックだなあ。

簡単に言うと
「バック・トゥ・ザ・フーチャー」的なタイムスリップ物。
売れない手品師(大泉洋)が
音信不通だった父の訃報を警察から伝えられ
遺骨を引き取りに行くと父は橋の下に暮らしていた
ホームレスだった。
状況を受けきれず混乱している内に
タイムスリップして若かりし日の
両親(劇団ひとり、柴咲コウ)に会うことに・・・。

という出だしなんだけど、
スリップ先の昭和の浅草は
画面からも活気や人情が伝わってきたし、その地での売れない芸人達が物語に煮しめた味わいを付けている。そんな印象が古き良きなテイストなのだと。

そして、何といっても主演の大泉洋。
彼なしでは成立しないと断言できるほど、
ここでの彼の役割は大きく、それに応える名演。
しかし、演じているのはある意味敗者、落ちこぼれ者、
自信もないし、金もない、
そんな役処がぴったりだ、なんて嬉しくは無いかなあ。

原作者でもある劇団ひとりは監督兼助演男優。
俳優としては上手いが予測の範囲だけれど、監督としての彼は早くも次作が見たくなる才能発揮!
あっという間に映画は終わってしまうのである。

青天の霹靂
5月24日公開です。

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(C)2014 「青天の霹靂」製作委員会


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